あかつき 1963年(昭和38年) ドラマ傑作選
大学教授を退職した正之助(佐分利信)は、趣味の油絵を描きながら悠々自適に暮らしている。
彼には妻の敏子(荒木道子)、大学生で長男の正蔵(塚本信夫)、そして二人の娘がいた。
あるとき正蔵は、大学の友人から、職を探している千津(村松英子)を紹介された。
継母のいる恵まれぬ家庭をもつ千津は、淋しい心を外の生活でまぎらわそうとしていた。
そんな千津に心をひかれた正蔵は、彼女に父の絵のモデルになるよう勧めるのだった。
1940年、女性誌「婦人公論」に連載された武者小路実篤の小説「幸福な家族」のドラマ化。
元ドイツ語教授で、今は毎日油絵ばかり描いている佐田正之助を主人公に、息子・正蔵と
絵のモデルとなった娘・千津の恋の行方を、父親の微笑ましい視点から描いている。
理想的父親像として人気のあった佐分利信は、ここでも日本の典型的な父親を演じている。
原作者の武者小路実篤は、画家としても知られており、自ら絵筆をとって描いた風景や
野菜などの色紙絵の作品が数多く残されている。
また本作「あかつき」にも、年始回りに訪れた作家仲間の役としてゲスト出演している。
(制作)NHK(原作)武者小路実篤(脚本)山下与志一
(主題歌)椿洋子「あかつき」(作詞:横井弘、作曲:斎藤一郎)
(配役)佐田正之助(佐分利信)妻・敏子(荒木道子)長男・正蔵(塚本信夫)長女・綾子(飯田桂子)
次女・是子(河口洋子) 沢辺千津(村松英子)秋子(山岡久乃)野島(川辺久造)久子(長内美那子)