入江たか子(いりえたかこ)(1911-1995)


1911年(明治44年)2月7日東京生まれ。文化学院卒。本名・東坊城英子(ひがしぼうじょうひでこ)


父親は、名門華族で貴族院議員。一族の猛反対を押し切って女優になった子爵の令嬢である。

1924年(大正13年)10月、日活へ入社。同年、村田実監督の「青春の歌」で女優デビュー。

続いて、内田吐夢「生ける人形」、溝口健二「東京行進曲」などに主演。
近代的な美貌と気品により、たちまちトップ女優の地位を獲得した。

1932年(昭和7年)独立して入江プロダクションを設立。
1933年(昭和8年)溝口健二「滝の白糸」で第一級の女優の地位を得る。

しかし病気が続いたこともあって戦後は次第に脇役に回った。

1953年化猫映画「怪談佐賀屋敷」が大ヒットしてからは、相次いで怪猫物に主演「化猫女優」と呼ばれる。


私生活では、1932年(昭和7年)日活の俳優・田村道美と結婚。長女は女優の入江若葉である。

1958年(昭和33年)引退。自伝「映画女優 1957年」がある。







代表作品

日活「青春の歌」(鈴木伝明、南光明、御子柴杜雄、高島愛子、東坊城恭長、入江たか子)1924年(大正13年)
日活「松竹梅」(見明凡太郎、戸田春子、花野国子、清水花子、入江たか子)1928年(昭和3年)

日活「激情」(中野英治、入江たか子)1928年(昭和3年)
日活「沈み行く人魚」(沢蘭子、入江たか子、星野弘喜)1928年(昭和3年)

日活「けちんぼ長者」(島耕二、入江たか子、山本嘉一、山内光、中村英雄、菅井一郎)1928年(昭和3年)
日活「近代クレオパトラ」(岡田時彦、入江たか子、三桝豊、佐久間妙子)1928年(昭和3年)

日活「生ける人形」(小杉勇、入江たか子、築地浪子、三桝豊、高木永二、鈴木三右衛門)1929年(昭和4年)
日活「東京行進曲」(夏川静江、一木札二、高木永二、小杉勇、入江たか子、佐久間妙子)1929年(昭和4年)

日活「摩天楼」(中野英治、高木永二、英百合子、入江たか子)1929年(昭和4年)
日活「ジャンバルジャン」(浅間信夫、山本嘉一、入江たか子、菅井一郎、江沢四郎)1931年(昭和6年)

日活「日本嬢」(入江たか子、島耕二、菅井一郎、井染四郎、島津元)1931年(昭和6年)
日活「元禄十三年」(片岡千恵蔵、入江たか子、三桝豊、市川小文治、久米譲、香川良介)1931年(昭和6年)

日活「
滝の白糸」(入江たか子、岡田時彦、村田宏寿、菅井一郎、見明凡太郎、浦辺粂子)1933年(昭和8年)
新興「月よりの使者」(入江たか子、高田稔、水原玲子、中野かほる、菅井一郎、見明凡太郎)1934年(昭和9年)

日活「
明治一代女」(入江たか子、稲田春子、伊沢一郎、尾上菊太郎、酒井米子、沢村貞子)1935年(昭和10年)
日活「大菩薩峠 第一篇 甲源一刀流の巻」(大河内伝次郎、入江たか子、岡譲二、深水藤子)1935年(昭和10年)

新興「貞操問答 高原の巻」(入江たか子、鈴木伝明、伏見直江、山県直代)1935年(昭和10年)
新興「貞操問答 都会の巻」(入江たか子、鈴木伝明、伏見直江、山県直代)1935年(昭和10年)

日活「大菩薩峠 鈴鹿山の巻 壬生島原の巻」(大河内伝次郎、沢田清、入江たか子)1936年(昭和11年)
東宝「からゆきさん」(入江たか子、清川虹子、清川玉枝、毛利菊枝、島田好乃)1937年(昭和12年)

東宝「母の曲前篇」(岡譲二、英百合子、原節子、入江たか子)1937年(昭和12年)
東宝「母の曲後篇」(岡譲二、英百合子、原節子、入江たか子)1937年(昭和12年)

東宝「藤十郎の恋」(長谷川一夫、入江たか子、滝沢修、藤原釜足、汐見洋、御橋公)1938年(昭和13年)
東宝「忠臣蔵 前篇」(大河内伝次郎、長谷川一夫、大日方伝、丸山定夫、入江たか子)1939年(昭和14年)

東宝「忠臣蔵 後篇」(大河内伝次郎、長谷川一夫、大日方伝、丸山定夫、入江たか子)1939年(昭和14年)
東宝「まごころ」(高田稔、村瀬幸子、入江たか子、加藤照子、藤間房子、清川荘司)1939年(昭和14年)

日活「続蛇姫様」(長谷川一夫、薄田研二、高堂国典、山田五十鈴、入江たか子)1940年(昭和15年)
東宝「白鷺」(入江たか子、黒川弥太郎、丸山定夫、杉村春子)1941年(昭和16年)

東宝「緑の大地」(入江たか子、藤田進、原節子、池部良)1942年(昭和17年)
東宝「母は死なず」(菅井一郎、入江たか子、斎藤英雄、藤原鶏太、轟夕起子、沢村貞子)1942年(昭和17年)

東宝「進め独立旗」(長谷川一夫、入江たか子、轟夕起子、森雅之)1943年(昭和18年)
東宝「一番美しく」(志村喬、清川荘司、菅井一郎、入江たか子、矢口陽子、谷間小百合)1944年(昭和19年)

大映「博多どんたく」(阪東妻三郎、入江たか子、尾上菊太郎、小堀誠)1947年(昭和22年)
大映「壮士劇場」(阪東妻三郎、入江たか子、日高澄子、山本礼三郎)1947年(昭和22年)

大映「かくて忍術映画は終りぬ」(片岡千恵蔵、入江たか子、古川ロッパ、沢村マサヒコ)1948年(昭和23年)
松竹「影法師 寛永坂の決闘」(阪東妻三郎、入江たか子、山田五十鈴、鶴田浩二)1949年(昭和24年)

松竹「続影法師 龍虎相搏つ」(阪東妻三郎、入江たか子、山田五十鈴、鶴田浩二)1950年(昭和25年)
新東宝「東京のヒロイン」(轟夕起子、森雅之、香川京子、河津清三郎、入江たか子)1950年(昭和25年)

東映「天狗の安」(阪東妻三郎、入江たか子、花柳小菊、大友柳太郎)1951年(昭和26年)
大映「怪談佐賀屋敷」(坂東好太郎、沢村国太郎、杉山昌三九、南條新太郎、入江たか子)1953年(昭和28年)

大映「怪猫有馬御殿」(入江たか子、阿井三千子、坂東好太郎、北見礼子、橘公子)1953年(昭和28年)
大映「怪猫逢魔ケ辻」(入江たか子、坂東好太郎、勝新太郎、霧立のぼる、橘公子)1954年(昭和29年)

東映「荒獅子判官」(片岡千恵蔵、千原しのぶ、浦里はるみ、入江たか子)1955年(昭和30年)
東宝「椿三十郎」(三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三、志村喬、入江たか子)1962年(昭和37年)

東宝「病院坂の首縊りの家」(石坂浩二、佐久間良子、桜田淳子、入江たか子)1979年(昭和54年)