グレース・ケリー(Grace Kelly)

生年月日 : 1929/11/12
出身地 : アメリカ/ペンシルベニア
没年 : 1982/09/14

理知的で、気品にあふれ、まさに王妃にふさわしい人だった。

その意味では、さすがモナコ大公(Prince of Monaco)お目が高い、というべきか。

だが、これからさらに磨きがかかろうという二十八歳で、映画界引退。
掌中の珠を奪われたように、ファンがモナコ王国を怨んだのも当然ではあった。

いかに魅力的な女優であったか。

それは女優に厳しい目をもったあのヒッチコック監督が、三作(ダイヤルMを廻せ、
裏窓、泥棒成金)も続けて彼女を起用したことでも明らかだ。




代表作品

      真昼の決闘(HIGH NOON)1952年(米)

西部の小さな町ハドリービル。保安官ウィル(クーパー)は、恋人エイミー(ケリー)と結婚し、
職を辞して、この町を去ろうとした。

ところが、五年前に彼が逮捕した無法者がやって来ることを知り、再びバッジを胸につける。

引退を間近に控えた保安官の横に並ぶうら若き花嫁は、昨年デビューしたばかりの新人グレイス・ケリー。
まだ美しさよりも可愛らしさの方が先立って、みずみずしく新鮮な魅力が存分に発揮されている。

(監督)フレッド・ジンネマン(FRED ZINNEMANN)
(出演)ゲイリー・クーパー(GARY COOPER)グレイス・ケリー(GRACE KELLY)
 
       
       
    ダイヤルMを廻せ!(DIAL M FOR MURDER)1954年(米)

元テニス選手のトニー(ミランド)は、資産家の妻(ケリー)が若い推理作家と
恋仲になった事を知り、離婚される前に妻を殺して、遺産を手に入れようと考える。

そこで、やくざの男(ドーソン)に、自分の留守中に妻の殺害を依頼する。
だが襲われた妻は、とっさにハサミでやくざの男を殺害してしまう。

犯人は分かっている。その動機も示されている。それでいて引きつけられる。
ヒッチコックならではの奇抜な演出は、最後まで観客に息もつかせない。

(監督)アルフレッド・ヒッチコック(ALFRED HITCHCOCK)(出演)レイ・ミランド(RAY MILLAND)
グレイス・ケリー(GRACE KELLY)アンソニー・ドーソン(ANTHONY DAWSON)
 
       
       
      裏窓(REAR WINDOW)1954年(米)

新聞記者のジェフ(スチュアート)は、足を負傷し、車椅子の生活を余儀なくされていた。
彼は暇つぶしに、愛用のカメラで向かいのアパートの部屋を覗き見るのが習慣になっていた。

そんなある日彼は、向かいの部屋の中年男の妻が、いつのまにか姿を消していることに気づく。
ジェフは、男が仲の悪かった妻を殺害したと推理し、恋人のリザ(ケリー)に調査を依頼する。

優雅なファッションを身に纏ったグレイス・ケリーの美しさは絶品で、そんな彼女がスカートを
ひるがえして、勇ましくも殺人者のアパートに忍び込むのだから、もうため息の連続だ。

(監督)アルフレッド・ヒッチコック(ALFRED HITCHCOCK)
(出演)ジェームズ・スチュアート(JAMES STEWART)グレイス・ケリー(GRACE KELLY)
       

14時間の恐怖(Fourteen Hours)1951年
真昼の決闘(High Noon)1952年
モガンボ(Mogambo)1953年
ダイヤルMを廻せ!(Dial M for Murder)1954年
裏窓(Rear Window)1954年
喝采(The Country Girl)1954年(アカデミー主演女優賞)
緑の火 エメラルド(Green Fire)1954年
トコリの橋(The Bridges at Toko-Ri)1954年
泥棒成金(To Catch a Thief)1955年
白鳥(The Swan)1956年
上流社会(High Society)1956年