まりっぺ先生 1958年(昭和33年) ドラマ傑作選
「あたし、卒業したら、小学校の先生になるんだ!」
希望に胸をふくらませ、東京の師範学校を卒業したまり子(宮城まり子)
しかし、ようやく就職が決まった先は、思いもよらぬ、片田舎の学校だった。
そこは名物といえば、キジとコロ柿と空っ風ぐらいのもの。
そんな東北の辺境の地、雉沢町(きじさわまち)の小学校へ赴任が決まった。
汽車に揺られて六時間、まり子はようやく町へ到着したが、いきなり校長から
山の分教場行きを命ぜられる。
分教場は、雉沢町から更に六里も離れた山奥の渋民村(しぶたみむら)にあり、
生徒は十人きりのちっぽけな学校だという。
東北の山村、渋民村の分教場の先生「まりっぺ先生」をめぐる心温まる物語。
まりっぺ先生の周囲には、分教場の十人の生徒、斉藤夫婦、村の和尚さんなど
バラエティに富んだ人々が次々に登場、喜びや悲しみの織りなす人間模様が
ローカル色豊かにユーモアとペーソスを交えて描き出される。
主演の宮城まり子は女優&歌手として活躍していたが、1968年(昭和43年)私財を投じて、
肢体不自由児のための福祉施設「ねむの木学園」を設立、半生をその園長として過ごした。
現在ねむの木学園は、厚生労働省管轄の社会福祉法人として活動を継続している。
なお、1959年4月から、本作「まりっぺ先生」の漫画版が、月刊誌「りぼん」に連載された。
これは本作のシナリオを原作として、当時、新人だった赤塚不二夫が手掛けた作品である。
(制作)NTV、東宝(原作)舟橋和郎(脚本)浅川清道
(主題歌)宮城まり子「まりっぺ先生」(作詞作曲:三木鶏郎)
(配役)小宮まり子(宮城まり子)校長先生(清水一郎)お茂(梅野公子)
斉藤さん(小林十九二)その妻・初代(春江ふかみ)