伊藤久男(いとう ひさお)(1910-1983)

1910年(明治43年)7月7日生まれ。福島県出身。帝国音楽学校卒。本名、伊藤四三男(いとう しさお)


1931年(昭和6年)コロムビアに入社。

太く男性的な歌い方で、戦前は「暁に祈る」「熱砂の誓い」がヒット。

戦後はアイヌの祭を力強く歌った「イヨマンテの夜」が大ヒット。

大自然をたたえる歌が多く「あざみの歌」「山のけむり」などがある。


歌手活動の一方、多くの映画に俳優として起用された。

1939年(昭和14年)の松竹映画「純情二重奏」に流しの芸術家として出演。

1940年(昭和15年)の松竹映画「征戦愛馬譜 暁に祈る」には歌う兵隊として出演。


NHK紅白歌合戦には、1952年から1964年の間、計11回出場した。

1978年(昭和53年)紫綬褒章受章。


       
       
  「暁に祈る」(作詞:野村俊夫、作曲:古関裕而、唄:伊藤久男)

松竹映画「暁に祈る」の主題歌として、1940年に発表された戦時歌謡曲。


この曲の歌詞やメロディを紐解くと、実は「反戦の歌」であることがわかる。


本心では家族と別れ、戦争に行きたくはなかった兵士達の望郷の念にかられる

痛切な思いが見事に描かれており、それが大衆に受け、大ヒットを記録した。