国名 | ボリビア多民族国 | ||||
英語 | Plurinational State of Bolivia | ||||
首都 | ラパス(La Paz) | ||||
独立年 | 1825.8(スペイン) | ||||
主要言語 | スペイン語 | ||||
面積 | 109万8580km2 | ||||
人口 | 1113万8234人 | ||||
通貨単位 | ボリビアーノ | ||||
宗教 | カトリック78%、プロテスタント16% | ||||
主要産業 | 天然ガス、亜鉛 |
地理
北から東へかけてはブラジル、南東はパラグアイ、
南はアルゼンチン、西はチリとペルーに囲まれる。
地形は南西のアンデス山脈と北東の低地に大別される。
このうちアンデス山脈は同山脈が最も幅広くなる部分にあたり、
山間には広大なアルチプラノ高原が広がる。
ここに人口が集中、ラパスをはじめとする主要都市が立地し、
ボリビアの中心部をなしている。
国土の 5分の3を占める低地は熱帯雨林あるいは草原に覆われ、
湖沼や湿地帯が多く、大部分が人口希薄な未開発地域である。
チチカカ湖やポーポ湖の内陸水系に属する高原地帯とラプラタ川水系に
入る南東部以外は、全域がアマゾン川支流マデイラ川の流域である。
気候は標高によって大きく異なり、低地北部は高温多雨の熱帯雨林気候、
低地南部およびアンデス北東斜面は亜熱帯気候である。
高原は年中冷涼ないし寒冷で、高原の東をかぎるレアル山脈には万年雪をいただく高峰が連なる。
スペイン征服前にインカ帝国の一部をなしていた地域で、住民にもケチュア族、アイマラ族を中心とした
先住民のラテンアメリカインディアン(インディオ)が多く、総人口の約半分を占める。
そのほか、メスティーソと呼ばれるインディオと白人の混血が約 30%、白人が約 15%。
公用語はスペイン語のほかインディオ語系のアイマラ語、ケチュア語など 36の先住民言語が指定されている。
信教の自由は保障されているが、国民の圧倒的多数がキリスト教のカトリックである。
天然ガスとスズをはじめとする鉱物資源に恵まれ、天然ガスは最大の輸出品。
ほかにタングステン、アンチモン、鉛、亜鉛、銅、銀、金、ビスマス、石油などを産する。
農業は就業人口の約 4割を擁し、高原では穀物やジャガイモなどを栽培する古くからの自給農業が中心で、
生産性の高い低地ではサトウキビ、コーヒー、綿花、カカオなどの換金作物の栽培が盛ん。
一方、依然としてコカ生産国でもある。
牧畜も重要で、ヒツジ、ウシ、ヤギなどのほか、ラマ、アルパカなどが飼育される。
工業は石油精製、鉱石精錬などのほか、食品、飲料、たばこ、繊維などの製造が中心。
インカ遺跡などを中心とした観光も重要。
歴史
15世紀にインカ帝国の征服を受ける以前、チチカカ湖南東岸のティワナクにみられる
石造物を特徴とする宗教文化が栄えていた。
スペインによるインカ征服後、1533年からスペイン植民地となった。
1545年ポトシで銀が発見されると、スペインはインディオを徴発して採掘し、ヨーロッパに運んだ。
1825年ボリーバルの副官スクレ将軍の率いる軍により解放され、ボリビア共和国として独立。
国名は独立の指導者ボリーバルにちなむ。
2009年3月、国名をボリビア共和国からボリビア多民族国に変更した。
1825年 | スペインより独立。ボリビア共和国の成立 |
2009年 | 国名をボリビア共和国からボリビア多民族国に変更 |
ウユニ塩湖 (Uyuni Salt lake)
全長約8000kmに及ぶ世界最長のアンデス山脈は、巨大な岩塩の固まりである。
2億年前の中世代、海底にあったアンデスは地殻変動により隆起を始める。
大気に冷却されながら岩塩層を形成し、260万年前に現在の姿になった。
隆起の過程で、大量の海水が氷河として山中に残され、気温の上昇とともに
氷河が溶け、山間の窪みに数か所の湖が形成された。
解凍された海水に加え、周囲の山に降った雨は、岩に含まれる塩分を
溶かしながら湖に流入を続け、高濃度の塩分を有する塩湖となった。
ボリビアの南西部、標高約3700mに位置するウユニ塩湖もその一つ。
南北100km、東西250kmに渡って広がる世界最大の塩湖である。
雨期(11月〜3月)には浅く水が張るものの、乾季には干上がって、
食塩の採取(切り出し)が行われる。
ウユニは、雨期に薄く冠水すると「天空の鏡」と形容される巨大な鏡が出現し、
天地が対称になった幻想的な風景が現れる絶景スポットとして知られる。
またウユニ塩湖の地下には、世界最大規模のリチウム資源(約550万トン)
が埋蔵されているという。
現在、先進各国では、自動車産業再生の切り札として、電気自動車やハイブリッド車等の開発に力が注がれている。
その電力を蓄えるリチウム電池の生産に必要不可欠な素材がリチウムである。
ボリビアは、南米で最も貧しい国のひとつだが、リチウムに今後の経済発展の期待がかけられている。