嫁だいこん 1976年(昭和51年) ドラマ傑作選


さつま漬の老舗「十文字屋」の主人・与兵衛が急死し、長男・信吉(竹脇無我)にあとを継がせる
という遺言状が公開された。
信吉は与兵衛の長男として籍に入ってはいるが、実は養子で、実の兄だと信じ込んでいた次女の
のり子(土田早苗)、三女のよし子(竹下景子)はこれを知って衝撃を受ける。
桜島の火山研究所に勤め、研究に打ち込んできた信吉にとって、この遺言は意外だったが、
長女・みち子(池上季実子)の婿養子である隆夫(北村和夫)にとってもショックだった。
その後、信吉は東京にいる恋人を、父の墓参りに招いたのだが、東京からやって来たのは、
会ったこともない若い女・竹中由紀(和泉雅子)だった。
信吉を訪ねてきた由紀を、十文字屋の人々は、信吉の恋人だと勘違いする。
彼女は実は、信吉の恋人の友人で、職業はスチュワーデスだった。
信吉は由紀から、恋人がファッションデザイナーの勉強にパリへ向かったことを知らされ、
別れの手紙を渡された。
(信吉と由紀はその後、お互いに妙に気が合って結婚することになる)
一方、信吉に店を継がれたら立つ瀬がなくなる婿養子の隆夫は、さつま焼きの窯元である
島本数馬(桑山正一)に嫁いでいる、亡き与兵衛の妹・まき(塩沢とき)を味方につけ、
巻き返しをはかろうとするのだった。
本作は、30キロからなるバカでかい鹿児島の桜島大根が主役。
この大根を原料にした名産「さつま漬」の老舗の再建のために、竹脇無我・和泉雅子夫妻が
奮闘するというストーリー。
というわけで、撮影スタジオには、この大きな桜島大根がゴロゴロ。
和泉雅子や竹下景子など女性陣は「おかげで私たちの足もスマートに見えるでしょ」と安心しているが
「大根役者と言われないようにしっかりやれよ」と、変なゲキレイも飛んでいたとか。
(制作)フジテレビ、東宝(脚本)窪田篤人、布勢博一
(主題歌)ハミング・バード「ふるさとは南」 (作詞:岩谷時子、作曲:渡辺岳夫)
(配役)十文字信吉(竹脇無我)竹中由紀(和泉雅子)十文字しず(村田知栄子)十文字隆夫(北村和夫)十文字みち子(池上季実子)
十文字のり子(土田早苗)十文字よし子(竹下景子)青戸順造(名古屋章)島本数馬(桑山正一)島本まき(塩沢とき)
