薄田研二(すすきだけんじ)(1898-1972)
1898年(明治31年)9月14日福岡生まれ。本名、高山徳右衛門
新劇出身、戦前は築地小劇場、東京芸術座など劇団の中核的存在だった。
戦後は、娯楽映画の脇役として活躍。
1952年(昭和27年)東映「赤穂城」で吉良上野介を演じてからは、
時代劇で欠かせない名悪役として知られる。
一方で「新吾二十番勝負 第二部」(1961年)の松平頼安役など、善玉も多く演じた。
悪役の時と、善玉に扮したときのイメージの違いが大きい役者だった。
痩せた体と顔にギョロリとした目が、悪役の時は妖気を漂わせた険しい形相になり、
善玉のときは同一人物とは思えない好々爺に変身する。
大友柳太朗主演の「鳳城の花嫁」(1957年)では、ひたいに大きなコブのある家老に扮し、
個性的な演技と三枚目ぶりで存在感を示した。
忠臣蔵映画では4度も堀部弥兵衛を演じ、老いてなおかくしゃくとした老兵ぶりが光っていた。
代表作品
新興「半島の舞姫」(崔承喜、菅井一郎、隅田万寿代、江川なほみ、薄田研二)1936年 (昭和11年)
松竹「大阪夏の陣」(林長二郎、阪東寿之助、藤野秀夫、浅香新八郎、薄田研二)1937年(昭和12年)
松竹「人肌観音 第一篇」(阪東好之助、高田浩吉、伏見信子、嵐吉三郎、薄田研二)1937年(昭和12年)
新興「紀国屋文左衛門」(市川右太衛門、森静子、浅香新八郎、寺島貢、薄田研二)1938年(昭和13年)
松竹「黒田誠忠録」(阪東寿三郎、薄田研二、千田是也、島田敬一、永田靖)1938年(昭和13年)
松竹「男伊達八百八町」(坂東好太郎、薄田研二、伏見直江、白河富士子、毛利峰子)1938年(昭和13年)
松竹「雨降り峠 横浜兵庫開港篇」(坂東好太郎、伏見信子、薄田研二、白河富士子)1938年 (昭和13年)
日活「海援隊」(嵐寛寿郎、月形龍之介、市川春代、薄田研二、沢村国太郎) 1939年(昭和14年)
日活「宮本武蔵 第一部 草分の人々」(片岡千恵蔵、宮城千賀子、河部五郎、薄田研二、志村喬)1940年(昭和15年)
日活「宮本武蔵 第二部 栄達の門」(片岡千恵蔵、宮城千賀子、河部五郎、薄田研二、志村喬)1940年(昭和15年)
日活「宮本武蔵 剣心一路」(片岡千恵蔵、宮城千賀子、河部五郎、薄田研二、志村喬)1940年(昭和15年)
東宝「蛇姫様」(長谷川一夫、山田五十鈴、原節子、大河内伝次郎、薄田研二)1940年(昭和15年)
東宝「続蛇姫様」(長谷川一夫、横山運平、加藤照子、薄田研二、黒川弥太郎)1940年(昭和15年)
大映「大阪町人」(羅門光三郎、琴糸路、阿部九州男、橘公子、高山徳右衛門)1942年(昭和17年)
大映「独眼龍政宗」(片岡千恵蔵、月形龍之介、高山徳右衛門、戸上城太郎、水島道太郎) 1942年(昭和17年)
大映「思出の記」(井染四郎、逢初夢子、琴糸路、加賀邦男、高山徳右衛門)1942年(昭和17年)
大映「新雪」(水島道太郎、月丘夢路、美鳩まり、井染四郎、高山徳右衛門)1942年 (昭和17年)
松竹「京洛の舞」(阪東寿三郎、坂東好太郎、徳大寺伸、高峰三枝子、高山徳右衛門)1942年 (昭和17年)
大映「三代の盃」(片岡千恵蔵、琴糸路、高山徳右衛門、林寛、荒木忍)1942年 (昭和17年)
大映「二刀流開眼」(片岡千恵蔵、月形龍之介、原健作、香川良介、高山徳右衛門)1943年(昭和18年)
大映「我が家の風」(高山徳右衛門、月丘夢路、中田弘二、黒田記代、宮崎準之助)1943年(昭和18年)
大映「マリア・ルーズ號事件 奴隷船」(市川右太衛門、市川春代、橘公子、高山徳右衛門)1943年(昭和18年)
大映「出征前十二時間」(水島道太郎、月丘夢路、真山くみ子、宇佐美淳、高山徳右衛門)1943年 (昭和18年)
大映「高田馬場前後」(片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、高山徳右衛門、嵐徳三郎、荒木忍)1944年(昭和19年)
大映「モンペさん」(月丘夢路、真山くみ子、岡村文子、沢村貞子、高山徳右衛門)1944年(昭和19年)
大映「雛鷲の母」(杉村春子、杉裕之、丸山定夫、見明凡太郎、高山徳右衛門)1944年(昭和19年)
大映「国際密輸団」(市川右太衛門、藤原鶏太、寺島貢、高山徳右衛門、小柴幹治)1944年 (昭和19年)
松竹「婚約指環」(宇野重吉、田中絹代、三船敏郎、薄田研二)1950年(昭和25年)
東映「赤穂城」(片岡千恵蔵、月形竜之介、加藤嘉、石黒達也、薄田研二)1952年(昭和27年)
東映「鞍馬天狗 疾風雲母坂」(嵐寛寿郎、高島稔、喜多川千鶴、宮城千賀子、薄田研二)1953年(昭和28年)
松竹「忠臣蔵 花の巻、雪の巻」(八代目松本幸四郎、高田浩吉、鶴田浩二、薄田研二)1954年(昭和29年)
東映「越後獅子祭やくざ若衆」(中村錦之助、高千穂ひづる、千原しのぶ、薄田研二)1955年(昭和30年)
東映「剣豪二刀流」(片岡千恵蔵、東千代之介、長谷川裕見子、千原しのぶ、薄田研二、加東大介)1956年(昭和31年)
東映「旗本退屈男 謎の幽霊船」(市川右太衛門、江原真二郎、薄田研二)1956年(昭和31年)
東映「赤穂浪士 天の巻 地の巻」(片岡千恵蔵、市川右太衛門、東千代之介、月形龍之介、薄田研二)1956年(昭和31年)
東映「花吹雪鉄火纏」(大川橋蔵、中原ひとみ、岡譲司、薄田研二)1957年(昭和32年)
東映「鳳城の花嫁」(大友柳太朗、三島雅夫、松浦築枝、薄田研二、田崎潤)1957年(昭和32年)
東映「ひばり捕物帖 かんざし小判」(美空ひばり、堺駿二、東千代之介、星十郎、薄田研二)1958年(昭和33年)
東映「旗本退屈男」(市川右太衛門、中村錦之助、片岡千恵蔵、大河内伝次郎、薄田研二)1958年(昭和33年)
東映「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」(片岡千恵蔵、中村錦之助、薄田研二、進藤英太郎、市川右太衛門)1959年(昭和34年)
東映「新吾十番勝負」(大川橋蔵、長谷川裕見子、大友柳太朗、桜町弘子、大河内伝次郎、薄田研二)1959年(昭和34年)
東映「赤穂浪士」(片岡千恵蔵、大川橋蔵、松方弘樹、中村錦之助、東千代之介、薄田研二、大河内伝次郎)1961年(昭和36年)
東映「新吾二十番勝負 第二部」(大川橋蔵、大友柳太朗、沢村訥丸、丘さとみ、薄田研二、大河内伝次郎)1961年(昭和36年)
東映「さくら判官」(片岡千恵蔵、水谷良重、北条喜久、薄田研二、柳永二郎)1962年(昭和37年)
東映「宮本武蔵 二刀流開眼」(中村錦之助、入江若葉、木村功、木暮実千代、丘さとみ、薄田研二)1963年(昭和38年)