アントン・ウォルブルック(Anton Walbrook)

生年月日 : 1896/11/19
出身地 : オーストリア/ウィーン
没年 : 1967/08/09

マックス・ラインハルト(Max Reinhardt)が主催するベルリンの演劇学校で学び、舞台経験を積む。

1931年、リヒャルト・レーヴェンバイン監督の「マリオネット」で映画デビュー。

1934年、ヴィリ・フォルスト監督の「たそがれの維納(ウィーン)」に主演、
ウィーンの社交界で浮名を流す画家を演じ、一躍トップスターの座を獲得する。

1937年から、米、英、仏など国外でも活躍。1948年のイギリス映画「赤い靴」では
非情なバレエ団主催者の役柄を演じ、この作品は自身の生涯の代表作となった。





代表作品

      たそがれの維納(ウィーン)(MASKERADE)1934年(オーストリア)

画家のハイデネクは、かなりのプレイボーイとして知られる。ある時、さる人妻を口説いて、そのヌードを描いた。
だが、その絵は手違いから公表されてしまい「モデルは誰か?」とウィーンの社交界は大騒ぎになる。

原題は「仮面舞踏会」その仮面舞踏会で福引が行われ、一等賞のチンチラのマフラーが当たった。そのマフラーを
腰にまとうだけの姿でヌードモデルになってもらい、素晴らしい絵を描いた。
だが、その人妻の亭主が、モデルは自分の妻ではないかと怪しんで調べさせたことから事件が起こる。

画家ハイデネクに扮したアントン・ウォルブルックが、女泣かせの色男と、気鋭の画家との二面性を演じ分けている。
また、チンチラのマフラーと仮面をうまく使った洒落っ気たっぷりの展開が面白く惹き込まれる。

(監督)ヴィリ・フォルスト(Willi Forst)(出演)アントン・ウォルブルック(Anton Walbrook)
オルガ・チェホーワ(Olga Tschechowa)パウラ・ベッセリー(Paula Wessely)
 
       
       
    赤い靴(The Red Shoes)1948年(英)

ロンドンのバレエ団に、ビクトリアという少女が入団した。彼女は、団長にその才能を見いだされる。
世界一のプリマを目指すビクトリアと、彼女を育てようとする団長のレルモントフ。

二人の夢は順調に実現に向かうように見えた。しかし、彼女が青年作曲家に恋し、バレエを捨てようと
した時、悲劇の幕が上がる…。

バレエと恋との狭間で悩み、悲劇的な死を遂げるバレリーナの物語。「その靴を履いたら、死ぬまで踊り続け
なければならない」というアンデルセンの童話を題材として制作された作品。

1950年(昭和25年)日本公開。東京有楽座には、二か月間で33万人を動員、高額料金の全席指定がほぼ満席を
続ける大記録を収めた。また街にはバレエ教室が乱立し、空前のクラシックバレエ・ブームが巻き起こった。

(監督)マイケル・パウエル(Michael Powell)エメリック・プレスバーガー(Emeric Pressburger)
(出演)モイラ・シアラー(Moira Shearer)アントン・ウォルブルック(Anton Walbrook)
 
       

マリオネット(Marionetten)1915年
カイロの戦慄(DIE FUNF VERFLUCHTEN GENTLEMEN)1931年
ワルツ合戦(WALZERKRIEG)1933年
たそがれの維納(ウィーン)(MASKERADE)1934年
旅順港(PORT ARTHER)1935年
ジプシー男爵(ZIGEUNERBARON)1935年
プラーグの大学生(The Student of Prague)1935年
ひめごと(ALLOTORIA)1936年
ヴィクトリア女王(VICTORIA THE GREAT)1937年
潜水艦轟沈す(THE FORTY-NINTH PARALLEL)1940年
ガス燈(GASLIGHT)1940年
戦雲に散る曲(SUICIDE SQUADRON)1941年
老兵は死なず(COLONEL BRIMP)1943年
スペードの女王(THE QUEEN OF SPADES)1948年
赤い靴(THE RED SHOES)1948年
輪舞(LA RONDE)1950年
埋れた青春(L'AFFAIRE MAURIZIUS)1953年
美わしのロザリンダ(FLEDERMAUS '55)1956年
歴史は女で作られる(LOLA MONTES)1956年
聖女ジャンヌ・ダーク(SAINT JOAN)1957年