大河内伝次郎(おおこうちでんじろう)(1898-1962)
1898年(明治31年)2月5日生まれ。福岡県出身。大阪商業卒。本名は大邊男(おおべますお)
劇作家を志して新国劇に入ったが、のち俳優に転向し、1926年(大正15年)日活へ入社。
伊藤大輔監督に認められ「長恨(ちょうこん)」でデビュー。
以来同監督の「忠次旅日記」三部作、「血煙高田馬場」などに主演。
悲愴感ただよう演技とスピード感あふれる殺陣で、人気を不動のものとした。
「新版大岡政談」で演じた丹下左膳は彼の当り役となり、日活時代劇の黄金時代を築いた。
あるときはただならぬ殺気をはらみ、あるときは妖気すら放った眼光。
ニヒルな隻腕・隻眼の浪人・丹下左膳は、大河内が日本映画史に刻んだ不朽の人間像だった。
トーキー以後は訛りのある独得の発声が逆の魅力となり、現代劇にも重厚な演技をみせた。
晩年に造営した京都小倉山の山荘は、大河内山荘として洛西の名園となっている。
代表作品
連合映画「弥陀ケ原の殺陣」(原健作、榊亀治、西村実、園部小夜子、室町次郎)1925年(大正14年)
高松プロ「義憤の血煙」(室町次郎、榊亀治、金井修、富田百合子、原健作)1925年(大正14年)
日活「水戸黄門」(山本嘉一、河部五郎、尾上多見太郎、岡田時彦、大河内伝次郎)1926年(大正15年)
日活「幕末剣史 長恨」(大河内伝次郎、久米譲、尾上卯太五郎、川上弥生)1926年(大正15年)
日活「照る日くもる日 第一篇」(嵐璃左衛門、桜木梅子、河部五郎、大河内伝次郎)1926年(大正15年)
日活「修羅王 前後篇」(河部五郎、大河内伝次郎、尾上多見太郎、児島三郎)1926年(大正15年)
日活「大前田英五郎」(大河内伝次郎、久米譲、浅見勝太郎、嵐璃左衛門)1927年(昭和2年)
日活「照る日くもる日 第二篇」(嵐璃左衛門、桜木梅子、河部五郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「照る日くもる日 第三篇」(嵐璃左衛門、桜木梅子、河部五郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「忠次旅日記 甲州殺陣篇」(大河内伝次郎、市川市丸、木下千代子、嵐松郎)1927年(昭和2年)
日活「紅筆地獄」(大河内伝次郎、沢村春子)1927年(昭和2年)
日活「大久保彦左衛門」(山本嘉一、河部五郎、尾上多見太郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「半九郎捕物帳 剣」(大河内伝次郎、市川百之助、葛木香一、沢村春子)1927年(昭和2年)
日活「断魔閃刃」(大河内伝次郎、沢村春子)1927年(昭和2年)
日活「照る日くもる日 第四篇」(嵐璃左衛門、桜木梅子、河部五郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「流転 前後篇」(大河内伝次郎、葛木香一、沢村春子、伊藤みはる)1927年(昭和2年)
日活「照る日くもる日 最終篇 」(嵐璃左衛門、桜木梅子、河部五郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「地雷火組 第一篇」(河部五郎、喜多次郎、尾上多見太郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「地雷火組 第二篇」(河部五郎、喜多次郎、尾上多見太郎、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「忠次旅日記 信州血笑篇」(大河内伝次郎、阪本清之助、岡崎晴夫、実川延一郎)1927年(昭和2年)
日活「増補改訂忠臣蔵 天の巻 地の巻 人の巻」(尾上松之助、大河内伝次郎)1927年(昭和2年)
日活「落花の淵」(大河内伝次郎、草間錦糸、浅野雪子、小松みどり)1927年(昭和2年)
日活「建国史 尊王攘夷」(山本嘉一、大河内伝次郎、尾上多見太郎、谷崎十郎)1927年(昭和2年)
日活「剣と恋」(大河内伝次郎、久米譲、尾上華丈、桜木梅子)1927年(昭和2年)
日活「槍供養」(久米譲、実川延一郎、大河内伝次郎、尾上桃華)1927年(昭和2年)
日活「忠次旅日記 御用篇 」(大河内伝次郎、伏見直江、磯川元春、村上英二、沢蘭子)1927年(昭和2年)
日活「弥次喜多 尊王の巻」(河部五郎、大河内伝次郎、酒井米子、尾上多見太郎)1927年(昭和2年)
日活「弥次喜多 韋駄天の巻」(河部五郎、大河内伝次郎、酒井米子、尾上多見太郎)1928年(昭和3年)
日活「弥次喜多 伏見鳥羽の巻」(河部五郎、大河内伝次郎、尾上多見太郎、新妻四郎)1928年(昭和3年)
日活「血煙高田の馬場」(大河内伝次郎、実川延一郎、尾上卯多五郎、木村千代子) 1928年(昭和3年)
日活「続水戸黄門」(山本嘉一、河部五郎、尾上多見太郎、大河内伝次郎)1928年(昭和3年)
日活「新版大岡政談 第一篇」(大河内伝次郎、伏見直江、伊藤みはる、梅村蓉子)1928年(昭和3年)
日活「新版大岡政談 第二篇」(大河内伝次郎、卯島五郎、伊藤みはる)1928年(昭和3年)
日活「地雷火組 完結篇」(河部五郎、大河内伝次郎、山田純三郎、新妻四郎)1928年(昭和3年)
日活「新版大岡政談 第三篇 解決篇」(大河内伝次郎、尾上卯多五郎、伊藤みはる)1928年(昭和3年)
日活「維新の京洛 竜の巻 虎の巻」(山本嘉一、河部五郎、大河内伝次郎、浅岡信夫)1928年(昭和3年)
日活「血煙荒神山」(大河内伝次郎、寺島貢、久米譲、高勢実、梅村蓉子、酒井米子)1929年(昭和4年)
日活「謎の人形師」(大河内伝次郎、伏見直江、吉本真登子、楠英二郎)1929年(昭和4年)
日活「赤穂浪士 第一篇 堀田隼人の巻」(大河内伝次郎、光岡竜三郎、伏見直江)1929年(昭和4年)
日活「続大岡政談 魔像篇第一」(大河内伝次郎、小川隆、梅村蓉子、伏見直江)1930年(昭和5年)
日活「素浪人忠弥」(大河内伝次郎、葛木香一、光岡龍三郎、伏見直江、山田五十鈴)1930年(昭和5年)
日活「興亡新選組前史」(大河内伝次郎、市川小文治、山田五十鈴、伏見直江)1930年(昭和5年)
日活「興亡新選組後史」(大河内伝次郎、市川小文治、山田五十鈴、伏見直江)1930年(昭和5年)
日活「旅姿上州訛」(大河内伝次郎、山本礼三郎、伏見直江、実川延一郎)1930年(昭和5年)
日活「剣を越えて」(大河内伝次郎、久米譲、尾上華丈、高木永二、山田五十鈴)1930年(昭和5年)
日活「続大岡政談 魔像解決篇」(大河内伝次郎、小川隆、伏見直江、山田五十鈴)1931年(昭和6年)
日活「荒木又右衛門」(大河内伝次郎、沢田清、海江田譲治、山田五十鈴、片岡千恵蔵)1931年(昭和6年)
日活「鼠小僧旅枕」(大河内伝次郎、伏見直江、光岡龍三郎、横山運平、新妻英助)1931年(昭和6年)
日活「仇討選手」(大河内伝次郎、山田五十鈴、佐久間妙子、清水俊作、高木永二)1931年(昭和6年)
日活「御誂次郎吉格子」(大河内伝次郎、伏見直江、伏見信子、高勢実乗、磯川元春)1931年(昭和6年)
日活「上海」(大河内伝次郎、三桝豊、三田実、千松実、田村邦男、梅村蓉子、花井蘭子)1931年(昭和6年)
日活「薩摩飛脚 東海篇」(大河内伝次郎、沢村国太郎、尾上助三郎、伏見直江)1932年(昭和7年)
日活「三万両五十三次 江戸明暗篇」(大河内伝次郎、市川小文治、伏見直江)1932年(昭和7年)
日活「鼠小僧次郎吉」(大河内伝次郎、清川荘司、高勢実乗、芝田新、大倉千代子、高津愛子)1933年(昭和8年)
日活「丹下左膳 第一篇」(大河内伝次郎、沢村国太郎、山田五十鈴、中村英雄) 1933年(昭和8年)
日活「薩摩飛脚 剣光愛欲篇」(大河内伝次郎、沢村国太郎、尾上助三郎、伏見直江)1933年(昭和8年)
日活「盤嶽の一生」(大河内伝次郎、山本礼三郎、芝田新、谷幹一、吉野朝子、市川小文治)1933年(昭和8年)
日活「丹下左膳 剣戟の巻」(大河内伝次郎、高木永二、沢村国太郎、中村英男)1934年(昭和9年)
日活「水戸黄門 密書の巻」(大河内伝次郎、沢村国太郎、市川百々之助、鳥羽陽之助)1935年(昭和10年)
日活「富士の白雪」(大河内伝次郎、鳥羽陽之助、高勢実乗、高津愛子、深水藤子)1935年(昭和10年)
日活「丹下左膳余話 百万両の壺」(大河内伝次郎、喜代三、沢村国太郎)1935年(昭和10年)
日活「大菩薩峠 第一篇 甲源一刀流の巻」(大河内伝次郎、入江たか子、深水藤子) 1935年(昭和10年)
日活「怪盗白頭巾」(大河内伝次郎、高勢実乗、鳥羽陽之助、市川百々之助、花井蘭子)1935年(昭和10年)
日活「大菩薩峠 鈴鹿山の巻 壬生島原の巻」(大河内伝次郎、入江たか子、深水藤子) 1936年(昭和11年)
日活「丹下左膳 日光の巻」(大河内伝次郎、黒川弥太郎、大城竜太郎)1936年(昭和11年)
日活「丹下左膳 愛憎魔剣篇 」(大河内伝次郎、黒川弥太郎、大城竜太郎)1937年(昭和12年)
日活「丹下左膳 完結咆吼篇」(大河内伝次郎、黒川弥太郎、大城竜太郎)1937年(昭和12年)
東宝「新篇 丹下左膳 妖刀篇」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1938年(昭和13年)
東宝「巨人伝」(大河内伝次郎、原節子、丸山定夫、汐見洋、佐山亮、英百合子)1938年(昭和13年)
東宝「新篇 丹下左膳 隻手篇」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1939年(昭和14年)
東宝「新篇 丹下左膳 隻眼の巻」(大河内伝次郎、山田五十鈴、高峰秀子)1939年(昭和14年)
東宝「新篇 丹下左膳 恋車の巻」(大河内伝次郎、山田五十鈴、高峰秀子)1940年(昭和15年)
東宝「ハワイ・マレー沖海戦」(伊東薫、英百合子、原節子、藤田進、大河内伝次郎)1942年(昭和17年)
東宝「姿三四郎」(藤田進、轟夕起子、大河内伝次郎、月形龍之介、志村喬、花井蘭子)1943年(昭和18年)
東宝「加藤隼戦闘隊」(藤田進、黒川弥太郎、大河内伝次郎、灰田勝彦、志村喬)1944年(昭和19年)
東宝「続、姿三四郎」(藤田進、轟夕起子、大河内伝次郎)1945年(昭和20年)
東宝「わが青春に悔いなし」(原節子、藤田進、大河内伝次郎、杉村春子)1946年(昭和21年)
新東宝「幸福への招待」(大河内伝次郎、高峰秀子、花井蘭子)1947年(昭和22年)
新東宝「生きている画像」(大河内伝次郎、笠智衆、花井蘭子、藤田進、古川緑波)1948年(昭和23年)
大映「源氏物語」(長谷川一夫、大河内伝次郎、木暮実千代)1951年(昭和26年)
大映「水戸黄門漫遊記 飛龍の剣」(大河内伝次郎、本間謙太郎、月形龍之介)1951年(昭和26年)
東宝「虎の尾を踏む男たち」(大河内伝次郎、榎本健一、森雅之、志村喬)1952年(昭和27年)
大映「三万両五十三次」(大河内伝次郎、轟夕起子、折原啓子、加東大介、沢村国太郎)1952年(昭和27年)
大映「丹下左膳」(大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子)1953年(昭和28年)
大映「続丹下左膳」(大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子)1953年(昭和28年)
大映「丹下左膳 こけ猿の壺」(大河内伝次郎、高峰三枝子、三田登喜子)1954年(昭和29年)
大映「銭形平次捕物控 死美人風呂」(長谷川一夫、美空ひばり、大河内伝次郎)1956年(昭和31年)
大映「新平家物語 義仲をめぐる三人の女」(長谷川一夫、山本富士子、大河内伝次郎)1956年(昭和31年)
東映「恋風道中」(中村錦之助、長谷川裕見子、大川恵子、桜町弘子、大河内伝次郎)1957年(昭和32年)
東映「大菩薩峠」(片岡千恵蔵、中村錦之助、波島進、大河内伝次郎、長谷川裕見子)1957年(昭和32年)
東映「忍術御前試合」(伏見扇太郎、尾上鯉之助、桜町弘子、大河内伝次郎、月形龍之介) 1957年(昭和32年)
東映「緋ざくら大名」(大川橋蔵、大川恵子、故里やよい、波島進、大河内伝次郎、千秋実)1958年(昭和33年)
東映「紫頭巾」(片岡千恵蔵、桜町弘子、千原しのぶ、大河内伝次郎、月形龍之介)1958年(昭和33年)
東映「若君千両傘」(大川橋蔵、花園ひろみ、里見浩太郎、千原しのぶ、大河内伝次郎)1958年(昭和33年)
東映「旗本退屈男」(市川右太衛門、桜町弘子、中村錦之助、大河内伝次郎、片岡千恵蔵)1958年(昭和33年)
東映「丹下左膳」(大友柳太朗、大川橋蔵、美空ひばり、月形竜之介、大河内伝次郎)1958年(昭和33年)
東映「隠密七生記」(東千代之介、中村錦之助、美空ひばり、桜町弘子、大河内伝次郎)1958年(昭和33年)
東映「丹下左膳 怒濤篇」(大友柳太朗、月形龍之介、大河内伝次郎、大川橋蔵)1959年(昭和34年)
東映「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」(片岡千恵蔵、中村錦之助、大河内伝次郎)1959年(昭和34年)
東映「あばれ大名」(市川右太衛門、大川恵子、花柳小菊、丘さとみ、大河内伝次郎)1959年(昭和34年)
東映「新吾十番勝負」(大川橋蔵、長谷川裕見子、大友柳太朗、桜町弘子、大河内伝次郎) 1959年(昭和34年)
東映「任侠中仙道」(片岡千恵蔵、市川右太衛門、東千代之介、中村錦之助、大河内伝次郎)1960年(昭和35年)
東映「丹下左膳 妖刀濡れ燕」(大友柳太朗、大河内伝次郎、月形龍之介、大川橋蔵)1960年(昭和35年)
東映「赤穂浪士」(片岡千恵蔵、大川橋蔵、中村錦之助、月形龍之介、大河内伝次郎)1961年(昭和36年)
東映「丹下左膳 濡れ燕一刀流」(大友柳太朗、黒川弥太郎、大河内伝次郎、大川橋蔵)1961年(昭和36年)
東映「新吾二十番勝負」(大川橋蔵、丘さとみ、桜町弘子、大友柳太朗、大河内伝次郎)1961年(昭和36年)
東映「新吾二十番勝負 第二部」(大川橋蔵、大友柳太朗、丘さとみ、大河内伝次郎)1961年(昭和36年)