クリスマス・イヴ 1990年(平成2年) ドラマ傑作選


銀行員の雪子(仙道敦子)と美咲(清水美砂)は、二年間の預金をはたいて、
憧れのリゾート地、サンクチュアリー・コープへやって来た。
南半球のオーストラリアで真夏のクリスマスを味わおうというのだ。
豪華なホテルに宿泊し、買い物にプールに、ゴルフにサイクリング。
やりたいことはすべてやって楽しんだが、どこか物足りない。
二人は心の中で、相手が恋人だったら、もっと素敵なのにと思うのだった。
一方、二人の同僚の剛(吉田栄作)も、恋人のくるみ(松下由樹)と、この場所に来ていた。
だが剛とくるみは、結婚後の生活について意見が合わず、別れるハメに。
オーストラリアで、それぞれ顔見知りとなった四人は、帰国後に偶然再会する…。
本作では「今年のクリスマス・イヴこそ素敵な夜にしたい」そんな願いを叶えるため、
男女が泥沼の恋愛騒動を繰り広げる。メインの登場人物は男女五人。
エリート銀行マンの剛(吉田栄作)と新恋人の雪子(仙道敦子)、一年前まで剛の恋人だった
くるみ(松下由樹)、男に誘われたら、つい寝てしまう恋多き美咲(清水美砂)、
そして銀行のイケメン課長、村上(宅麻伸)だ。
バブル華やかなりし当時は、若者たちがイヴの過ごし方に血道をあげるご時世だった。
しゃれたレストランでディナーを摂り、高級ワインを空け、ブランド物のプレゼントを用意し、
それだけやってはじめて、お目当ての女性と一夜を共にできる。
ということで、男の子たちは資金稼ぎに奔走し、女の子たちはそうやって誘ってくれる相手を
確保するのに全力を尽くすのであった。
こうした半年前からホテルを予約したりする風潮を題材に、世相を反映する形で制作されたのが
本作で、ドラマの最後に「イヴまであと〇日」というテロップを出してあおる演出もそのためだ。
また当時のファッションや女性のものの考え方などの情報も満載しており、様々な切り口から
バブル期の若者たちの姿を知ることのできる作品となっている。
(制作)TBS(脚本)内館牧子
(主題歌)辛島美登里「サイレント・イヴ」(作詞作曲:辛島美登里)
(配役)河合雪子(仙道敦子)望月美咲(清水美砂)前川くるみ(松下由樹)藤井 剛(吉田栄作)村上達也(宅麻伸)
河合香代子(吉行和子)河合工(村井国夫)前川杉作(ヒロミ)村上英子(羽田美智子)
