国名 | コロンビア共和国 | ||||
英語 | Republic of Colombia | ||||
首都 | ボゴタ(Bogota) | ||||
独立年 | 1810.7(スペイン) | ||||
主要言語 | スペイン語 | ||||
面積 | 113万8910km2 | ||||
人口 | 4769万8524人 | ||||
通貨単位 | コロンビア・ペソ | ||||
宗教 | カトリック80%、プロテスタント14% | ||||
主要産業 | 石油、石炭、コーヒー豆 |
地理
西は太平洋、北はカリブ海に面し、北西端で両洋を分けるパナマと国境を接する。
東から南にかけてはベネズエラ、ブラジル、ペルー、エクアドルに囲まれる。
地形は北西半のアンデス山脈と南東半の低地に大別される。
南アメリカ大陸の太平洋岸に沿って連なるアンデス山脈は、最北部のコロンビア領内では
北流するカウカ川とマグダレナ川により、西部山脈、中部山脈、東部山脈の 3山脈に分岐する。
中部山脈が最も高く、ウイラ山など標高 5000mをこえる高峰がそびえる。
カリブ海沿岸には広い海岸低地が発達。
アンデス山脈の南東に広がる広大な低地はオリノコ川支流グアビアレ川によって二分され、
北はオリノコ川流域のリャノスと呼ばれる熱帯草原、南はアマゾン川上流域の熱帯雨林となる。
赤道地帯に位置するため、概して年中高温の熱帯気候であるが、山地では垂直気候が発達し、
首都を含む主要都市は温帯性の気候を示す標高 1000〜3000mの山地斜面や高原に集中する。
雨季と乾季の別があるが、その時期や年降水量などは地域差が大きい。
16世紀にスペイン人が訪れ、この地を征服するまでは、カリブ族、チブチャ族などの
ラテンアメリカインディアン(インディオ)が住んでいたが、その後スペイン人、
奴隷として連れてこられた黒人奴隷との間に混血が進み、今日住民の約 60%がこれらの混血である。
純粋なインディオは少なく、約 1%。公用語はスペイン語。
信教の自由は保障されているが、国民の 80%以上がキリスト教のカトリックである。
農業が主産業で、なかでも輸出品のコーヒーが最も重要な作物であり、世界有数の産出国となっている。
そのほかの主要作物は輸出用のバナナ、花卉、サトウキビ、タバコ、主食用のトウモロコシ、イネ、コムギ、イモ類など。
ウシの飼育を中心とした牧畜も重要。鉱物資源は豊富で多種にわたる。
主要鉱産物は天然ガス、石油、石炭、金、銀、白金、エメラルドなど。
特に金は南アメリカで上位の、エメラルドは世界最大の産出量。
森林資源に恵まれ有用樹も多いが、大部分は未開発。
工業は食品、化学、繊維など消費財生産の軽工業が中心であるが、金属加工、自動車組み立て、
石油化学などの工業も発達しており、1990年代初頭に農業を抜き、国内総生産 GDPの 20%を占めるにいたった。
一方で、コカインの密輸出がコーヒー輸出額の 2倍に相当すると推計されており、国際的問題となっている。
麻薬組織と並んでコロンビアの治安を脅かしてきた共産主義武装勢力のコロンビア革命軍は 2010年代に政府との和平交渉を始めた。
国民の 80%以上が住むアンデス地域では鉄道、道路、水路、空路による交通網が比較的よく発達しているが、
南東半の低地帯では道路がわずかに通るだけで、交通はもっぱら水路と空路による。
歴史
1499年スペイン人が到来し、1541年からスペインが金鉱山の開発を始めた。
1819年ボリバルやサンタンデルの指導下に、現在のパナマ、ベネズエラ、エクアドルとともに
コロンビア共和国(大コロンビア)として独立した。
1830年ベネズエラ、エクアドルの脱退で国名をヌエバ・グラナダ共和国とし、1886年改めてコロンビア共和国となった。
1903年パナマが分離・独立した。
世界最大のコカイン生産国で、1960年代以降、左翼ゲリラと麻薬密輸組織によるテロなどの活動が激しくなり、
政治や社会の動きに大きな影響を与えている。
1810年 | 独立宣言(スペインより独立) |
1819年 | 大コロンビア共和国成立 |
1886年 | 憲法制定、コロンビア共和国成立 |
1903年 | パナマ分離独立 |
1948年 | 自由党有力政治家ガイタン暗殺。ボゴタソ(ボゴタ騒動)発生。以後の約10年間は「ラ・ビオレンシア(暴力)」の時代と呼ばれる。 |
1953年 | ロハス軍事政権発足(〜1957年) |
1958年 | 自由・保守両党の国民戦線協定成立(民政移管)(〜1974年) |
1991年 | 新憲法制定(1886年憲法を全面改訂) |
2002年 | ウリベ大統領(自由党系右派)就任(2006年再任) |
2010年 | サントス大統領(国民統一党(U党))就任(2014年再任) |
2018年 | ドゥケ大統領(民主中道党) |
サン・アグスティン遺跡公園 (San Agustin Archaeological Park)
13世紀から16世紀まで栄えたインカ帝国は、ペルーのクスコを中心に、北はコロンビアから、
南はアルゼンチン、チリまでのアンデス山脈に沿って、領土を広げた。
だがインカ以前にも、マヤ文明(メキシコ)やナスカの地上絵で知られる
ナスカ文明(ペルー)など、進んだ文明があった。
首都ボゴタの南西約350km、標高1500mの高地でBC6世紀から14世紀まで栄えた
サン・アグスティンは、そうしたプレ・インカ文明の遺跡とされている。
この遺跡でいちばん目立つのは、火山岩で彫った400体以上もの石像群だ。
大きな頭に大きな目、ていねいに彫った手が印象的で、武器を持った像や、
小さな子どもを抱いてにっと笑うユニークな像もある。
これらの石像は地下から発掘されたものであり、おそらくインカ襲来の前に、
数多くの石像は、すべて地中に埋められたものと考えられている。
地下にはまだたくさんの石像が埋まっていることが分かっているが、掘り出してしまうと
劣化してしまうため、後世のためそのまま残されているという。
また雨などによる劣化を防ぐため、展示されている石像には簡易な屋根が付けられている。
いずれにしても、これらの石像が何の目的で置かれたものか、また作った人たちが
どんな民族だったのかも、いまだに解明されていない。
そのミステリアスさゆえに、多くの人々を惹きつけてやまない遺跡である。
(住所:San Agustin Archaeological Park, Huila, Colombia)