ジョン・ウェイン(John Wayne)

生年月日 : 1907/05/26
出身地 : アメリカ/アイオワ州
没年 : 1979/06/11

1927年エキストラとして映画界入り、1930年「ビッグ・トレイル」に主役として抜擢。
1939年フォード監督の名作「駅馬車」で一躍スターの座に上った。

以来、おもに西部劇でハリウッドの代表的スターとなった。
1949年「黄色いリボン」では、騎兵隊一筋に生きた男が退役を迎える姿を滋味豊かに演じた。

そして「駅馬車」から実に30年後「勇気ある追跡」でオスカー受賞、感涙にむせんだ。

1976年「ラスト・シューテイスト」では、ガンに冒された老ガンマンに自らの姿を投影。
見事な男の生涯だった。



代表作品

      駅馬車(STAGECOACH)1939年(米)

アリゾナからニューメキシコまで、9人の乗客を乗せた駅馬車が走る。
医者や若妻、娼婦や役人など、さまざまな乗客が乗り合わせていた。

しかし、途中でアパッチインディアンに急襲されてしまう。

ある映画評論家が尋ねた。「なぜインディアンは馬車を引く馬を撃たないのか?」
「そんなことしたら映画が終わってしまうじゃないか」まさにフォード監督の至言。

(監督)ジョン・フォード(JOHN FORD)
(出演)ジョン・ウェイン(JOHN WAYNE)クレア・トレヴァー(CLAIRE TREVOR)
トーマス・ミッチェル(THOMAS MITCHELL)ジョン・キャラダイン(JOHN CARRADINE)
       
       
      赤い河(RED RIVER)1948年(米)

テキサスの牧場主ダンソン(ウェイン)は、商売拡大のため、一万頭の牛を大移動させることを決意。
彼は、養子のマシュー(クリフト)と三人の牧童を引き連れ、ミズーリまでの旅を開始する。

だが道のりは困難を極め、レッド・リバー渡河の際には牧童たちが逃亡してしまう。
荒れるダンソンとマシューはこれをきっかけに対立し、ふたりは互いに殺気をはらんだまま旅を続ける。

ジョン・ウェインは頑固じじいに扮し、初の老け役に挑戦した。彼の演技を見たジョン・フォードに
「あいつに演技が出来るとは知らなかった」と言わしめた程、渋い、いい味を見せている。

(監督)ハワード・ホークス(HOWARD HAWKS)
(出演)ジョン・ウェイン(JOHN WAYNE)モンゴメリー・クリフト(MONTGOMERY CLIFT)
 
       
       
      黄色いリボン(SHE WORE A YELLOW RIBBON)1949年(米)

1876年、インディアンと騎兵隊が激しい戦いを繰り広げる西部開拓時代のアメリカ。
退役を数日後にひかえた老大尉(ウェイン)は、砦の司令官の妻と姪を護送する任務に就く。

ところが途中、インディアンの大軍に阻まれ、砦への退却を余儀なくされてしまう。
引き返したところで退役を迎え、やむなく兵士たちに別れを告げる老大尉。

だが、味方の苦戦を知った彼は、任期最後の数時間をインディアン襲撃に賭ける。

数々の武勲を残したものの、妻や息子はインディアンに殺されてしまった。俺はこれから
何をしたらいいのだろうか。退役を迎えた老大尉の淋しい孤独の心情がせつせつと胸に迫る。

(監督)ジョン・フォード(JOHN FORD)
(出演)ジョン・ウェイン(JOHN WAYNE)ジョーン・ドルー(JOANNE DRU)
       
       
      静かなる男(THE QUIET MAN)1952年(米)

アメリカでボクサーだったショーン(ウェイン)は、引退して故郷アイルランドの村に帰ってきた。
彼は、美人で勝ち気なメアリーに出会い、結婚を決意。しかし、彼女の兄で乱暴者のレッドは猛反対。

そんな兄と腕ずくで戦おうとしないショーンの不甲斐なさに腹を立てるメアリーだった。
だが、実はショーンには、忘れたい悲痛な過去があったのだ。

西部劇ではなくアイルランドの田舎が舞台。アイルランド人はプライドを重んじ、売られた喧嘩は買うのが男。
フォード監督は、本作でアカデミー監督賞を獲得したのだが、受賞式には遂に姿を見せなかった。

理由は「真昼の決闘」で、ゲーリー・クーパーが主演男優賞を獲得したが、ジョン・ウェインはノミネートも
されなかった事への反発だった。監督は「アイルランド人魂」を示したのである。

(監督)ジョン・フォード(JOHN FORD)(出演)ジョン・ウェイン(JOHN WAYNE)
モーリン・オハラ(MAUREEN O'HARA)ヴィクター・マクラグレン(VICTOR McLAGLEN)
 
       
       
      リオ・ブラボー(RIO BRAVO)1959年(米)

テキサスの町リオ・ブラボー。保安官チャンス(ウェイン)はある日、殺人を犯したジョーを逮捕した。
だが、ジョーの兄ネイサンが地方のボスで、多数の部下を動員して、ジョーを引き渡せと脅迫する。
保安官は、飲んだくれの助手や脚の不自由な老人らの助けを借りてネイサン一味と対決する。

ホークス監督が本作を撮ったのは「真昼の決闘 1952」が嫌いだったからという。保安官(ゲイリー・クーパー)が
市民に助けを求めるなど、以ての外という事らしい。おまけに決闘の前に、ご丁寧に遺書まで書いていたとか。

だが、実際の西部開拓時代の保安官は、皆臆病で、敵を倒すのも背中からが当然だったという。
ジョン・ウェインのように敵を怖れない豪胆な保安官は、映画の中だけの話という訳である。

(監督)ハワード・ホークス(HOWARD HAWKS)(出演)ジョン・ウェイン(JOHN WAYNE)
ディーン・マーティン(DEAN MARTIN)ウォルター・ブレナン(WALTER BRENNAN)
       

最敬礼(Salute)1929年
ビッグ・トレイル(The Big Trail)1930年
娘三人記(Three Girls Lost)1931年
アリゾナ(Arizona)1931年
鉄腕ジョーンズ(The Range Feud)1931年
テキサスの旋風(Texas Cyclone)1932年
歓呼の涯(Lady and Gent)1932年
テキサスの若武者(Ride Him, Cowboy)1932年
アリゾナ・ギャング(The Big Stampede)1932年
金塊争奪(Haunted Gold)1932年
討伐隊(The Telegraph Trail)1933年
砂漠の三銃士(The Three Musketeers)1933年
紅唇罪あり(Baby Face)1933年
大山脈の西(West of the Divide)1934年
ブルースチール(Blue Steel)1934年
快男児ランディ(Randy Rides Alone)1934年
スター・パッカー(The Star Packer)1934年
遥かなる旅(The Trail Beyond)1934年
ユタから来た男(The Man from Utah)1934年
無法辺境地帯(The Lawless Frontier)1934年
アリゾナの空の下で('Neath the Arizona Skies)1934年
テキサスの恐怖(Texas Terror)1935年
夜明けの男(The Dawn Rider)1935年
パラダイスキャニオン(Paradise Canyon)1935年
沿岸警備隊(Sea Spoilers)1936年
猛獣国横断(I Cover the War)1937年
西部地獄街,荒野の激闘,荒原の激闘(Born to the West,Hell Town)1937年
駅馬車(Stagecoach)1939年
アリゲニー高原の暴動(Allegheny Uprising)1939年
暗黒の命令(Dark Command)1939年
砂塵の町(Three Faces West)1940年
果てなき航路(The Long Voyage Home)1940年
妖花(Seven Sinners)1940年
暴力街(A Man Betrayed)1941年
暗黒街の王者(Lady from Lousisiana)1941年
丘の静かなる男(The Shepherd of the Hills)1941年
或る夜の貴婦人(Lady for a Night)1942年
絶海の嵐(Reap the Wild Wind)1942年
スポイラース(The Spoilers)1942年
西部の顔役(In Old California)1942年
フライング・タイガー(Flying Tigers)1942年
男性都市(Pittsburgh)1942年
再会のパリ(Reunion in France)1942年
西部を駆ける恋(A Lady Takes a Chance)1943年
硝煙の新天地(In Old Oklahoma)1943年
血戦奇襲部隊(The Fighting Seabees)1944年
拳銃の町(Tall in the Saddle)1944年
炎の街(Flame of Barbary Coast)1945年
バターンを奪回せよ(Back to Bataan)1945年
ダコタ荒原(Dakota)1945年
コレヒドール戦記(They Were Expendable)1945年
恋愛超特急(Without Reservations)1946年
拳銃無宿(Angel and the Badman)1947年
タイクーン(Tycoon)1947年
アパッチ砦(Fort Apache)1948年
赤い河(Red River)1948年
三人の名付親(3 Godfathers)1948年
怒涛の果て(Wake of the Red Witch)1948年
ケンタッキー魂(The Fighting Kentuckian)1949年
黄色いリボン(She Wore a Yellow Ribbon)1949年
硫黄島の砂(Sands of Iwo Jima)1949年
リオ・グランデの砦(Rio Grande)1950年
太平洋機動作戦(Operation Pacific)1951年
太平洋作戦(Flying Leathernecks)1951年
静かなる男(The Quiet Man)1952年
ハワイの陰謀(Big Jim McLain)1952年
勝負に賭ける男(Trouble Along the Way)1953年
男の叫び(Island in the Sky)1953年
ホンドー(Hondo)1953年
紅の翼(The High and the Mighty)1954年
男の魂(The Sea Chase)1955年
中共脱出(Blood Alley)1955年
捜索者(The Searchers)1956年
征服者(The Conqueror)1956年
荒鷲の翼(The Wings of Eagles)1956年
ジェット・パイロット(Jet Pilot)1957年
失われたものゝ伝説(Legend of the Lost)1957年
黒船(The Barbarian and the Geisha)1958年
リオ・ブラボー(Rio Bravo)1959年
騎兵隊(The Horse Soldiers)1959年
アラモ(The Alamo)1960年
アラスカ魂(North to Alaska)1960年
コマンチェロ(The Comancheros)1961年
リバティ・バランスを射った男(The Man Who Shot Liberty Valance)1962年
ハタリ!(Hatari!)1962年
史上最大の作戦(The Longest Day)1962年
西部開拓史(How the West Was Won)1962年
ドノバン珊瑚礁(Donovan's Reef)1963年
マクリントック(McLintock!)1963年
サーカスの世界(Circus World)1964年
偉大な生涯の物語(The Greatest Story Ever Told)1965年
危険な道(In Harm's Way)1965年
エルダー兄弟(The Sons of Katie Elder)1965年
巨大なる戦場(Cast a Giant Shadow)1966年
エル・ドラド(El Dorado)1966年
戦う幌馬車(The War Wagon)1967年
グリーンベレー(The Green Berets)1968年
ヘルファイター(Hellfighters)1968年
勇気ある追跡(True Grit)1969年(アカデミー主演男優賞)
大いなる男たち(The Undefeated)1969年
チザム(Chisum)1970年
リオ・ロボ(Rio Lobo)1970年
100万ドルの血斗(Big Jake)1971年
11人のカウボーイ(The Cowboys)1972年
大列車強盗(The Train Robbers)1973年
ビッグケーヒル(Cahill U.S. Marshal)1973年
マックQ(McQ)1974年
ブラニガン(Brannigan)1975年
オレゴン魂(Rooster Cogburn)1975年
ラスト・シューティスト(The Shootist)1976年