国名 | エストニア共和国 | ||||
英語 | Republic of Estonia | ||||
首都 | タリン | ||||
独立年 | 1991年 | ||||
主要言語 | エストニア語 | ||||
面積 (千Km2) | 45 | ||||
人口 (百万人) | 1.4 | ||||
通貨単位 | ユーロ | ||||
宗教 | プロテスタント(ルター派)、ロシア正教等 | ||||
主要産業 | 製造業、卸売・小売、不動産、運輸、建設等 | ||||
製造業は、主に機械、木材、製紙、家具 |
タリン(Tallinn)の旧市街
エストニアの首都タリンは、バルト海のフィンランド湾に面する港湾都市。
1285年、ハンザ同盟に加わり、貿易港となって発展。
1710年、ロシア領となり、皇帝ピョートル1世はここにバルチック艦隊の根拠地を築いた。
その後エストニアのソビエト連邦編入に伴ってソ連領となり、1991年、独立とともに首都となった。
トンペア城、聖ニコライ聖堂、ギルドホール、市庁舎など 13~18世紀の古い建築物が保存される旧市街は、1997年、世界遺産の文化遺産に登録された。
地理
バルト海に面するバルト3国のうち最北に位置する。
大陸部のほかサーレマ島をはじめとする島嶼部からなる。
地形は全体に低平で、氷河作用を著しく受け、ペイプシ湖など多くの湖がある。
高緯度のわりには気候は温暖で、平均気温は2月-6~-5℃、7月 16~17℃。
住民の 60%以上はエストニア人であり、ロシア人は3分の1近くを占める。
公用語はエストニア語。
オイルシェール (油母頁岩) やリン灰石などの地下資源に恵まれる。
主要産業はオイルシェールの採取、加工で、コフトラヤルベでガス化され、
パイプラインでタリンやロシアのサンクトペテルブルグに送られる。
ほかに電子、ラジオ、造船、化学、セメント、ガラス、製紙、食品、繊維などの工業が発達。
農業は畜産中心であるが、ライ麦、ジャガイモ、アマ (亜麻) などの栽培も行なわれる。
鉄道、道路の路線密度は高く、海港タリンや空路により内外の各地と結ばれている。
歴史
BC500年頃、エストニア人(ウラル語族)の諸部族が現在地 (バルト海沿岸) に居住。
13世紀初頭、デーン人に征服され、13世紀中頃、ドイツ騎士団の支配下に入った。
以後 20世紀初頭まで国内におけるドイツ系貴族の支配が確立。
(ドイツ騎士団とは、十字軍時代に創立された宗教騎士団のひとつ。
主にバルト海沿岸のスラブ系民族のキリスト教化に努め、プロイセン王国の基を築いた)
16世紀以降、スウェーデン、デンマーク、モスクワ、ポーランドに分割占領された。
17世紀中頃、一時スウェーデンの手に帰したが、18世紀初頭北方戦争でロシア領となった。
19世紀末より民族意識が高まり、1918年独立。
1940年、ソビエト連邦に編入され、エストニア・ソビエト社会主義共和国となった。
旧ソ連で生産・生活水準の最も高い共和国の一つであったが、1990年3月、独立を宣言。
1991年9月、独立を達成して現国名となり、国際連合に加盟した。
2004年、ヨーロッパ連合 EU、北大西洋条約機構 NATOに加盟。
BC500年 | エストニア人がバルト海沿岸に定住 |
1219年 | エストニア北部がデンマーク支配下になる |
1236年 | エストニア南部がドイツ騎士団の支配下になる |
1629年 | エストニアの大部分がスウェーデン支配下になる |
1700年 | 大北方戦争 |
1721年 | ニスタット条約。ロシアの支配下になる。 |
1918年 | エストニア共和国として独立を宣言 |
1920年 | タルトゥ条約。エストニア共和国の独立が承認 |
1940年 | ソ連の支配下になる。エストニア・ソビエト社会主義共和国の成立 |
1991年 | エストニア共和国として独立を回復。国際連合に加盟 |
2004年 | 北大西洋条約機構(NATO)・欧州連合(EU)加盟 |
タリン薬局(Rae Apteek)
タリンは、バルト海のフィンランド湾に臨む港町。エストニアの人口140万人のうち40万人が暮らしている。
年平均気温は6℃、冬(11月から2月)は氷点下が当たり前。毛糸の帽子、マフラー、手袋、厚手の靴下は必需品である。
だが観光にいくなら、クリスマス時期がおすすめだ。旧市街の広場にはクリスマスマーケットがオープンする。
素朴な手作り感にあふれた毛糸の帽子や手袋、お菓子、お土産などの屋台が広場いっぱいに並ぶ。
そんな広場の一角にヨーロッパ最古、1422年創業の「タリン薬局」がある。
入口の壁には、ヘビが巻き付いた杯のマークが見える。
これはギリシア神話に登場するヒュギエイアの杯(Bowl of Hygieia)であり、
医薬の象徴とされ、ヨーロッパでは薬局の看板に用いられている。
中に入ると、乾燥したカエルの足や焦げたハリネズミ、ユニコーンの角の粉、
不老長寿のワインなど、中世から伝わる秘伝の薬が展示されている。
見るからに魔法使いご用達の怪しげな薬ばかりだが、中世の時代には
医薬と魔法は混在していたのである。
現在でも販売されていて人気のある薬に、恋の病をいやす秘伝の薬がある。
失恋の痛みを和らげ、脳の活動を促進する効用があるとされている。
中央にアーモンドの粒が埋め込まれた菓子パンのように作られており、
タリンを訪れたお土産として観光客に人気を博しているという。