国名 モルディブ共和国        
英語 Republic of Maldives  
首都 マレ(Male)  
独立年  1965年7月(イギリス)  
民族 モルディブ人  
主要言語 ディベヒ語  
面積 300km2  
人口 39万2709人(2017推計)  
通貨単位 ルフィア(MVR)  
宗教 イスラム教  
主要産業 観光業、漁業、造船業  



















地理

スリランカの南西675kmのインド洋上に点在する1192の島々からなる。

海抜が低く、1m海面が上昇すると、国土の80%が失われるとされている。


住民はマレー系のモルディブ人が主体で、イスラム教徒が多い。

公用語はスリランカの南半分で話されるシンハラ語に似たディベヒ語であることから、
最初の定住民は、おそらく6世紀にスリランカから移住した仏教徒であったと考えられる。


全域が熱帯気候に属し、高温多湿で、年平均気温は約 27℃。
住民の過半数は漁民で、カツオ、マグロおよびその干魚がスリランカ、日本などに輸出されている。

漁業以外では、ココヤシ、ヤシ油の生産と造船が重要。観光業も急速に発展している。






モルディブの環礁


モルディブという名はサンスクリット語のMala(花輪)と
Dheep(島々)、つまり「島々の花輪」という意味。

空から見ると紺碧の海の中にエメラルドグリーンの環礁が
広がり、その様子はまさに花輪のように美しい。



中央部に島のない、ドーナツ状になったサンゴ礁を環礁(Atoll)という。

これは火山活動を停止した火山島が、長い間に海中に没してしまい、
サンゴ礁だけが残ってできたものである。



モルディブの環礁は、インド洋に位置するモルディブを構成する 1192の島々が
属する19の環礁群。

これらは南北に約754km、東西に約118kmにわたって分散している。
モルディブの環礁は、美しい景観と多様な海洋生物が生息することで知られている。

(19の環礁群)
1.ハーアリフ環礁(Haa Alif Atoll)
2.ハーダール環礁(Haa Dhaalu Atoll)
3.シャビヤニ環礁(Shaviyani Atolls)
4.ヌーヌ環礁(Noonu Atoll)
5.ラア環礁(Raa Atoll)
6.バア環礁(Baa Atoll)
7.ラヴィヤニ環礁(Lhaviyani Atoll)
8.北マーレ環礁(North Male Atoll)
9.南マーレ環礁(South Male Atoll)
10.アリ環礁(Ari Atoll)
11.ヴァーブ環礁(Vaavu Atoll)
12.ミーム環礁(Meemu Atoll)
13.ファーフ環礁(Faafu Atoll)
14.ダール環礁(Dhaalu Atoll)
15.タア環礁(Thaa Atoll)
16.ラーム環礁(Laamu Atoll)
17.ガーフアリフ環礁(Gaafu Alif Atoll)
18.ガーフダール環礁(Gaafu Dhaalu Atoll)
19.アッドゥ環礁(Addu Atoll)





歴史

6世紀にスリランカから移住した住民は仏教徒だったが、1153年、アラブ人が
イスラム教を伝えた。以降、イスラム教のスルタン(首長)が統治した。

16世紀からヨーロッパ人の侵略が始まり、1558年ポルトガル、1645年オランダ、
次いで1887年イギリスの統治下に入った。

1965年、スルタンを元首とする首長国として独立、国際連合に加盟。
1968年、新憲法を施行して共和国となった。


6世紀 スリランカから仏教徒の人々がモルディブの地に移住。
1153年  イスラム教に改宗
1887年  イギリスの保護領となる。
1965年 首長国としてイギリスから独立。
1968年 首長制を廃止し共和制に移行。モルディブ共和国の成立。








フルマレ島(Hulhumale Island)


1965年にイギリスから独立した時、モルディブは最貧国のひとつだった。

だがその後、美しい自然を生かしたリゾート開発で大きく発展。
一年間に国の人口の二倍以上の観光客が訪れる観光立国へと変貌した。

そんなモルディブの直面する大きな危機が、地球温暖化による海面上昇だ。
2100年までに海抜の低い国土は、ほとんど水没してしまう怖れがある。



打開策として、首都マレ島の隣に人工島フルマレ島の造成を進めている。
2022年、海抜2mのこの人工島にはすでに6万人以上が移住したという。

果たして、モルディブの総力をあげた移住作戦は成功するのか。
南洋の楽園と呼ばれる国の、生き残りをかけた挑戦は始まったばかりだ。