嫁の座 1982年(昭和57年) ドラマ傑作選
舞台は東京・浅草の老舗割烹「鬼の家(おにのや)」
主人公の朱美(京塚昌子)は、49歳の嫁さん。
つまり、舅(小沢栄太郎)、姑(鈴木光枝)に仕える身。
板前の亭主・龍太郎(財津一郎)は、昔気質の頑固者。
気に入らない客とすぐにケンカをおっぱじめる。
そんな亭主をおだてたり、すかしたりして、朱美は店を切り回す。
長男の樹一(篠田三郎)は、大学卒業後、店を継ぐ気になったらしく、板前修業を始めた。
長女の栄(宮崎美子)は、短大を卒業したばかりの典型的な現代っ子。
それに腕のいい板前だが、まだ独身で鬼の家に居候という朱美の弟・友己(大村崑)がいる。
女将の朱美は、気さくな性格で客あしらいが上手い。夫の龍太郎は、腕前は一流だが、気が短いのが玉にキズ。
本日も早速、酒ばかり飲み、料理に手をつけない客と言い争いを始めた。
こんな時には、隠居している父の周平が店に出て、とりなしをするのが毎度の事であった。
京塚昌子主演、下町を舞台にした平岩弓枝の人情劇。庶民の哀歓を浮き彫りにする独特の「平岩調」で、
昨年放映された「女の座」に引き続いて、主婦層を中心に高く支持された作品。
とにかく大家族のうえ、毎回変わる客の顔ぶれを含めると、誰が誰なんだ?ということになるが、
視聴者もいつのまにか、家族に入り込んだような気になってしまうのが平岩ドラマの特色。
もっと気楽にかまえて、バラエティ豊かな登場人物の個性を楽しんでみたらどうであろうか。
(制作)フジテレビ(脚本)平岩弓枝
(主題歌)小柳ルミ子「通りゃんせ通りゃんせ」(作詞:岡田冨美子、作曲:小杉保夫)
(配役)鬼島朱美(京塚昌子)鬼島龍太郎(財津一郎)樹一(篠田三郎)栄(宮崎美子)周平(小沢栄太郎)
たまき(鈴木光枝)虎之助(松山政路)友己(大村崑)麻美(新珠三千代)有賀(高橋昌也)
桃子(大空真弓)佐介(広岡瞬)田中智(松原千明)克子(中村珠緒)