天使の歌声〜小児病棟の奇跡〜 2002年(平成14年) ドラマ傑作選

2歳のより子(松浦亜弥)は卵巣がんを発症し、小児病棟での入院生活を余儀なくされる。
母親の淑恵(田中好子)にとっても、それはつらい経験となる。
ただ闘病生活の中で、唯一の希望の光はピアノだった。
優れた音感をもつより子は、病院でピアノを弾き、作曲した曲を披露して病棟仲間を喜ばせる。
それは、より子にとっても生きがいとなっていく。
退院後、中学生になったより子は、学校になじめず、周囲の人間に対して反発するようになる。
ある日より子は、茶髪にしたことで母親と対立する。
校則違反で教師に叱責されると「髪があるから」と答える。
抗がん剤の副作用で、6歳まで坊主頭だった彼女は、いつまた髪がなくなるか不安だったのだ。
落ち込んだより子は、かつて小児病棟で同室だった仲間たちに会いたいと願う。
だが、自分以外の入院していた仲間が、全て亡くなっていたことを知った彼女は、
ピアノを弾くことをやめ、自堕落な生活を送るようになる。
物語は、実在する18歳のシンガー・ソングライター「より子」がモデル。
彼女は、2歳の時にがんに侵されながら奇跡的に完治。
入院中に独学でピアノを始めたのをきっかけに音楽の才能が開花、2002年3月に
ファーストアルバム「Aizenaha」を発売、アーティストデビューした。
ドラマは、病院での幼い姿をたえず挿入することによって、より子の根底にある
精神のありようを巧みにとらえてゆく。
小児病棟での彼女の支えとなったのは、ピアノと、その演奏に喜んでくれた闘病仲間たち。
いったんはピアノを断念したものの、亡くなった闘病仲間のために曲を作り続ける決心をする。
ドラマの映像は、生きる希望をピアノに求めた彼女の、ひたむきに生きる姿を映し出してゆく。
ヒロイン・より子を演じたのは、ドラマ初主演の松浦亜弥。彼女のみずみずしい演技に加え、
父親役の舘ひろしが、普段のイメージと異なるキャラで演じているのも見どころの一つだ。
(制作)フジテレビ(原作)小笠原路子(脚本)龍居由佳里
(主題歌)より子「ほんとはね。」(作詞作曲:より子)
(配役)小笠原より子(松浦亜弥)母親・淑恵(田中好子)父親・友彦(舘ひろし)姉・杏子(浅見れいな)
斯波広海(岡本富士太)柳瀬川一馬(須賀健太)神谷健太(東新良和)北村真奈美(藤本美貴)
