山田五十鈴(やまだいすず) (1917-2012)

1917年(大正6年)2月5日、新派の座長・山田九州男(くすお)の娘として大阪に生まれる。本名は美津。

清元を「ご褒美のチョコレートにつられて」稽古をし、十三歳で名取となる。
父の知り合いの日活の所長が「声がいいから、トーキー時代にはいける」と映画界にスカウト。

品のある可憐な容貌が認められ、大河内伝次郎や長谷川一夫の相手役として活躍。
溝口健二監督「浪華悲歌」「祇園の姉妹」、黒沢明監督「蜘蛛巣城」「どん底」など名作への出演が多い。

四十歳頃から、中村歌右衛門(六代目)や尾上松緑(二代目)との共演を機に舞台にも進出。
1974年(昭和49年)「たぬき」で芸術祭大賞を受賞。

一方でテレビ時代劇にも出演、1976年(昭和51年)「必殺からくり人」に出演して以来、十年間にわたって
仕事人の元締めの役を演じ、現在ではこれが「代表作」と言われることもある。

恋多き女性としても知られ、月田一郎、加藤嘉、下元勉ら、四度の結婚・離婚歴があり、花柳章太郎、
衣笠貞之助とも不倫関係にあった。恋も出会いもすべて吸収して芸にする女優だった。

1993年(平成5年)文化功労者に選ばれ、2000年(平成12年)女優として初めて文化勲章を受章。
多くの俳優、女優に慕われながら、2012年(平成24年)7月9日死去。95歳没。








代表作品

映画
日活「剣を越えて」(大河内伝次郎、久米譲、尾上華丈、高木永二、山田五十鈴)1930年(昭和5年)
日活「仇討選手」(大河内伝次郎、三桝豊、山田五十鈴、小松みどり)1931年(昭和6年)

日活「瞼の母」(片岡千恵蔵、常盤操子、山田五十鈴、浅香新八郎、安川悦子)1931年(昭和6年)
日活「荒木又右衛門」(大河内伝次郎、沢田清、海江田譲治、山田五十鈴、片岡千恵蔵)1931年(昭和6年)

日活「国士無双」(片岡千恵蔵、山田五十鈴、瀬川路三郎、沢村寿三郎)1932年(昭和7年)
日活「丹下左膳 第一篇」(大河内伝次郎、阪東勝太郎、沢村国太郎、山田五十鈴)1933年(昭和8年)

松竹「折鶴お千」(山田五十鈴、夏川大二郎、芳沢一郎、芝田新)1935年(昭和10年)
新興「新納鶴千代」(阪東妻三郎、山田五十鈴、月形龍之介、松本泰輔)1935年(昭和10年)

松竹「浪華悲歌」(山田五十鈴、梅村蓉子、大倉千代子、大久保清子)1936年(昭和11年)
松竹「祇園の姉妹」(山田五十鈴、梅村蓉子、志賀廼家弁慶、久野和子)1936年(昭和11年)

東宝「
鶴八鶴次郎」(長谷川一夫、山田五十鈴、藤原釜足、大川平八郎、三島雅夫)1938年(昭和13年)
東宝「新篇 丹下左膳 妖刀篇」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1938年(昭和13年)

東宝「新篇 丹下左膳 隻手篇」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1939年(昭和14年)
東宝「新篇 丹下左膳 隻眼の巻」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1939年(昭和14年)

東宝「
蛇姫様」(長谷川一夫、山田五十鈴、原節子、大河内伝次郎)1940年(昭和15年)
東宝「続蛇姫様」(長谷川一夫、山田五十鈴、高堂国典、大河内伝次郎)1940年(昭和15年)

東宝「新篇 丹下左膳 恋車の巻」(大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎)1940年(昭和15年)
東宝「昨日消えた男」(長谷川一夫、山田五十鈴、徳川夢声、高峰秀子)1941年(昭和16年)

東宝「歌行燈」(花柳章太郎、柳永二郎、大矢市次郎、伊志井寛、山田五十鈴)1943年(昭和18年)
東宝「勝利の日まで」(山田五十鈴、市丸、徳川夢声、古川緑波、高峰秀子)1945年(昭和20年)

東宝「女優」(山田五十鈴、河野秋武、伊豆肇、志村喬)1947年(昭和22年)
松竹「影法師 寛永坂の決闘」(阪東妻三郎、入江たか子、山田五十鈴、鶴田浩二)1949年(昭和24年)

松竹「続影法師 龍虎相搏つ」(阪東妻三郎、入江たか子、山田五十鈴、鶴田浩二)1950年(昭和25年)
松竹「風雲金比羅山」(阪東妻三郎、山田五十鈴、清水将夫、黒川弥太郎)1950年(昭和25年)

松竹「おぼろ駕籠」(阪東妻三郎、月形龍之介、田中絹代、山田五十鈴、佐田啓二)1951年(昭和26年)
東映「
お艶殺し」(市川右太衛門、山田五十鈴、柳永二郎、進藤英太郎)1951年(昭和26年)

松竹「我が家は楽し」(山田五十鈴、高峰秀子、岸恵子、佐田啓二、笠智衆)1951年(昭和26年)
松竹「
鞍馬天狗 角兵衛獅子」(嵐寛寿郎、美空ひばり、山田五十鈴、月形龍之介)1951年(昭和26年)

松竹「海の花火」(笠智衆、木暮実千代、佐田啓二、津島恵子、山田五十鈴、杉村春子)1951年(昭和26年)
松竹「大江戸五人男」(阪東妻三郎、山田五十鈴、市川右太衛門、高峰三枝子、月形龍之介)1951年(昭和26年)

松竹「魔像」(阪東妻三郎、津島恵子、山田五十鈴、柳永二郎、三島雅夫)1952年(昭和27年)
松竹「あばれ獅子」(阪東妻三郎、山田五十鈴、北上弥太郎、月形龍之介)1953年(昭和28年)

松竹「忠臣蔵 花の巻 雪の巻」(八代目松本幸四郎、高田浩吉、山田五十鈴、月丘夢路)1954年(昭和29年)
松竹「黒い河」(有馬稲子、仲代達矢、渡辺文雄、宮口精二、山田五十鈴)1956年(昭和31年)

東宝「猫と庄造と二人のをんな」(森繁久彌、山田五十鈴、香川京子、浪花千栄子)1956年(昭和31年)
東宝「流れる」(田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、岡田茉莉子、杉村春子、栗島すみ子)1956年(昭和31年)

松竹「侍ニッポン」(田村高広、高千穂ひづる、松本幸四郎、山田五十鈴)1957年(昭和32年)
東宝「蜘蛛巣城」(三船敏郎、山田五十鈴、志村喬、久保明)1957年(昭和32年)

松竹「東京暮色」(原節子、有馬稲子、笠智衆、杉村春子、山田五十鈴)1957年(昭和32年)
東宝「下町」(山田五十鈴、三船敏郎、田中春男、多々良純、淡路恵子、村田知英子)1957年(昭和32年)

東宝「どん底」(三船敏郎、山田五十鈴、香川京子、中村鴈治郎)1957年(昭和32年)
東宝「暖簾」(森繁久彌、頭師孝雄、山田五十鈴、小原新二、頭師正明)1958年(昭和33年)

松竹「悪女の季節」(東野英治郎、山田五十鈴、岡田茉莉子)1958年(昭和33年)
大映「ぼんち」(市川雷蔵、若尾文子、中村玉緒、草笛光子、京マチ子、山田五十鈴)1960年(昭和35年)

松竹「もず」(有馬稲子、川津祐介、淡島千景、乙羽信子、山田五十鈴)1961年(昭和36年)
東映「柳生一族の陰謀」(萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、山田五十鈴、三船敏郎)1978年(昭和53年)



テレビドラマ
NHK大河ドラマ「赤穂浪士」(長谷川一夫、山田五十鈴、滝沢修、林与一、志村喬)1964年(昭和39年)
NET「必殺からくり人」(山田五十鈴、緒形拳、森田健作、芦屋雁之助、間寛平)1976年(昭和51年)

テレ朝「必殺仕事人」(藤田まこと、伊吹吾郎、三田村邦彦、山田五十鈴)1979年(昭和54年)
TBS「女の坂道 東芝日曜劇場」(波乃久里子、山田五十鈴、荻島真一、松村達雄)1980年(昭和55年)

テレ朝「新・必殺仕事人」(藤田まこと、三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴)1981年(昭和56年)
テレ朝「必殺仕事人3」(藤田まこと、三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴)1982年(昭和57年)

テレ朝「必殺仕事人4」(藤田まこと、三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴、鮎川いずみ)1984年(昭和59年)