国名 コンゴ民主共和国           
英語 Democratic Republic of the Congo    
首都 キンシャサ(Kinshasa)    
独立年 1960年6月(ベルギー)    
主要言語 仏語、リンガラ語    
面積 234万5410km2    
人口 8330万1151人(2017年推計)    
通貨単位 コンゴ・フラン    
宗教 カトリック50%、プロテスタント20%    
主要産業 銅、コバルト、工業用ダイヤモンド    






地理


アフリカ大陸第3位の面積を持ち、世界有数の大河コンゴ川流域に
広大なコンゴ盆地が広がる。

中央部は年中高温多雨の熱帯雨林気候で、原始熱帯雨林が発達している。
その周辺部は雨季と乾季が明確に分かれた熱帯モンスーンまたはサバナ気候である。

南部と東部の山地では気温が下がって亜熱帯気候となり、
さらに標高が高い東部の山岳地帯ではかなりの降雪もみられる。
首都キンシャサ 26.1℃(1月) 22.8℃(7月) 年降水量1125mm。

労働人口の75%以上が農民で、パーム油、コーヒー、綿花を栽培するが食料は輸入に依存する。
鉱物資源は世界的な宝庫で、銅、コバルト、ダイヤなどを産出する。

工業は厳しい自然条件と政情不安のため、首都周辺に軽工業がみられる程度である。
住民の大部分はバンツー語系諸族で、200余の種族に分かれる。


そのほかはスーダン語系、ナイル語系諸族、ムブティ族(ピグミー)など。
民族固有の宗教のほかキリスト教が広く普及。

公用語はフランス語であるが、リンガラ語、スワヒリ語なども広く用いられる。




歴史

13世紀から14世紀にかけて「コンゴ王国」が象牙や鉱物資源の交易で繁栄していた。
国内を長大なコンゴ川が流れていることが、国名の由来になっている。

しかし15世紀、大航海時代に入ったポルトガルが進出し、コンゴ王国は瞬く間に奴隷貿易の中心地とされた。
16世紀に入るとコンゴ王は遂にポルトガルに従属。王国は形だけのものとなってしまった。

1883年、ベルギー国王は、学術調査をよそおって、コンゴ王国をベルギー領にすると宣言した。

この宣言にポルトガル、イギリスなどが反対したため、1885年、ドイツのベルリンでアフリカ分割に関する
会議が開催され、王国の領土はフランス、ベルギー、ポルトガルによって分割されることが決定、
コンゴ王国は形式上も消滅した。これ以降、ヨーロッパ人による植民地支配がスタートした。

王国の旧領土は南部がポルトガル、中部がベルギー、西部がフランスの植民地となった。
これはそれぞれ現在のアンゴラ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国に相当する。

1960年6月、コンゴ共和国としてベルギーから独立。
しかし独立直後、国内資源をめぐる指導者間の争いから内乱(コンゴ動乱)が起こり、
続いて1965年、軍事クーデターが勃発、国内は大揺れとなった。

1971年、国名をザイール共和国に改称。
複数政党制をめぐっての混乱が続いたが、1997年、国名をコンゴ民主共和国に改称。

しかし翌1998年、内戦が勃発、周辺諸国も交えた国際紛争へと発展した。
2003年、死者300万人といわれる内戦はようやく終結した。



13世紀 コンゴ王国が成立
1885年  アフリカ分割会議
1908年   ベルギーの植民地に
1960年6月  コンゴ共和国として独立、同年コンゴ動乱が勃発
1965年   軍事クーデターが勃発
1971年   国名をザイール共和国に改称
1996年 第一次コンゴ内戦勃発
1997年  国名をコンゴ民主共和国に改称
1998年 第二次コンゴ内戦勃発





オカピ野生生物保護区 (Okapi Wildlife Reserve) 世界遺産

ジャイアントパンダやコビト(小人)カバと共に世界三大珍獣に数えられるオカピは、
北東部のイトゥリの森と呼ばれる森林地帯に多く生息している。

1000万年前から、姿を変えていないことから「生きた化石」とも呼ばれる。
シマウマを連想させるが、このオカピはキリンの仲間とされている。

この保護区では、全世界に生息しているオカピの約6分の1にあたる5000頭が暮らしている。
自然豊かな保護区内には、オカピ以外にも様々な動物が見られる。

森林ゾウやアフリカゴールデンキャットなど絶滅危惧種のほか、300種類以上もの鳥類も。
さらには、アフリカ最古の先住民であるピグミー族も野生動物と共存しながら、
昔ながらの生活を営んでいる。

(Okapi Wildlife Reserve:Ituri province, Democratic Republic of the Congo)





     

サプール(Sapeur)

「サプール」とは、コンゴ特有のファッションスタイル「サップ」を
楽しむ人々のこと。

サップは、フランス語の略語で「おしゃれで優雅な紳士協会」という意味。
着こなしはもちろん、教養や礼儀、倫理観などの人間性が大切だとされる。

彼らのほとんどは電気工やタクシードライバー、公務員などごく普通の人々。
サプールであるために平日一生懸命働き、お金をためて高級な服を買う。

週末になると着飾って、街に繰り出すのだ。


日曜日には、とっておきのコーディネートで教会に出掛ける。

1960年の独立後も、内戦に苦しんだ同国において、自由に着飾るサプールは
平和の象徴にもなっている。