国名 ナウル共和国       
英語 Republic of Nauru  
首都 ヤレン(Yaren District)  
独立年 1968年1月(イギリス)  
主要言語 ナウル語、英語  
面積 21km2  
人口 1万1359人(2017年推計)  
通貨単位 オーストラリア・ドル  
宗教 キリスト教  
主要産業 リン鉱石  





地理


バチカン市国、モナコに次ぐ小さな独立国。
サンゴ礁でできたナウル島一つを国土とする。

島の中央部は海抜 60mほどで、海鳥のフンが堆積して化石となってできた
リン鉱石の台地。

海洋性の熱帯気候で、降水量が多い。雨季は11月から2月。
月平均気温  27.2℃(1月) 27.8℃(7月)

住民の約 70%を占めるナウル人は、ポリネシア、メラネシア、ミクロネシア系の諸要素をもつ。


かつてはリン鉱石の輸出により世界有数の富裕国だったが、リン鉱石の枯渇に伴い、
極めて厳しい経済状況に転落。

近年はリン鉱石の再採掘の取り組みが始まっている。
国営の海運会社と航空会社をもつ。公用語はナウル語と英語。



歴史

1798年にイギリス船が来航、1888年ドイツ領となり、1914年にオーストラリアが占領。
1920年からイギリス、オーストラリア、ニュージーランド3国の委任統治領となった。

第2次世界大戦中の日本による占領を経て、1947年から再び上記3国の信託統治領となり、
1968年に共和国として独立、1969年イギリス連邦に加入した。


1798年 イギリスの捕鯨船がナウル島に来航
1888年 ドイツ領となる
1907年 イギリス資本の会社がリン鉱石の採掘開始
1920年 オーストラリア、ニュージーランド、イギリスの三国による国際連盟の委任統治領となる
1942年 日本軍が占領
1947年 国連信託統治領
1968年1月 独立、ナウル共和国の成立






電話トラブルで国家が消息不明に


2003年1月8日、ナウルの電話システムが故障して、海外との連絡が遮断された。
インターネットまで途絶してしまい、国家として消息不明になってしまった。

イギリスBBCが「島の状態はもちろん、大統領の安否すら不明」と報道する事態に。
国連に加盟している国が丸ごと不明になったのだから、かなり深刻なニュースだ。

この事件は日本でも「テロリストに占拠されたのでは」「島全体が海に沈没したのでは」
などという無責任な会話がネット・サイトで交わされた。

二か月後、電話は再開されたが、混乱状態にあるナウルを露呈することになった。

ナウルを窮地に陥れた原因は、外圧でも民族紛争でも突然襲った天災でもない。
これまで潤沢だった政府財政が、リン鉱石資源の枯渇によって破綻したからに他ならない。

リン鉱石資源は有限だから、いずれは枯渇してしまう。これは初めから誰もが分かっていた。

だから、この日を迎えないために、さまざまな備えをしなければならなかったのだ。
だが、今となっては誰が大統領になっても、破綻国家の立て直しは難しいだろう。

では、ナウル共和国の今後は、どうなるのだろうか?
オーストラリアの保護国となって、このまま生き延びるのか。それとも、国家を解散して、
住民はオーストラリアに移住するのか。

ナウルの意思だけでなく、国連や先進諸国が如何に関与するかによっても左右されるだろう。
こうした破綻国家を如何に処理するべきか、これは国際社会に突きつけられた課題と言ってよい。