司葉子(つかさようこ)
1934年(昭和9年)8月20日生まれ。鳥取県出身。共立女子短大卒。本名は庄司葉子。
1954年(昭和29年)短大卒業後、大阪の新日本放送に入社、社長秘書となる。
同年「家庭よみうり」の表紙を飾ったのがきっかけでスカウトされ東宝と契約。
「清く正しく美しく」を社是とする東宝の健全なお嬢さんイメージを代表する一人とされ、看板女優として活躍。
目鼻立ちがはっきりしており優雅なムードを醸し出す司は戦後の映画界に新しい風を吹き込んだ。
良家のお嬢さん役が多かったが、堀川弘通監督「青い野獣」(昭和35年)では野心家の仲代達矢に利用される財閥の娘を熱演。
その意欲が買われて、小津安二郎監督「秋日和」(昭和35年)に初の他社出演。原節子扮する未亡人の娘役を好演。
続く黒澤明監督「用心棒」(昭和36年)では借金のかたに妾にさせられる貧農の妻を演じ、殺伐な時代劇に花を添えた。
また小津安二郎監督「小早川家の秋」(昭和36年)では中村鴈治郎の末娘役で出演、演技力を認められ、芸域を広げた。
1966年(昭和41年)有吉佐和子原作、中村登監督「紀ノ川」に主演。紀州の旧家に嫁いだ女の一生という難役だったが、
見事に演じきり、この年のほとんどの女優賞を独占。この作品は、司の十三年間に及ぶ女優生活の集大成となった。
1969年(昭和44年)大蔵官僚の相澤英之と結婚。夫の衆院選出馬で一時引退したが、復帰して女優の花を咲かせ続けている。
代表作品
映画
東宝「君死に給うことなかれ」(池部良、司葉子、土屋嘉男、若山セツ子、志村喬)1954年(昭和29年)
東宝「おえんさん」(水谷八重子、司葉子、小泉博、中北千枝子、清水将夫、藤原釜足)1955年(昭和30年)
東宝「愛の歴史」(鶴田浩二、司葉子、藤田進、市川春代、藤木悠)1955年(昭和30年)
東宝「夫婦善哉」(森繁久彌、淡島千景、司葉子、浪花千栄子)1955年(昭和30年)
東宝「雪の炎」(司葉子、山村聡、宝田明、河内桃子、石原忠、沢村貞子)1955年(昭和30年)
東宝「天下泰平」(三船敏郎、久慈あさみ、佐野周二、笠智衆、川崎弘子、司葉子)1955年(昭和30年)
東宝「はりきり社長」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、中田康子、三木のり平)1956年(昭和31年)
東宝「へそくり社長」(森繁久彌、越路吹雪、小林桂樹、八千草薫、三好栄子、司葉子)1956年(昭和31年)
東宝「兄とその妹」(池部良、原節子、司葉子、小林桂樹、柳永二郎)1956年(昭和31年)
東宝「日蝕の夏」(石原慎太郎、山村聡、三宅邦子、司葉子、若山セツ子)1956年(昭和31年)
東宝「婚約三羽烏」(小林桂樹、司葉子、上原謙、佐分利信、原節子、高峰三枝子、佐野周二、池部良)1956年(昭和31年)
東宝「見事な娘」(小林桂樹、司葉子、笠智衆、沢村貞子、土屋嘉男、小泉博)1956年(昭和31年)
東宝「美貌の都」(司葉子、宝田明、木村功、小林桂樹、淡路恵子、清川虹子)1957年(昭和32年)
東宝「青い山脈」(久保明、雪村いづみ、宝田明、司葉子、淡路恵子、草笛光子、志村喬)1957年(昭和32年)
東映「社長三代記」(森繁久彌、越路吹雪、小林桂樹、雪村いづみ、加東大介、司葉子)1958年(昭和33年)
東宝「愛情の都」(司葉子、宝田明、草笛光子、夏川静江、団令子、淡路恵子)1958年(昭和33年)
東宝「東京の休日」(山口淑子、三船敏郎、上原謙、八千草薫、司葉子、原節子)1958年(昭和33年)
東宝「すずかけの散歩道」(司葉子、津島恵子、森雅之、星由里子、笠智衆)1959年(昭和34年)
東宝「日本誕生」(三船敏郎、中村鴈治郎、田中絹代、司葉子、香川京子、原節子)1959年(昭和34年)
東宝「サラリーマン忠臣蔵」(森繁久彌、小林桂樹、池部良、新珠三千代、司葉子、三船敏郎)1960年(昭和35年)
東宝「青い野獣」(仲代達矢、田崎潤、中谷一郎、千田是也、司葉子、淡路恵子)1960年(昭和35年)
松竹「秋日和」(原節子、司葉子、岡田茉莉子、佐田啓二、佐分利信、岩下志麻) 1960年(昭和35年)
東宝「用心棒」(三船敏郎、仲代達矢、東野英治郎、司葉子、加東大介)1961年(昭和36年)
東宝「香港の夜」(宝田明、司葉子、尤敏、草笛光子、木暮実千代、馬力、王引、浜美枝、小泉博)1961年(昭和36年)
東宝「小早川家の秋」(中村鴈治郎、原節子、新珠三千代、小林桂樹、司葉子、宝田明)1961年(昭和36年)
東宝「別れて生きるときも」(高島忠夫、司葉子、板屋幸江、児玉清、小林桂樹、松村達雄)1961年(昭和36年)
東宝「喜劇 駅前弁当」(森繁久彌、淡島千景、フランキー堺、伴淳三郎、司葉子)1962年(昭和37年)
東宝「女の座」(笠智衆、高峰秀子、司葉子、星由里子、淡路恵子、草笛光子、杉村春子)1962年(昭和37年)
東宝「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」(松本幸四郎、原節子、加山雄三、司葉子、三船敏郎、宝田明)1962年(昭和37年)
東宝「風流温泉 番頭日記」(小林桂樹、司葉子、志村喬、三木のり平)1962年(昭和37年)
東宝「江分利満氏の優雅な生活」(小林桂樹、司葉子、大空真弓、夏木陽介、水野久美)1963年(昭和38年)
東宝「社長紳士録」(森繁久彌、久慈あさみ、岡田可愛、小林桂樹、司葉子、フランキー堺)1964年(昭和39年)
東宝「社長忍法帖」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、フランキー堺、新珠三千代)1965年(昭和40年)
松竹「紀ノ川」(司葉子、岩下志麻、田村高広、丹波哲郎、有川由紀、東山千栄子)1966年(昭和41年)
東宝「社長行状記」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、フランキー堺、新珠三千代)1966年(昭和41年)
東宝「沈丁花」(京マチ子、司葉子、星由里子、杉村春子、宝田明、仲代達矢)1966年(昭和41年)
東宝「ひき逃げ」(高峰秀子、小沢栄太郎、司葉子、加東大介、中山仁)1966年(昭和41年)
東宝「社長千一夜」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、フランキー堺、新珠三千代)1967年(昭和42年)
東宝「上意討ち」(三船敏郎、加藤剛、江原達怡、司葉子、仲代達矢、松村達雄)1967年(昭和42年)
東宝「乱れ雲」(司葉子、加山雄三、草笛光子、森光子、藤木悠、加東大介)1967年(昭和42年)
東宝「社長繁盛記」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、酒井和歌子、岡田可愛)1968年(昭和43年)
東宝「社長えんま帖」(森繁久彌、久慈あさみ、岡田可愛、小林桂樹、司葉子、内藤洋子)1969年(昭和44年)
東宝「社長学ABC」(森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、司葉子、東野英治郎、内藤洋子)1970年(昭和45年)
東宝「父ちゃんのポーが聞える」(小林桂樹、吉沢京子、森るみ子、司葉子、藤岡琢也)1971年(昭和46年)
東宝「ノストラダムスの大予言」(丹波哲郎、黒沢年男、司葉子、由美かおる、山村聡)1974年(昭和49年)
東宝「獄門島」(石坂浩二、佐分利信、大原麗子、司葉子、坂口良子)1977年(昭和52年)
東宝「女王蜂」(石坂浩二、高峰三枝子、司葉子、岸恵子、仲代達矢、坂口良子)1978年(昭和53年)
松竹「遥かなる走路」(松本幸四郎、米倉斉加年、田村高広、司葉子、中野良子)1980年(昭和55年)
松竹「生きてはみたけれど」(岸恵子、司葉子、有馬稲子、岡田茉莉子、淡島千景)1983年(昭和58年)
テレビドラマ
NTV「細雪」(淡島千景、草笛光子、司葉子、水野久美、太刀川寛)1965年(昭和40年)
NTV「武蔵野夫人」(司葉子、池部良、高千穂ひづる、平田昭彦、三上真一郎)1965年(昭和40年)
TBS「東芝日曜劇場『リツ子・その愛』」(司葉子、山内明、渡辺誠、佐々木愛、若尾延子)1967年(昭和42年)
NHK「大河ドラマ『春の坂道』」(中村錦之助、芥川比呂志、京塚昌子、司葉子)1971年(昭和46年)
NET「大忠臣蔵」(三船敏郎、司葉子、佐久間良子、伊藤雄之助、尾上菊之助)1971年(昭和46年)
NHK「氷壁」(司葉子、森雅之、原田芳雄、伊藤雄之助)1972年(昭和47年)
TBS「越前竹人形」(司葉子、池田秀一、菅井一郎、北村和夫、下條正巳)1973年(昭和48年)
NTV「てんつくてん」(司葉子、三波伸介、渡辺篤史、岡崎友紀)1973年(昭和48年)
NET「ちょっとしあわせ」(司葉子、酒井和歌子、郷ひろみ、嵐寛寿郎、植木等)1974年(昭和49年)
MBS「横溝正史シリーズII 『仮面劇場』」(司葉子、古谷一行、池部良、長門勇)1978年(昭和53年)
CX「銭形平次 第670話「手鏡を抱く女」」(大川橋蔵、香山美子、林家珍平、遠藤辰雄、司葉子)1979年(昭和54年)
TBS「赤い魂」(杉浦直樹、広岡瞬、司葉子、石立鉄男)1980年(昭和55年)
KTV「大奥」(栗原小巻、大谷直子、三原順子、若山富三郎、司葉子)1983年(昭和58年)
CX「松本清張サスペンス・見送って」(司葉子、並木道子、蜷川有紀、仲谷昇)1986年(昭和61年)
NTV「火曜サスペンス劇場『盲目のピアニスト』」(沢口靖子、司葉子、中山仁、佐藤仁哉)1987年(昭和62年)
TBS「織田信長」(渡辺謙、名取裕子、十朱幸代、千葉真一、司葉子)1989年(平成1年)
NET「和宮様御留」(斉藤由貴、藤谷美紀、的場浩司、司葉子)1991年(平成3年)
TX「斜陽」(紺野美沙子、司葉子、根津甚八、平幹二朗)1993年(平成5年)
NHK「連続テレビ小説『おひさま』最終話」(井上真央、若尾文子、司葉子)2011年(平成23年)