国名 チリ共和国  
英語 Republic of Chile
首都 サンティアゴ(Santiago)
独立年 1818.2(スペイン)
主要言語 スペイン語
面積 75万6950km2
人口 1778万9267人
通貨単位 チリ・ペソ
宗教 キリスト教87%
主要産業 銅鉱、野菜、果実





地理

南アメリカ南部西岸、太平洋に面する国。

アンデス山脈の西側に南北 4000km以上にわたって細長く延びる国で、
東はアルゼンチン、北東はボリビア、北はペルーと国境を接する。

太平洋上のフアンフェルナンデス諸島、イースター島などを含む。

地形は、東のアンデス山脈、これに並行して太平洋岸に続く西の低い海岸山脈、
両山脈に挟まれた中央低地帯に大別され、南部では後二者が海中に没して
切り立ったフィヨルド地形となっており、沿岸に多島海が形成されている。

国土が南北に長いため気候はきわめて多様。

北部は雨がほとんど降らない海岸砂漠気候で、アタカマ砂漠が広がるのに対し、
南部は寒冷な多雨地域で年降水量 2000〜4000mm、一部では 5000mm以上に達する。

中部は温帯冬雨気候(地中海式気候)で、ここに人口の大部分が集中する。

先住民のアラウカノ族などのラテンアメリカインディアン(インディオ)は、
16世紀以降スペイン人の侵入によりしだいに減少、今日では住民の約 70%が
メスティーソ(インディオとスペイン系白人の混血)である。

公用語はスペイン語。国教は定められていないが、キリスト教のカトリックが多い。

経済発展に必要な原材料とエネルギー資源に恵まれ、特に鉱物資源が豊かで、鉱業が経済の主柱をなしている。
20世紀初めまでは硝石採掘がその中心であったが、その後銅鉱床の開発が盛んとなり、世界有数の銅産出・輸出国となった。

そのほかの重要な鉱産物は鉄、モリブデン、石炭、石油、天然ガスなど。

農業は可耕地の少ないこともあって自給できていない。主要作物は穀物、ジャガイモ、豆類、果実など。
中部地域ではブドウ栽培が盛んで、良質のワインを産する。

世界的な漁業国であり、特にアンチョビー(カタクチイワシの一種)の漁獲が全体の半分を占める。

工業は全体としては食品、繊維を中心とした軽工業の域を脱しきれないが、
大都市では化学、電気・電子、自動車組み立てなどの工業も発達。

コンセプシオン周辺には製鉄、石油精製、石油化学などの重化学工業地帯が形成されている。

国土を南北に貫くパンアメリカン・ハイウェイとチリ縦貫鉄道を中心に道路・鉄道網が比較的よく発達しているが、
プエルトモント以南では陸上交通は未発達で、交通はもっぱら沿岸航路と空路による。






歴史

もとインカ帝国の一部であったが、1541年スペインの植民地となった。

18世紀後半から独立運動が高まり、1810年自治政府が樹立され、1818年独立軍はスペイン軍を破り独立を宣言した。

20世紀にはいり、南部の農業と北部の銅・硝石によって工業化が進んだ。

1970年にはアジェンデ大統領の左派政権が成立し、アメリカ系銅産企業の国営化など社会主義政策を推進した。

しかし、経済危機を招き、1973年軍部クーデタで崩壊した。
1990年に、16年間続いた軍政から民政に移管された。


15世紀  インカ帝国の支配下になる 
1541年  スペインの植民地となる 
1770年  スペインがイースター島を領有 
1818年 スペインから独立。チリ共和国の成立
1888年 イースター島をスペインから割譲
1970年 アジェンデ社会主義政権誕生
1973年 クーデターによりピノチェット軍事政権誕生
1980年 新憲法草案に対する国民投票の実施
1981年 新憲法発効
1988年 ピノチェット大統領信任投票
1989年 大統領選挙、国会議員選挙
1990年 エイルウィン政権成立(民政移管)
1994年 フレイ政権成立
2000年 ラゴス政権成立
2006年 バチェレ政権(第一期)成立
2010年 ピニェラ政権(第一期)成立
2014年 バチェレ政権(第二期)成立
2018年 ピニェラ政権(第二期)成立





謎の文字「ロンゴ・ロンゴ」(Rongo Rongo)


1770年、スペインがイースター島の領有宣言をしたとき、
島民は奇妙な文字でサインした。それがロンゴ・ロンゴだった。

だが1862年、ペルーの奴隷狩りによって最後の読み手である
「タンガタ・ロンゴ・ロンゴ」たちもさらわれ死んでしまった。

当時の島の民家には、ロンゴ・ロンゴが刻まれた木片はたくさんあったのだが、
宣教師によって邪教の「悪魔の文字」として焼き捨てられてしまった。

謎の文字となったロンゴ・ロンゴだが、根気強い研究によって文字の読み方は解明された。

まず、右上から左へ読み、180度回転させて上下を逆にしてから、
下から二行目を右から左へと読む。これを繰り返すという奇妙な読み方だ。

文字のルーツについてはインダス流域の「古代インド文字」、「アンデス文字」、
「エジプト文字」と諸説入り乱れている。

内容にしても、神への祈り、神官への支持、島に伝わる伝説、死者の名簿などさまざまだ。
ロンゴ・ロンゴの文字が刻まれている木片で現存しているのは、世界でたったの28点。

イースター島の博物館には、本物一枚とチリ本土の「サンチアゴ国立自然史博物館」
にあるものの複製が、二枚展示されている。

この文字が解明されれば、島に残された多くの謎が解明されるのかも知れない。