シモーヌ・シニョレ(Simone Signoret)

生年月日 : 1921/03/25
出身地 : ドイツ/ヘッセン州
没年 : 1985/09/30

ユダヤ人一家に生まれ、幼い頃パリに移住。
高校卒業後、タイピストとして自活のかたわら、エキストラとして映画に出演。

1942年、ジャン・ボワイエ監督の「ボレロ(Bolero)」で映画デビュー。

以後「デデという娼婦 1948」「肉体の冠 1951」「嘆きのテレーズ 1953」「悪魔のような女 1955」
など、娼婦や情婦といった役柄を多くこなし、強烈なキャラクターを発揮。

1959年、ジャック・クレイトン監督の「年上の女」では、不幸な結婚に悩む人妻を熱演、
アカデミー主演女優賞と、カンヌ国際映画祭女優賞をダブル受賞した。




代表作品

      嘆きのテレーズ(Therese Raquin)1953年(仏)ベネチア国際映画祭準グランプリ

人妻のテレーズ(シニョレ)は、恋に落ちた運転手と一緒に、病弱な夫の殺害を実行する。
警察によるテレーズに対する厳しい尋問はあったが、夫の死は事故死として扱われた。
完全犯罪が成立するかに見えたが…。

フランスの作家エミール・ゾラの不倫メロドラマの映画化。不倫ドラマといっても人妻が男と共謀して
亭主を殺害するという物騒なドラマである。その結果、人生を狂わせてしまう男女の悲劇が描かれる。

とりわけヒロイン役シニョレの抑制した演技と表情が心に残る。劇中では一度も笑わず、微笑みさえ
浮かべることがなかったのではないか。どんでん返しの意外なラストも秀逸。

(監督)マルセル・カルネ(Marcel Carne)
(出演)シモーヌ・シニョレ(Simone Signoret)ラフ・ヴァローネ(Raf Vallone)
 
       

ボレロ(Bolero)1942年
悪魔が夜来る(Les Visiteurs du soir)1943年
泣きぬれた天使(L'Ange de la nuit)1944年
宝石館(Macadam)1946年
デデという娼婦(Dédée d'Anvers)1948年
輪舞(La Ronde)1950年
肉体の冠(Casque d'or)1951年
嘆きのテレーズ(Thérèse Raquin)1953年
悪魔のような女(Les Diaboliques)1955年
この庭に死す(La Mort en ce jardin)1956年
サレムの魔女(Les Sorcières de Salem)1957年
年上の女(Room at the Top)1959年(アカデミー主演女優賞、カンヌ国際映画祭女優賞)
素晴らしき恋人たち(Les Amours célèbres)1961年
可愛い妖精(Term of Trial)1962年
愚か者の船(Ship of Fools)1965年
七人目に賭ける男(Compartiment tueurs)1965年
パリは燃えているか(Paris brûle-t-il?)1966年
恐怖との遭遇(The Deadly Affair)1966年
悪魔のくちづけ(Games)1967年
孤独なアメリカ人(L'Américain)1969年
影の軍隊(L'Armée des ombres)1969年
告白(L' Aveu)1970年
帰らざる夜明け(La Veuve Couderc)1971年
燃えつきた納屋(Les Granges brulées)1973年
蘭の肉体(La Chair de l'orchidée)1975年
真夜中の刑事(Police Python 357)1976年
これからの人生(La Vie devant soi)1977年(セザール主演女優賞)
ジャンヌ・モローの思春期(L'Adolescente)1979年
いとしの君へ(Chère inconnue)1980年