国名 | アイルランド | |||
英語 | Ireland | |||
首都 | ダブリン | |||
独立年 | - | |||
主要言語 | アイルランド語、英語 | |||
面積 (千Km2) | 70 | |||
人口 (百万人) | 4.6 | |||
通貨単位 | ユーロ | |||
宗教 | 約84.2%がカトリック教徒 | |||
主要産業 | 酪農、食品加工 | |||
デューングラ城(Dunguaire Castle)
デューングラ城は、アイルライド西端のゴールウェイ湾南東の岸に建つ16世紀の城砦。
名前の由来は、コノート地方(Connacht)の伝説的な王、ダン・グワイレ(Dun Guaire)による。
1924年、デューングラ城は、著名な外科医で文学者でもある、オリバー・セント・ジョン・ゴガーティ(Oliver St. John Gogarty)によって買い取られ、修復された。
雄大なゴールウェイ湾を見渡すように建てられたこの古城は、夏の間、観光客に開放されている。
城内では16世紀の暮らしぶりが再現され、中世の晩餐会を実際に体験できる。
地理
アイルランド島の 80%以上を占める共和国。
国土の大半が丘陵性の平原で、湖沼やフィヨルドが多い。
北大西洋気流の影響で、冬と夏の寒暖の差は比較的少なく、
夏季の平均気温は15℃前後と冷涼。
冬季は5℃前後と温暖で、めったに雪は降らない。
酪農を主とする農業国で、主要農産物はジャガイモ、小麦。
地下資源に乏しく、工業はバター、チーズなど食品加工業、
製糖が主で、酪農製品を輸出し、石炭、石油を輸入している。
住民の 90%以上がカトリック教徒。
第1公用語のアイルランド語を話せる人は国民の 30%以下で、
第2公用語の英語が広く用いられている。
歴史
古代、アイルランドの地はヒベルニア(Hibernia)と呼ばれ、
そこにはケルト人(Celts)が居住していた。
ケルト人は、紀元前700年頃にはヒベルニアに定住し、農業を生活手段とし、
少数の部族社会を形成していた。
アイルランド(Ireland)の国名は、ケルト神話に登場する豊穣の女神エリウ(Eriu)
に由来し、「女神エリウの土地」という意味である。
現在のアイルランドとブリテン島は、ブリタニア(Britannia)と呼ばれていた。
紀元後43年には、ブリタニアは、属州としてローマ帝国のなかに組み込まれることになる。
ブリテン島にもケルト人が居住していたが、彼らはローマ人によって周辺部に追いやられた。
122年、北部からのケルト人侵入を抑えるため、ローマ人はハドリアヌスの城壁
(Hadrian's Wall)を築いて、ここをローマ帝国の北辺に定めた。
そのため、アイルランドには、ローマ帝国の支配が及ばず、ケルト人たちの文化が
高い純度で維持された。
そこに紀元5世紀に聖パトリック(Saint Patrick)が来てカトリックをもたらした。
新しい教えはケルト人たちに受け入れられ、現在のアイルランド共和国においても
カトリック教徒が全人口の84.2%を占めている。
1649年、安住の地であったはずの島に、イングランドのプロテスタントがやって来た。
彼らは、アイルランドを征服し、カトリックを迫害するようになった。
アイルランドのケルト人は、土地を奪われ、ジャガイモを常食とし、
泥土の小屋に住まなければならなかった。
1845年のジャガイモ飢饉では、百万人以上が死に、多くの移民が北米などに脱出した。
アイルランド人は、ひたすらイングランドによる迫害と厳しい支配に耐え忍んだのである。
アイルランドの怒りが燃え上がったのは、第一次大戦中である。
1916年に、イギリスからの独立を目指し、血みどろの闘争の末に、
1949年にアイルランド共和国として独立。
しかしこの時に、北アイルランドはイギリスに残ったままだったので、
これが新たな火種となった。
1960年以降、北アイルランドのカトリック過激派IRAが、テロを起こし
紛争に発展した。
IRAとは、北アイルランドのイギリスからの分離独立を目指すカトリック系住民の
反英武力闘争の中心となる地下組織である。
1998年5月、イギリス政府と北アイルランドは、北アイルランドに自治権を確立する
などの和平案がまとまり、1999年12月に北アイルランド自治政府が発足した。
BC700年 | ケルト人が、アイルランド島に定住 |
5世紀 | 聖パトリックがカトリックを伝道 |
1542年 | ヘンリ8世がアイルランド国王となり、住民にイギリス国教を強制 |
以降、アイルランドとイングランドの抗争が強まる | |
1649年 | クロムウェルのアイルランド征服、植民地化 |
1801年 | イギリスがアイルランドを併合 |
グレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立 | |
1922年 | アイルランド自由国(Irish Free State)が、イギリス連邦内の自治領として発足 |
北アイルランドは、イギリス領にとどまった | |
1937年 | アイルランド憲法 (現在の憲法) 制定 (大統領制の導入) |
アイルランド(Ireland)に国号変更 | |
1949年 | イギリス連邦から離脱、独立。完全な共和制に移行 |
1955年 | 国連加盟 |
1968年 | アイルランド統一を求めて、アイルランド共和国軍 (IRA) が武装闘争を開始。 |
1998年 | 北アイルランドの和平合意成立 |
レプラコーン (Leprechaun)
レプラコーンは、いつでも片方の靴だけをつくっている靴屋の妖精である。
夜中に、何かを叩く音がすれば、それはレプラコーンがカナヅチを振るい、
靴を作っている音だとされている。
捕まえると、黄金のありかを教えてくれるが、たいてい黄金を手に入れることはできない。
ある男が、野原に隠されている黄金のありかを、レプラコーンから聞き出し、
その場所へ案内してもらった。
だが男は、シャベルを持ってこなかったので、目じるしとして
木のまわりに赤いリボンを結んだ。
男はすぐにシャベルを持って戻ってきたのだが、その場の光景を見て驚いた。
なんと、野原に生えているすべての木に、赤いリボンが結ばれていたのだった。
それ以来、アイルランドでは、レプラコーンのいたずらの被害にあわないように、
道のあちこちに 「レプラコーン出没注意!」 の標識が掲げられるようになった。
Carol Rose (Spirits, Fairies, Leprechauns, and Goblins: An Encyclopedia)