(8)FTTHのトラブルシューティング

(Q1)FTTHって、何のこと?

(A1)FTTH (Fiber To The Home) とは、光ファイバー(Optical Fiber)を使ったデータ通信方式です。
デジタル信号の0と1を光の点滅に変換して光ファイバーに送り出すので、電気的なノイズやケーブルの長さによる、信号の減退がありません。

ADSLでは、電話回線を使い、電気信号で情報を運びます。そのため、電話局から離れるにしたがって、通信速度が低下してしまいます。

これに対し、FTTHでは、ガラスでできた光ファイバーを使い、光信号で情報を運びます。
このため、伝送距離などの影響はなく、安定した速度を確保できるのが特長です。

FTTHの場合に必要な装置が「ONU」(Optical Network Unit)と呼ばれる光回線終端装置です。
光ファイバーからやってきた光信号と、LAN側からやってくる電気信号とを相互変換させます。

役割自体はモデムと同様です。通常、回線契約時にレンタルします。




ユーザーからインターネットへの接続は、NTT収容局の光回線終端装置(OLT)、収容ルータ、中継ルータを経由して、
プロバイダへ接続され、さらにインターネットへ接続することになります。

(注1)ONU:Optical Network Unit (光回線終端装置)
光ファイバーを用いた通信方式において、ユーザー側に設置される信号変換装置。
具体的には、光ファイバーで通信を行うために、LAN側で用いられる電気信号と光信号とを相互に変換する役割を持つ。

(注2)OLT:Optical Line Terminal(光回線終端装置)
光ファイバーを用いた通信方式において、通信業者の局側に設置される信号変換装置。

(注3)収容ルータ(Containing Router)
アクセスされた通信データを収容して、ユーザー認証を行います。
不正なアクセスはここでブロックされます。

(注4)中継ルータ(Transit Operation Router)
認証された通信データは、中継ルータを経由してプロバイダへ中継され、そこからインターネットに接続されます。


(Q2)光ファイバーとは?

(A2)光ファイバー(Optical Fiber)は、ガラスやプラスチックを素材としたケーブルのこと。

このケーブルを巡らせたものが光回線(Optical Line)。
そしてこの回線を使った通信方式が FTTH(Fiber To The Home)です。

レーザー光を透過させるため、通信の拠点となる場所から自宅までの距離で減退を受けないので、
高速で安定した大量のデータのやりとりができます。



(Q3)FTTH と ADSL はどう違うのですか?

(A3)FTTHとADSLを比べたとき、顕著な違いとして挙げられるのが速度です。
ADSLの最大速度は下り12Mbps、上り1Mbpsで、光回線は下り上りとも最大速度1Gbps(1000Mbps)とされています。



また、通信の安定性でも違いがあります。
ADSLは収容局からの距離により通信速度が影響を受けやすい回線です。

外部からノイズの影響を受けやすく、収容局からの距離が2.5kmを超えると極端に通信速度が落ちるとも言われ、
時折途切れるなどの障害も発生しやすくなります。

一方、FTTHは光信号を利用した通信方式のため、ノイズの影響をほとんど受けず、安定性の高い通信状態が持続します。
加えて収容局からの距離に速度はあまり影響されません。



(Q4)ADSLのように電話回線と同じ回線で利用できますか ?

(A4)FTTHは光回線を利用した通信方式です。

そのため電話回線を利用したADSLとは異なり、電話は利用できません。
従来の電話回線で固定電話を利用するか、電話機(光電話)が接続できる対応ルータをNTTからレンタルしてください。



(Q5)開通の際は、どんな工事をするの? 

(A5)(戸建ての場合)電話回線の配管やエアコンのダクトといった引込口を使い、
最寄りの電柱の電線から家の壁面まで光ファイバーのケーブルを通します。
引込口がなければ、壁に直径約1cmの穴を開けることになります。

(マンションの場合)光ファイバーに対応している物件であれば、すでに共有部分まで
光ファイバーケーブルが通っているため、共有部分の配線工事だけで済みます。



(Q6)あらかじめ用意しなければいけない機器はありますか?

(A6)ONU(光回線終端装置)とLANケーブル、プロバイダから発行されたID、パスワード、
それからNTTのレンタルルータ、または市販のルータが必要となります。

ONUは開通工事が行われるときに業者が設置してくれます。
LANケーブルはパソコンやルータをONUにつなぐときに利用します。

LANケーブルは、1Gbpsの速度に対応するケーブルを用意してください。
対応しないLANケーブルだと、期待通りの速度が出ないことがあります。

IDとパスワードはプロバイダを契約したときに送付される会員証や契約内容書類に記載されています。

パソコン1台だけを接続する場合、ONUに接続するだけですから、ルータは必要はありません。
複数のパソコンで有線接続を利用したい人は、NTTからルータをレンタルするか、市販のルータを購入してください。



(Q7)Wi-Fi(無線通信)を使いたいときはどうすればいいの?

(A7)NTTから無線LANカードをレンタルし、ルータのカードスロットに、
無線LANカードを挿し込むことでWi-Fiが利用できるようになります。

そのほかには、市販のWi-Fi機能が内蔵されたルータを購入するいう方法もあります。



(Q8)マンションで、VDSL方式のフレッツ光を導入したのですが、接続速度が平均して遅いようです。

(A8)光回線契約のマンションタイプでは「VDSL方式」を用いることが多々あります。

VDSL(Very high bitrate Digital Subscriber Line)とは、光回線の一部を電話回線に置き換えて
各戸に伝送する通信方式です。

電話回線を利用するVDSLは、ADSLと同じく変換器が必要で、それが「VDSLモデム」と呼ばれる機器になります。
VDSLモデムは、電話回線の電気信号とパソコンのデジタル信号を相互に変換するための機器です。



マンションの場合、電柱から建物内部に引き込まれた「光回線」は、共有部分に設置された「MDF」に繋げられます。
MDF(Main Distribution Frame 主配電盤)は、電話回線を集中管理する設備です。

光回線の中を流れてきた光信号は、このMDF内に収容された「光回線終端装置 ONU」によって電気信号に変換され、
電話回線を経由して屋内の各部屋に伝送されます。

室内のケーブル差込口はモジュラージャック(電話ケーブル差込口)です。

モジュラージャックからVDSLモデムまでは電話線で接続して、VDSLからパソコンなどの
通信機器にはLANケーブルで接続することになります。

FTTHの最大速度は1Gbps(1000Mbps)です。
しかし、建物内部の配線が「VDSL方式」の場合、建物内部の最大速度が100Mbpsになってしまいます。
従って、FTTHのスペック通りの通信速度が出ないというデメリットがあります。

更にこの電話回線をマンションに住むユーザーが共有するため、100Mbpsを分け合う形となるのでもっと遅くなります。

築年数の古いマンションでは、電話線やテレビアンテナは各戸に引かれていますが、
光ファイバーの回線が引かれているマンションは少ないのが現状です。





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