火の航跡   1978年(昭和53年)       ドラマ傑作選

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久仁子(大原麗子)は、伯父が経営する外国語学校で秘書として働いている。


夫・文夫(藤竜也)は、九州有田の窯業家の長男として生まれたが、

家業を継がずに、プロのカメラマンとして活躍している。


ところがある日、突然この家庭に異変が起こった。


沖縄に取材旅行に行くと言って家を出た文夫の様子がおかしいのだ。

沖縄に行くというのに、冬の装備で出かけたからである。




不審に思った弟の耕一郎(竹脇無我)が、いろいろと調べてみたのだが、

ついに文夫の行方は分からないままになってしまった。



平岩弓枝作品としては珍しく、推理とサスペンスの要素が加わったドラマとなっている。


失踪するカメラマンに藤竜也、その妻に大原麗子、そして意外な謎解きのキーマンとなる

夫婦の義弟に竹脇無我が扮している。


平穏な日常から一転して、異常な事件に直面した若妻(大原麗子)が、夫を気遣う情感の

ある演技、そしてやがて展開されるメキシコロケの旅情などが見どころとなっている。


大原麗子は、渡瀬恒彦との離婚後、本作が初仕事となったが、夫に蒸発された人妻という

役どころに「私にとっても身近な話だと思うの」と意味深長な発言も。



(制作)フジテレビ(脚本)平岩弓枝

(配役)城重久仁子(大原麗子)城重文夫(藤竜也)城重千津(池上季実子)朝日奈耕一郎(竹脇無我

朝日奈淳子(江夏夕子)津島守雄(永井智雄)楠本功(井上順)小笠原君子(岩崎加根子)


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