竹の子すくすく 1977年(昭和52年) ドラマ傑作選


染物屋の完治(船越英二)は、少々頼りないが、めっぽうのお人好し。
女房の加代(藤間紫)に、頭があがらない彼だが、実は女房に知られたくない「秘密」がある。
五年前、たまたま目の前で起きた交通事故で、若い夫婦が亡くなった。
そして幼い姉弟が残された。縁もゆかりもないとはいえ、身寄りのない彼らの境遇をみかねて、
福祉司を通じて、ひそかに生活費の援助をはじめた。
人の良さと気の弱さ。女房には内緒だったが、その「秘密」に、ついに危機がおとずれた。
毎月の送金がバレそうになり、女房はひょっとして、亭主に女が出来たのではと。
そんな折も折、くだんの姉弟が近所のアパートに引っ越して来た。
もちろん、姉弟の側も、送金の主が、染物屋の主人であることを知らない。
染物屋夫婦をはじめとする町内の善意が、姉弟の成長を温かく見守るというドラマ。
第一回は、サチ子(片平なぎさ)ら姉弟が、浅草のアパートに越して来て、町内の染物屋夫婦、
床屋の耕吉・ツネ夫婦(荒井注、大山のぶ代)ら住人たちとの触れ合いがはじまるまでを描く。
船越英二が演じる染物屋の完治が、たまたまサチ子の両親の事故を目撃し、以来、二人の孤児たちに
匿名で、毎月三万円ずつ送金して援助してきた「足ながおじさん」という設定は、夢があっていい。
テレビドラマはもう六本目になる片平なぎさは、弟を大学まで行かせるために、牛乳配達から
バーのホステスまでやってしまう健気で頑張り屋の女の子を演じている。
弟役の鶴見辰吾君については「大人しくて利口で、育ちの良さが出てるわ」と、すっかり
感心した様子で、早くも世話焼き姉さんぶりを発揮していた。
(制作)ANB(全国朝日放送)(脚本)柴英三郎、田上雄
(配役)唐島サチ子(片平なぎさ)唐島雄太(鶴見辰吾)及川完治(船越英二)及川加代(藤間紫)馬場耕吉(荒井注)
馬場ツネ(大山のぶ代)矢崎市子(水野久美)加納徳三(藤岡琢也)百武松造(佐野浅夫)百武美々子(吉沢京子)
