国名 | ブラジル連邦共和国 | ||||
英語 | Federative Republic of Brazil | ||||
首都 | ブラジリア(Bras?lia) | ||||
独立年 | 1822.9(ポルトガル) | ||||
主要言語 | ポルトガル語 | ||||
面積 | 851万1965km2 | ||||
人口 | 2億0735万3391人 | ||||
通貨単位 | レアル | ||||
宗教 | カトリック74%、プロテスタント15 | ||||
主要産業 | コーヒー、鉄鉱石、機械 |
地理
南アメリカの国。南アメリカ大陸のほぼ半分を占め、世界第5位の面積をもつ。
東側は大西洋に面し、北から西、南にかけては、チリとエクアドルを除く
南アメリカのすべての国と国境を接する。
北部をアマゾン川が東流し、その上・中流域に広大な低地が広がるが、国土の約 60%は
標高 200m以上の丘陵、高原、低い山地からなり、中部から南部にかけてはブラジル高原が占め、
北縁部にはギアナ高地が連なる。最高峰はネブリナ山(3014m)。
主要水系は国土の半分以上を流域とするアマゾン川水系のほか、南部のラプラタ川水系、
東部のサンフランシスコ川水系。
気候は北部の熱帯雨林気候、中部のサバナ気候、南部の温帯湿潤気候に大別され、
北東部が年降水量 500mm以下の乾燥地帯となっているほかは、ほぼ全域にわたって十分な降雨があり、
アマゾン川の上流域や河口部には年降水量 2000mm以上の多雨域が広がる。
16世紀から 19世紀初めまでポルトガルの植民地であったため、住民はポルトガル系白人と
先住民のラテンアメリカインディアン(インディオ)や奴隷として連れてこられた黒人との混血が最も多い(メスティーソ)。
そのほか独立後流入したヨーロッパ系、中近東系、アジア系の住民を加えて民族構成はきわめて多様で、日系人も多い。
公用語はポルトガル語。国教は定められていないが、圧倒的多数がキリスト教のカトリック。
世界最大の生産量であるコーヒーをはじめ、農産物が重要な輸出品で、世界有数の農産物輸出国。
主要作物はコーヒーのほか、サトウキビ、ダイズ、米、トウモロコシ、オレンジなど。
牧畜も重要で、ウシ、ブタの飼育頭数は世界有数。
鉱物、森林、水力などの膨大な天然資源は、近年工業発展に促されて開発が活発になっている。
特に鉄鉱石の採掘が盛んで、鉄鉱石はコーヒーとともに重要な輸出品である。
ほかにスズ、石油、天然ガス、ボーキサイト、リン灰石、マンガン、クロム、水晶、ダイヤモンドなどが採掘される。
第2次世界大戦後本格的に発展し始めた工業は、1960年代に入って鉄鋼、自動車、機械、石油製品の各部門で急成長を示し、
在来工業である繊維、たばこなどの農産物加工業の伸びと相まって、1990年には国内総生産の 4分の1を占めた。
輸出に占める工業製品の割合はしだいに増加し、今日では南アメリカ最大の工業国となっている。
21世紀初めには、急速な経済成長を遂げたインドなどとともに BRICSと呼ばれた。
人口、産業が集中する大西洋沿岸部には鉄道・道路網が発達しているが、広大な内陸部では水路のほかは
空路が主要交通路で、道路も通じない人跡未踏の地域も広い。
1970年代にトランスアマゾン・ハイウェーの建設が進められ、残された世界の資源宝庫といわれる
アマゾン地方も開けつつあるが、地球環境保全のため熱帯林保護を訴える声も多い。
歴史
1500年、ポルトガル人カブラルがブラジル海岸に漂着して植民地とした。
以降、黒人奴隷制の下でサトウキビ栽培が進められた。
1693年、内陸で金が発見され、ゴールドラッシュが起きた。
1807年、ナポレオンに追われたポルトガル王室がブラジルに逃れてきた。
その帰国後の1822年、残った王子がペドロ1世として皇帝となり、独立を宣言。
1889年、軍による無血革命で帝政は廃止され、共和国が成立。
20世紀に入ると、サンパウロ周辺でのコーヒー栽培がヒットし、経済を支えた。
だがその後、世界的な不況になり、コーヒー産業も低迷。
そんななか1930年、バルガス政権(在任1930〜1954年)が誕生。
バルガス大統領は、独裁権力を行使して経済立て直しに取り組んだが、
1945年、軍のクーデタで失脚。
その後、軍政が続いたが、オイルショックの影響でインフレになり民政移管。
1994年、カルドーゾ蔵相(1995年大統領)のもとでクルゼイロから新通貨レアル(米ドルと等価)
への切替えがなされ、インフレは鎮静化、経済立て直しに成功。
その後は、南米で最大の経済規模を有し新興経済国の一角を担うまでになった。
1500年 | ポルトガルによるブラジル発見。ポルトガル領となる |
1822年 | ポルトガルより独立(9月7日) |
1889年 | 共和制樹立(11月15日) |
1891年 | 憲法が制定され、ブラジル連邦共和国が成立 |
1964年 | カステロ・ブランコ軍事政権樹立 |
1985年3月 | 民政移管(サルネイ政権) |
1988年10月 | 新憲法公布 |
1995年1月 | カルドーゾ政権成立 |
1999年1月 | 第2期カルドーゾ政権成立 |
2003年1月 | ルーラ政権成立 |
2007年1月 | 第2期ルーラ政権成立 |
2011年1月 | ルセーフ政権成立 |
2015年1月 | 第2期ルセーフ政権成立 |
2016年8月 | テメル政権成立 |
2019年1月 | ボルソナーロ政権成立 |
サンバ (Samba)
19世紀の終りから20世紀の始めにかけて、リオの都市周辺の裏山(モーホ)に住みついた
黒人たちの間から、自然に生まれてきた音楽が「サンバ」といわれている。
1920年代にはすぐれた作曲者や歌手がでて、リオのカーニバルにサンバの曲が
使われるようになってからは、一般大衆にも知られていく。
レコードやラジオの普及に伴って、黒人たちだけではなく中産階級にも広がりを見せ、
白人もサンバを愛好するようになり、サンビスタ(ダンサー)たちも多く登場するようになった。
民俗舞踊としてのサンバは、シンコペーションの多用を特徴とし、大勢の人が街の広場などにあつまり、
打楽器の伴奏でソロとコーラスの歌を交互に歌い、踊るのが一般的。
サンバのリズムに欠かせない楽器に「アゴゴ・ベル」(Agogo Bell)がある。
アイスクリームのコーンの様に鉄板を円錐状にした鉄琴の一種で、キンコン・カンコンと甲高く澄んだ音が鳴る楽器だ。
思わず体を動かしたくなる陽気なリズムを作り出すことができる。
リオのカーニバルは、毎年2月のある週末から、翌週にかけて開催される。
ブラジルの人々にとって、カーニバルは正月のようなもの。
もともとカトリックの祭りで「謝肉祭」とも言い、キリスト復活祭の前の40日間は肉を
いっさい食べられなくなるので、その直前の何日間をにぎやかに過ごすためのものだった。
カーニバルでは、きらびやかに仮装した多くのサンビスタたちが、リオの大通りを
サンバのリズムにのりながら、歌い、踊りながらパレードする。
この期間、リオの全ての機能がストップし、毎年喧嘩などで多数の死者も出るようだ。
リオの人々は、この4日間のために残りの361日間仕事をするのだ、ともいわれる。
(Aquarela do Brasil 1939)