国名 アルバニア共和国               
英語 Republic of Albania  
首都 ティラナ  
独立年 -  
主要言語 アルバニア語  
面積 (千Km2) 29  
人口 (百万人) 2.9  
通貨単位 レク  
宗教 イスラム57%、ローマカトリック10%  
  正教7%         
主要産業 農業、製造業、建設業        
           
           
ロザファ城 (Rozafa Castle)

アルバニア北部のショコドラ(Shkoder)にある要塞。紀元前2000年頃に建設されたアルバニア最古の城である。

高さ130 mの丘の上にある要塞であり、BC168年のイリュリア戦争では、イリュリア軍がこの城に立てこもりローマ軍と戦った。
城の内部に教会があったが、1479年にオスマン帝国がショコドラを占領した後、城は軍事基地に変わり、教会はモスクに改築されてしまった。
           




地理

海岸沿いの平野のほかは起伏に富む山地であり、
国土の7割が標高300メートル以上の風光明媚な国である。

コソボ、モンテネグロおよびマケドニアとの国境地帯にはコラプ山(2753m)をはじめ
2000メートル級の山々が連なる。

マケドニアから流入するドリン川が国内280キロメートルを流れ、アドリア海に注ぐ。

湖では北部のショコダル湖(約360平方㎞)、南東部のオフリド湖、プレスパ湖がいずれも国境上にある。

海岸地帯は温暖な地中海性気候で、降雪はまれである。

内陸部は大陸性気候で、冬季に積雪がある。夏の最高気温は30℃を超え、冬の最低気温は海岸で0℃前後、
内陸部の諸都市で零下10℃以下となる。


国土の4割余りが耕地や牧草地、同じく4割余りが森林で、カシワ、ブナ、マツが多い。

農牧国で、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、テンサイなどを集団農場で栽培。
クロム鉱、銅鉱、リン鉱、石油、天然ガスなど鉱産資源に恵まれているが、開発は遅れている。

中央計画経済のもとで工業化に力を注いできたが、原材料不足で低迷。
1990年以降、経済改革により農地の個人所有、工場の民営化が進められている。

オリーブ油などの農産加工、衣料、石油精製、セメントなどの工業がある。








歴史

BC10世紀頃から、インド・ヨーロッパ語族のイリュリア人(Illyrians)が、バルカン半島北西部の
イリュリアに居住していたが、BC168年、共和政ローマの支配に属した。

その後、ローマ人によってこの地方はイリュリクム(Illyricum)と呼ばれるようになった。
6~9年にはローマに対して反乱を起したが、ティベリウス帝によって制圧された。


ローマ帝国全盛期にはイリュリクムも繁栄。
ディオクレティアヌス帝やコンスタンティヌス帝ら多くのローマ皇帝はイリュリア系であった。

以後、東ローマ帝国、オスマン帝国および周辺諸国などの支配と侵略を受けた。


1912年ヨーロッパ列強の支持により独立。
1921年、共和国、1928年から王制をしいたが、1939年イタリアに武力統合された。

第二次世界大戦後、解放されて社会主義国となった。
1991年、国名をアルバニア人民社会主義共和国から現国名に変更した。

1992年、総選挙で民主党に敗れ、社会主義体制が崩壊した。



BC10世紀  バルカン半島北西部に、イリュリア人の国家が形成。    
BC168年  ローマ領       
15世紀  オスマン帝国の支配下       
1991年 オスマン帝国から独立      
1939年 イタリアに併合される      
1946年 アルバニア人民社会主義共和国      
1961年 アルバニア共和国に改称      
2000年 WTO加盟      
2009年 NATO加盟      




マザー・テレサ (Mother Teresa)  (1910~1997年)


アルバニア系のカトリック修道女。

インドのカルカッタの最貧民や遺棄されて死に瀕した病人、老人、子供のため献身的な活動を行なった。
現代における最も徹底した愛の使徒として知られる。

1928年インドに渡り、ロレット会の修道女としてカトリック系女子高校で教えたが、1946年修道会を出てスラムで働く。

1950年厳しい清貧を守りつつ悲惨な境遇の人々に奉仕する「神の愛の宣教者会」
(Order of the Missionaries of Charity)を設立。

1971年にヨハネス23世教皇平和賞、1979年にノーベル平和賞受賞。





イリュリア人 (Illyrians)

イリュリア人は、紀元前1000年、黒海沿岸から南下して、バルカン半島に定住した古代民族である。
彼らは、アルバニア人の祖先であり、古代ローマやエジプトなどで皇帝や王を輩出するまで繁栄した。

アルバニア人の多くは、気高く勇敢であったイリュリア人の末裔であることを誇りに思っている。




コンスタンティヌス (Constantine the Great)
ローマ皇帝 (在位306~337年)。324年、全ローマ帝国を統一。またキリスト教を公認した。

ムハンマドアリー (Muhammad Ali)
エジプト王 (在位1805~1845年)。1811年、エジプトからイスラム勢力を一掃して近代化を推し進めた。

スカンデルベグ (Skanderbeg)
アルバニア王 (在位1443~1468年)。オスマン帝国の来襲を20年以上にわたり撃退した国民的英雄。




クルヤ城 (Kruja Castle)



首都ティラナ (Tirana) から車で一時間、アルバニア北部の標高600mの都市クルヤ。

ここにあるクルヤ城は、国民的英雄スカンデルベグが20年以上にわたり
オスマン帝国の侵略からアルバニアを守った難攻不落の要塞である。

現在、この城はスカンデルベグ博物館になっている。