オデュッセイア (Odysseia)(15) イリアス & オデュッセイア  
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再会

テレマコスはペネロペの居間に駆け込んだ。

深い眠りから覚めた彼女は、息子からすべての出来事を聞いた。
しかしあまりに突然だったために、テレマコスの話がにわかには信じられなかった。

広間に下りてきたペネロペは、それでもまだ信じられなかった。
オデュッセウスだと名乗るその旅人に言葉もかけずにたたずんでいた。

察したオデュッセウスが優しく微笑みながら言葉をかけた。
「ニ十年ぶりに帰ってきたんだ。老けたからわからないかい?」

ペネロペは、それに答えずにテレマコスに命じた。

「この方がゆっくり休めるように、オデュッセウス様の寝台をここへ運んで」

オデュッセウスは怪訝な顔をした。

「それはおかしい、あの寝台は地面から生えているオリーブで作ってあるから、動かすことなど出来ないはずだ。
それともその後、動かせるようにしたのか?」

ペネロペはその言葉に張り詰めていたものが一気に解けた。
「やっぱり...本物のオデュッセウス様でしたのね」

「え?本物かどうか疑って、寝台の話を持ち出したのか?」
「だって待ち遠しすぎて、こんな夢みたいなこと、うかつに信じていいのかしら...って」彼女は夫にすがって泣き崩れた。

それから二人は手に手をとって寝室に入っていった。
ニ十年の歳月を隔てて再開した夫と妻は、互いに過ぎし日に起こった様々な出来事を語りあい、やがて心地よい眠りを分かち合ったのである。


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