青春家族 1989年(平成元年) ドラマ傑作選

阿川家は五人家族。父親の久司、母親の麻子、弟の大地、姑のとら子、そして咲。
久司(橋爪功)は普通のサラリーマン、麻子(いしだあゆみ)は都内のデパート勤務で、大地は受験生。
どこにでもありそうな普通の家庭だ。
きょうは20歳になる長女・咲(清水美砂)の結婚式。
ところが、母親の麻子は、デパートのバイヤーの仕事で海外出張中。
帰国が遅れて咲の結婚式とぶつかり、成田空港から式場へタクシーをとばす。
一方、式場では、花婿・鏡介(加藤雅也)の母親・数子(高田敏江)が、麻子の遅刻にカンカン。
この結婚には反対だったと言い出す。そのうえ鏡介には咲のほかに好きな人がいるらしい。
思い余った咲は、式場を飛び出してしまう…。
団塊の世代に属するデパート勤務の母親・麻子(いしだあゆみ)と漫画家志望の長女・咲(清水美砂)を軸に、
揺れ動く現代の家族のあり方を問い掛けた連続テレビ小説第42作。
1986年「男女雇用均等法」が施行され、「女性の自立」が世間で盛んに叫ばれるようになった。
テレビドラマも「金曜日の妻たち」「くれない族の反乱」など、女性の自立をテーマにした
作品が増えるようになった。
朝ドラもまた、時代の要請をビビッドに反映する作品である。
本作「青春家族」では、従来の嫁姑という古典的なテーマから離れ、共働き夫婦の給与の逆転現象、
夫の脱サラ、息子の受験など、現代の家族が抱えるさまざまな問題が盛り込まれた。
夜向きの女優と見られていたいしだあゆみを「朝の顔」に起用し、ドラマ初出演となった人気司会者の
逸見政孝ら個性的な顔ぶれを周囲に配したのも、現代性を重視したからだという。
本作の視聴率は、第一話が35.8%と好調な滑り出しを見せ、平均視聴率37.8%、 最高視聴率44.2%を記録した。
(制作)NHK(原作)井沢満(脚本)関澄一輝
(配役)阿川咲(清水美砂)阿川麻子(いしだあゆみ)阿川久司(橋爪功)阿川大地(稲垣吾郎)阿川とら子(楠トシエ)
潮木史生(陣内孝則)三上鏡介(加藤雅也)三上数子(高田敏江)岩井一之(逸見政孝)岩井一歩(所ジョージ)
