【接続形態によるネットワーク分類】

LANにより構築された企業内ネットワークを 「イントラネット」 (intranet) といいます。
内部 (intra) のネットワークと言う語源から、イントラネットと呼ばれるようになりました。

具体的には、インターネットで広く使われているブラウザ 「Internet Explorer」 や、電子メール など、
パソコンに初めから付属されているソフトウェアを使って業務を行うことができるコンピュータネットワークのことをいいます。

イントラネットは、企業組織内の情報を共有化し、生産性の向上を図るなど、比較的低コストで最先端のネットワークが構築できます。



LANの論理的な接続形態をLANのトポロジー(位相)といいます。
その代表的なものに、バス型、スター型、リング型があります。




バス型ネットワーク構造
 
1本の銅線ケーブルでパソコンを接続します。
コストは非常に安くネットワークを構築できるのですが、LANの中のパソコンが何らかの原因で故障を起こしたら、
すべてのネットワーク機能が停止してしまうという欠点があります。
さらに、バス型の配線ではオフィスのレイアウト変更のたびに配線をし直さなければなりません。


スター型ネットワーク構造

中央にハブを置いて、すべてのパソコンを接続するLAN配線です。
ハブにケーブルを必要なときに接続して、必要が無くなればケーブルを抜くことができ、またハブとハブをつなげて、
さらに台数を増やすということも可能になります。
ハブが経費のかかる装置の一つなので、コストはかかりますが、パソコンの配置の変更が柔軟に行え、
故障箇所の特定もしやすいことから、広く普及しています。


リング型ネットワーク構造

パソコンを順次につないでいくLAN配線であり、配線が数珠つなぎの円形となります。
バス型ネットワークの、ケーブルの始点と終点の両端を結んだもので、信号の流れを一方向に定めて巡回させる形をとります。
リング型は高速であり、ケーブルの総延長を増設することが比較的容易であることから、
階をまたがるような大規模LANの幹線に用いられていましたが、現在では光ファイバーなどバス型の高速化によりあまり使われなくなりました。



(4)LANのネットワーク構成

ネットワークの結線の型を物理トポロジ(topology)といいます。
LANにおける物理トポロジには3つの型が存在します。

バス型ネットワーク
バス型ネットワークのバスとは情報の伝送路を指します。
バス型ネットワークとはコンピュータが1本の伝送路につながれるネットワーク形態をいいます。
バス型では基本となる1本のケーブルを敷設し、そのケーブルにコンピュータや周辺機器などをぶら下げるように接続していくため、
つながれるノード数が多い場合でもケーブルが絡み合う心配がなく、シンプルに構築することが可能です。

ただし、基本となるケーブルの終端にはターミネータという機器を接続し、ネットワーク自体にその終了部分(末端)を通知する必要があります。
バス型ネットワークには、10BASE2や10BASE5という規格の同軸ケーブルを使用します。
少ないケーブルでLANが構築でき、ハブを活用することなくコンピュータや周辺機器を接続することができるため、低コストでのネットワーク構築が可能となります。

反面、ネットワークは基本的に一列にチェーンされるため、ネットワークを構築するオフィスが入り組んでいる場合などにはあまり適したものではありません。
バス型によるネットワークは、ノイズに強い同軸ケーブルの使用により高い信頼性を実現します。
しかし、ネットワーク上に接続されたコンピュータの1台が障害を発生させるだけでネットワーク全体に影響が及ぶ可能性があるうえ、
オフィスのレイアウトを変更するなどの場合には、配線をすべてやり直す必要があるなど、構築したネットワークの変更には
少々手間がかかるという欠点を持ちます。


スター型ネットワーク
スター型ネットワークとは、ハブを中心として、ネットワークに接続するそれぞれのコンピュータが放射状に接続されるもので、
そのさまが星型となることからこの名前がつけられています。
スター型のネットワークには、通常10BASE-Tというケーブルが用いられますが、これは一般家庭などで電話線として使用されるモジュラーケーブルに似ています。
ケーブルやハブなどの価格が低下したことから、小規模のネットワークにも取り入れられることが増え、現在ではごく一般的なネットワーク形態となってきました。

10BASE-Tは10BASE2や10BASE5などの同軸ケーブルに比べてノイズに弱いという欠点を持ちますが、構築するネットワークに柔軟度があり、
オフィスの並びが入り組んでいたりといった状態でも難なく対応できます。
また、オフィスのレイアウトを変更する際にもハブからモジュラージャックを外してコンピュータごと移動し、再びハブに差し込むといった簡単な作業で完了します。
ただし、ハブを介してネットワークが構築されるため線の本数は非常に多くなり、うまく配線をしないと複雑に絡み合ってしまうことにもなります。
スター型ネットワークは、1台のクライアントが誤動作をしたとしてもサーバやハブに異常が生じない限り、ネットワーク自体には影響を及ぼさない
といった利点があります。
安価で構築可能であり、しかも柔軟度が高いネットワークであるといえます。


リング型ネットワーク
リング型ネットワークとは、輪としての基本的な伝送路に複数のコンピュータを接続することで構成されるネットワークをいいます。
このネットワークは基本がリング状であるため、一般の企業内LANとして活用されるよりも、むしろバックボーン(backbone:複数のネットワーク
をつなげた大規模なネットワークにおける基幹的な役割をするネットワーク)として活用されるのが一般的です。

リング形式のLANの1つであるトークンリングには、伝送速度が4M ビット/秒、もしくは16M ビット/秒のものが存在します。
信頼性や転送効率に優れるものの、構築にかかるコストも高くなります。
また、FDDIはメディアに光ファイバを使用するリング形式のLANであり、100M ビット/秒の高速な情報通信が可能となっています。



異なるネットワーク構成の接続

<スター型ネットワーク>       <リング型ネットワーク(トークンリング)>

         <バス型ネットワーク>

バス型ネットワーク、スター型ネットワーク、リング型ネットワークの各ネットワーク構成は、それぞれ利点や欠点を持ちながらも、
多くのコンピュータや周辺機器を接続して独自のLANとして活用されているはずです。
これらいろいろな構成で構築されたLANは、それぞれをLAN間接続することが可能です。

LAN間接続の例としては、極端なケースですが、同じビルの別々のフロアに構築された複数のスター型ネットワークやバス型ネットワーク、
リング型ネットワークであるトークンリング ※1 をすべて接続してしまうこともできるのです。
ただし、それぞれのネットワーク構成によってメディアや情報の転送速度、プロトコルなどが異なるため、ブリッジやマルチメディアルータなどを介す必要があります。

※1 トークンリング (リング型LAN接続で送受信される「トークン」と呼ばれるパケット。ネットワーク上を循環するため、安定した送受信が確保される)








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