市川春代（いちかわはるよ）（1913－2004）


1913年（大正2年）2月9日生まれ。長野県出身。長野師範附属小高等科中退。


1926年（大正15年）日活大将軍撮影所に入社。同年、伊奈精一監督の「都の西北」に子役として出演。

1930年（昭和5年）「銀座セレナーデ」で花売り娘役を演じて注目を集めたが、日活時代は、特徴のある
笑顔を見せる可愛い少女役が多く、与えられた役を過不足なくこなすといった程度であった。

彼女の演技が注目されはじめたのは、1935年（昭和10年）東京発声（後の東宝）に移ってから出演した
「若い人」（1937年、豊田四郎監督）で、ヒロイン江波恵子役を演じてからである。

本作で彼女は、日本映画史に残る名演との高い評価を受けた。

戦後も長く現役の女優として活躍し、1953年（昭和28年）松竹「君の名は」では、ヒロイン真知子（岸恵子）
の姑役を好演している。








代表作品

日活「都の西北」（中野英治、東坊城恭長、砂田駒子、津守精一、市川春代、渡辺邦男）1926年（大正15年）
日活「結婚悲劇」（沖悦二、英百合子、市川春代）1929年（昭和4年）

日活「銀座セレナーデ」（入江たか子、相良愛子、峯吟子、菅井一郎、田中春男、市川春代）1930年（昭和5年）
日活「吹けよ春風」（南部章三、滝花久子、岸井明、市川春代、三田実、北原夏江）1931年（昭和6年）

日活「金は天下の廻り持ち」（谷幹一、市川春代、沖悦二、清水俊作）1931年（昭和6年）
日活「海のない港」（夏川静江、小杉勇、市川春代、高木永二、谷幹一、菅井一郎）1931年（昭和6年）

日活「浅草悲歌」（市川春代、入江たか子、田村邦男、葉山富之輔、杉山昌三九）1932年（昭和7年）
日活「港の抒情詩」（島津元、市川春代、高津愛子、田村邦男）1932年（昭和7年）

日活「花の東京」（夏川静江、小杉勇、田村道美、市川春代、杉山昌三九、高津愛子）1932年（昭和7年）
日活「受難華」（市川春代、星玲子、瀬良章太郎、杉狂児、村椿嘉子）1932年（昭和7年）

日活「大学の歌」（鈴木伝明、広瀬恒美、中田弘二、伊達里子、東勇路、市川春代）1933年（昭和8年）
日活「さくら音頭」（五月潤子、市川春代、夏川大二郎）1934年（昭和9年）

新興「春姿娘道中」（市川春代、竹夏子、霧立のぼる、菅井一郎、伊藤隆史）1935年（昭和10年）
東宝「新しき土」（原節子、小杉勇、早川雪州、英百合子、中村吉次、高木永二、市川春代）1937年（昭和12年）

東宝「若い人」（市川春代、大日方伝、夏川静江、英百合子、稲田勝久、山口勇、伊藤智子、林千歳）1937年（昭和12年）
日活「業平の千太郎」（片岡千恵蔵、月形龍之介、市川春代、中野かほる、志村喬）1938年（昭和13年）

日活「清水港」（片岡千恵蔵、広沢虎造、市川春代、月形龍之介、沢村国太郎、志村喬）1939年（昭和14年）
日活「牢獄の花嫁」（阪東妻三郎、尾上菊太郎、沢村国太郎、河部五郎、原健作、市川春代）1939年（昭和14年）

日活「海援隊」（嵐寛寿郎、月形龍之介、市川春代、薄田研二、沢村国太郎、原健作、志村喬）1939年（昭和14年）
日活「鴛鴦歌合戦」（片岡千恵蔵、志村喬、市川春代、ディック・ミネ、服部富子、深水藤子）1939年（昭和14年）

日活「鞍馬天狗捕はる」（嵐寛寿郎、沢村国太郎、志村喬、市川春代、月宮乙女）1940年（昭和15年）
日活「柳生月影抄」（阪東妻三郎、沢村国太郎、市川春代、橘公子）1941年（昭和16年）

日活「海を渡る祭礼」（市川春代、深水藤子、滝のぼる、戸上城太郎、香川良介、志村喬）1941年（昭和16年）
日活「江戸の龍虎」（嵐寛寿郎、沢村国太郎、市川春代、橘公子）1942年（昭和17年）

日活「宮本武蔵　一乗寺決闘」（片岡千恵蔵、志村喬、河部五郎、仁札功太郎、市川春代、宮城千賀子）1942年（昭和17年）
大映「維新の曲」（阪東妻三郎、市川右太衛門、、片岡千恵蔵、市川春代、琴糸路、橘公子）1942年（昭和17年）

大映「明治の兄弟」（片岡千恵蔵、月形龍之介、市川春代、月丘夢路）1946年（昭和21年）
大映「にっぽんＧメン」（片岡千恵蔵、市川春代、朝雲照代、原健作、月形龍之介）1948年（昭和23年）

松竹「われの泣きぬれて」（若原雅夫、津島恵子、市川春代、月丘千秋）1948年（昭和23年）
新東宝「幸福の限界」（原節子、藤田進、小杉勇、市川春代）1948年（昭和23年）

大映「黒雲街道」（片岡千恵蔵、市川春代、市川右太衛門、杉村春子、月形龍之介）1948年（昭和24年）
東宝「佐平次捕物帳　紫頭巾　前篇」（阪東妻三郎、大河内伝次郎、市川春代、沢村国太郎）1949年（昭和24年）

東宝「佐平次捕物帳　紫頭巾　後篇」（阪東妻三郎、大河内伝次郎、市川春代、沢村国太郎）1949年（昭和24年）
東宝「夢は儚なく」（龍崎一郎、折原啓子、市川春代、伊沢一郎、夏川静江、三宅邦子）1950年（昭和25年）

松竹「母は叫び泣く」（市川春代、川喜多雄二、紙京子、佐田啓二、三宅邦子）1952年（昭和27年）
東映「大菩薩峠　甲賀一刀流の巻」（片岡千恵蔵、三浦光子、霧立のぼる、市川春代）1953年（昭和28年）

松竹「景子と雪江」（大木実、岸恵子、小林トシ子、市川春代、中村玉緒）1953年（昭和28年）
松竹「雪間草」（紙京子、川喜多雄二、草間百合子、三宅邦子、市川春代）1953年（昭和28年）

松竹「君の名は」（岸恵子、佐田啓二、月丘夢路、川喜多雄二、淡島千景、市川春代） 1953年（昭和28年）
東宝「愛の歴史」（鶴田浩二、司葉子、藤田進、市川春代、藤木悠）1955年（昭和30年）