ドロテア・ヴィーク(Dorothea Wieck)

生年月日 : 1908/01/03
出身地 : スイス/ダボス
没年 : 1986/02/20

1923年、15歳のとき、舞台俳優のマックス・ラインハルト(Max Reinhardt)の主催する劇団
に加入し舞台経験を積む。1926年、フランツ・ザイツ監督の「秘密の罪人」で映画デビュー。

1931年、レオンティーネ・サガン監督の「制服の処女」に主演。

「制服の処女」では、全寮制の女学校の教師に扮し、全生徒の敬慕を一身に集める役どころで、
その端麗な美しさは、ドイツ国内で旋風の如き人気を呼び起こした。

また本作は、ナチス独裁に向かう時代の波の中で、権威主義がいかに人間を抑圧するものかを
みずみずしい感覚で訴え、ドイツ映画の底力を示す作品として、全世界で高い評価を得た。

1933年渡米し「ゆりかごの唄 1933」「愛する時と死する時 1958」などハリウッド映画でも活躍した。




代表作品

      制服の処女(Maedchen in Uniform)1931年(独)

16歳のマヌエラは、女学校の寄宿舎に入れられ、鉄格子の中のような生活を送っていた。
彼女の気持ちを和ませてくれるのは、女教師ベルンブルグ(ヴィーク)だけだった。

彼女はそんな先生に惹かれ「先生を愛してます」と宣言してしまう。校長から教師と
会うことを禁じられるが、同級生たちは彼女の味方となる。

1933年(昭和8年)日本公開。キネマ旬報ベストテン第一位に輝いた作品。公開当時の東京では、
映画館の周りは、この映画を見ようと十重二十重の人の波という空前の大ヒットになった。

一方、現地のドイツでは、1933年ナチス政権の成立により、本作は上映禁止となった。
理由は「ドイツ民族の尊厳を汚す退廃的な内容の映画である」というものだった。

(監督)レオンティーネ・サガン(Leontine Sagan)
(出演)ドロテア・ヴィーク(Dorothea Wieck)ヘルタ・ティーレ(Hertha Thiele)
       

秘密の罪人(Secret Sinners)1926年
嵐の潮(Storm Tide)1927年
制服の処女(Maedchen in Uniform)1931年
伯爵令嬢(Countess Mariza)1932年
黒衣の処女(Anna and Elizabeth)1933年
ゆりかごの唄(Cradle Song)1933年
ルイ14世の私生活(The Private Life of Louis XIV)1935年
ブラハの大学生(The Student of Prague)1935年
特別特派員(Special Correspondents)1943年
グリーンサロン(The Green Salon)1944年
五人の容疑者(Five Suspects)1950年
綱渡りの男(Man on a Tightrope)1953年
チロルの森の家(The Forest House in Tyrol)1955年
アナスタシア物語(The Story of Anastasia)1956年
愛する時と死する時(A Time to Love and a Time to Die)1958年
ホテルの人たち(Menschen im Hotel)1959年