【イーサネット】 (Ethernet 伝送規格)

イーサネットとは、LAN で接続された多数のコンピュータが、 効率よく通信回線を利用できるように考えられた伝送規格です。

コンピュータでやり取りされるデータは 「0」 と 「1」 の集まりですが、このデータが一定以上の大きさの場合には、決まった大きさの固まりに
分けなければなりません。
この固まりを、「イーサネット・フレーム」 といいいます。

イーサネット・フレームごとにあて先の機器情報 (MACアドレス) と送信元の機器情報 (MACアドレス) が付けられ、正しく配信されたかチェックされます。

データを分ける理由は大きく二つあり、一つは特定の通信で伝送経路が占有されるのを防ぐため。
もう一つは、データの大きさが決まっていると、それぞれの機器での処理がし易くなるためです。

また、データの最小単位である 「IPパケット」 には、パケットを送信するあて先 (IPアドレス) と、送信元の情報 (IPアドレス) が含まれています。
すなわち、データのあて先と送信元は、IPパケットはIPアドレス、イーサネット・フレームには MACアドレスの情報がそれぞれ含まれることになります。

ここで、「IPパケット」 を小包に、イーサネット・フレームを小包を入れるトラックの荷箱に、イーサネットをトラックに見立てて、
データを送る仕組みを整理してみましょう。





① 小包 (IPパケット) を、荷箱 (イーサネット・フレーム) に収まる長さに分割してネットワーク上に送り出します。

② まず、パソコンA からパソコンB にデータを送る場合を見てみましょう。パソコンA とパソコンB は 「ハブ」 を介して同じ LAN上にあります。

パソコンB は、受け取った荷箱 (イーサネット・フレーム) のあて先 (MACアドレス) を見て自分あてとわかると、
荷箱から小包 (IPパケット) を取り出して 「TCP/IP」 に渡します。
「TCP/IP」 は、小包 (IPパケット) のあて先を見て、自分あてと判断すると、小包 (IPパケット) からデータを取り出して元の通り組み立てます。

③ 次に、ルータが荷箱 (イーサネット・フレーム) を受け取ると、あて先 (LAN側 MACアドレス) を見て自分あてと確認。
さらに、小包 (IPパケット) の あて先を確認して、パソコンE あてとわかると、パソコンE 向けに荷箱 (イーサネット・フレーム) を作り直して送り出します。
このとき、送信元はルータの WAN側 MACアドレス 「D」 に、あて先はパソコンE の MACアドレス 「E」 に変わります。
 
④ パソコンE が荷箱 (イーサネット・フレーム) を受けとると、あて先 (MACアドレス) を確認。
自分あてとわかると、荷箱から小包 (IPパケット) を取り出して 「TCP/IP」 に渡します。

このように、荷箱 (イーサネット・フレーム) は、ルータで次の行き先向けに作り直されます。
これは小包を遠方の届け先に届けるときに似ています。
その場合、小包は長距離トラックや行き先地域別のトラックを乗り継いで相手先に届けられるというわけです。

なお、ルータで作り替えるのはイーサネット・フレームだけで、IPパケットのあて先と送信元は最終的なあて先のコンピュータに届くまで変わりません。


(用語の解説)
MAC アドレス  (Media Access Control Address)
MAC アドレスは、ネットワーク機器を識別するために利用されるハードウェアのアドレスで、「XX-XX-XX-YY-YY-YY」  という 16 進数表記で表されます。
このアドレスは、各ハードウェアにある ROM に焼きこまれていて、同じ MAC アドレスのハードウェアは世界で一つしかありません。

各コンピュータが、それぞれ IPアドレス によって区別されていれば、MACアドレスなどというものは必要ないように思えます。

では、MACアドレスは何のためにあるのでしょうか?
それは、ネットワークとネットワークの間にルータがあることから来ています。

たとえば、上の図で、パソコンA から送信されたデータはルータに送られます。
しかし、送られてきたデータは自分の IPアドレスと異なるため、ルータは自分あてのデータかどうか理解が出来ません。

そこで、送られてきたデータが、自分あてかどうかを MAC アドレスを見て判断するのです。
そして、ルータは転送の際、ルーティングテーブルに従い、転送すべき相手の MAC アドレスに書き換えるのです。

自分が使用しているパソコンの MAC アドレスを確認する方法は、「スタート」 → 「プログラム」 → 「アクセサリ」 → 「コマンドプロンプト」 を開き、
「ipconfig  /all 」 と入力して 「Enter」 キーを押すと、「Physical Address」 の横に表示されます。
「ipconfig  /all」 は小文字でも大文字でも構いません。 /all の前に半角スペースを入れます。


  パケット (packet)

パケットとは、データを分割した小さなまとまりの単位で、通信に必要な情報を付したものです。

もともと 「小包」 という意味であることから、この名前で呼ばれています。

データを分割することにより、通信の途中でエラーが起きても、エラーが起きたところのパケットから
通信を再開することができます。

図のようにデータはパケットに分割されてからヘッダと呼ばれるものを付加されていきます。

TCPヘッダにはあて先・送信元ポート番号、シーケンス番号 (通し番号) などが書き込まれています。

IPヘッダにはあて先・送信元 IPアドレスなどが書き込まれています。

イーサネットヘッダにはあて先・送信元 MACアドレス、それとエラーチェックのためのイーサネットトレーラが末尾に書き込まれます。

各階層では上位プロトコルから受け取ったパケットはデータとして扱い加工したりしません。
パケットをそのままデータとしてそれにヘッダやトレーラを付加していくだけです。

インターネット上では ルータがパケットの流れをコントロールします。

ルータは、パケットのあて先アドレスから最適な経路を選択する (ルーティング) 機能を持ち、受け取ったパケットを選び出した次のルータへ送ります。

このようにして、バケツリレーのようにルータを通過して、あて先の機器までたどり着きます。


     




伝送規格

イーサネット (Ethernet) は、「宇宙を満たして光を伝える」 という仮想物質エーテル 「ether」 から名づけられたといいます。

イーサネットは、ゼロックス社 (Xerox アメリカ) が 1970年代に開発、1980年にインテル社(Intel) とディジタル・イクイップメント社(DEC)
が参加して共同開発した仕様を公開し、標準の規格となる基礎をつくりました。

最大 1024台までのコンピュータを接続できる規格で、当初のデータ伝送速度は  10Mbps (メガビット毎秒  mega bits per second ) でした。

やがて、これを正式な国際標準規格として定める動きが始まり、アメリカ電気電子技術者協会「IEEE」が、
「IEEE802規格」として採用、その後、LANの標準的な接続規格となりました。

また接続ケーブルも「IEEE」の 「10BASE規格」として標準化され、直径 1cm の太い同軸ケーブルを使う「10BASE5」、
直径5mm の細い同軸ケーブルの「10BASE2」などがあります。
近年は配線の容易な 10BASE-Tが多く使われています。

その後、100Mbpsで利用できる「100BASE-T」も登場、光ファイバなど、より速い回線網が必要とするさらに高速の規格もできてくるようになりました。
現在定められている標準規格で、代表的なものは下記のようなものです。


符号化方式  (アナログ情報 (文字、音声、画像など) をデジタル情報 (「0」もしくは「1」のビット列) に置き換えて通信する方式)
マンチェスター (manchester)(10BASE5、10BASE2、10BASE-Tで使われる信号の符号化方式。
         ビット「0」 の時は、電圧を 「高→低」、「1」 の時は 「低→高」に変換して通信する)



ここで規格名称として使われている記号の見方は下記のようになっています。





通信方式  CSMA/CD  (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)

イーサネットでは、各端末が自由に信号を発することができます。
しかし、複数の端末から同時に信号が送出され、ネットワーク上で信号の衝突 (コリジョン) が発生すると、情報は失われてしまいます。

このため、イーサネットでは 「CSMA/CD」 と呼ばれる技術を用いてコリジョンによるデータ喪失を回避しています。

これは、信号 (Carrier) を検知 (Sense) して見つからなければ送信を開始し、尚かつ送信中にデータの衝突が無いかを監視する
(Collision Detection) という仕組みです。

これにより、多数のコンピュータが通信回線を共有して自由に通信  (Multiple Access)  することができるというわけです。




(5)LAN接続のプロトコル

LANプトロコルはOSI参照モデルの第1層と第2層である物理層とデータリンク層によって実現しています。
データリンク層の論理リンク制御(LLC:Logical Link Control)はLANドライバ(ネットワークカードの制御プログラム)が、またデータリンク層の
媒体アクセス制御(Medical Access Control)はネットワークインターフェースカード(NIC)が担当しています。
LANプロトコルは第3層より上位層には影響を与えることがないため、構築されたLAN上でTCP/IPをはじめとする上位層の複数のプロトコルを
組み合わせて活用することが可能です。

現在最も普及しているLANシステムとしてイーサネット(Ethernet)が挙げられます。
企業などのLAN導入の動きは年々活発化してきていますが、これらのLANの多くがイーサネットによって接続されています。
イーサネットは、1970年代の初頭にⅩerox社によって発明されたローカルエリア内のパケット交換ネットワーク技術につけられた名前です。
その後Intel社、DEC社を含めて標準化されるとともに、米国電気電子技術者協会(lEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)
が規格を制定した通信プロトコルです。

同軸ケーブルによるバス型配線を基本とするケーブルリンクシステムや、ツイストペアケーブルを使用したスター型配線などを用いて物理的な構成がなされます。
同軸ケーブルの種類により10BASE5と10BASE2、ツイストペアケーブルでは10BASE-Tという規格があります。
また、最近ではLAN高速化に対応するために、100BASE-TXという規格も登場しています。(100BASEの100とは転送速度を表現していて、
100M ビット/秒の転送速度を意味します)

イーサネットはCSMA/CD方式と呼ばれる媒体アクセス制御方式を採用しており、これにより複数ユーザによる多重アクセスを可能としています。
イーサネットの場合、上位層から渡されたパケットにデータリンク層でイーサネットヘッダが付加され、他のノードから届いたパケットは
イーサネットへッダのMACアドレス(Media Access Control Address)を見て処理されます。
イーサネットヘッダは宛先MACアドレスと送信元MACアドレス、パケット長やそのタイブなどから構成されています。
各ノードは、届いたパケットのイーサネットヘッダの宛先MACアドレスを確認し、自分宛であった場合これを取り込みます。
そして送信元MACアドレスを確認することで、どのノード(途中に中継ノードが介在すればその最終中継ノードとなります)
から送信されたものかを知ることができます。

イーサネットでは、パケットをケーブルに向けて送信する方式としてCSMA/CD方式を採用しています。
CSMA/CD方式とは、Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection の略称で、パケットを送信するコンピュータが
あらかじめネットワークの使用状態をチェックし、送信可能であればパケットを送り出すというものです。

チェックの際に他のコンピュータがデータを転送中であることを確認すると、しばらく待ったうえで再度状態をチェックすることになります。
イーサネットで転送されるデータはパケットとして分割されるため、長い間待つということはありませんが、それでもネットワークに存在する
多くのコンピュータが一度に通信を行う場合、データ転送や応答などがコリジョンによって遅くなることがあります。
データ同士がぶつかることをコリジョン(衝突)といいます。


トークンリング(Token ring)
トークンリングは、IBM社によって開発され、IEEE802.5委員会で規格化された通信プロトコルです。
イーサネットがCSMA/CD方式を採用しているのに対して、トークンリングではトークンパッシング方式を採用しています。

トークンリング

   A機

                                                                                                  B機

トークンリングは、信頼性や転送効率においてイーサネットよりも高いといわれる通信プロトコルです。
ここではコンピュータをリング状に接続し、パケットを入れる容器であるトークン(token)という特殊フレームをネットワーク上に巡回させる
という通信方式をとっています。
環状線の鉄道にたとえると、線路が経路であり、各駅が接続されるコンピュータ、電車がトークンフレーム、乗客や荷物がパケット自身にあたります。

荷物を送りたい者は、駅に到着した電車に荷物が乗っていなければ輸送する荷物を積み込み、それに宛先をつけます。(巡回している
フリートークンを取得し、これにパケットを付加しビジートークンとして送信)
電車は各駅を経由しますが、この際宛先駅以外はこれを無視します。
目的の駅ではこの荷物を降ろし、降ろしたことがわかる印を電車につけておきます(受信フラグをONにする)
環状鉄道の電車はいずれ送り先の駅に戻りますが、この際荷物が受け取られたことの印を確認したならば印を消します。
これで電車は再び空の状態で環状線を回ることになります(再びフリートークンを送信)

なお、電車が荷物を積んでいたり、印がついているなどの状態の際には、他の駅ではこの電車に荷物を積むことはできません。
実際の例では、Bにパケットを送信する必要があるAがトークンリング上を巡回するトークンを捕まえ、B宛パケットを付加して送信します。
これはネットワーク上のコンピュータを経由してBに届きます。
Bでは回ってきたパケット付トークンが自分宛のパケットであったため、この内容をコピーし、受け取り完了符号をパケットに付加して送信します。

このパケットは再び巡回経路にのり、Aに届きます。
AはこのパケットがBに届いていることを確認後、パケット部分を削除し、トークンだけを巡回経路に開放するのです。
なお、トークンリングによるデータの転送速度は4M ビット/秒と16M ビット/秒があり、ツイストペアケーブルで接続されるリングには
最大260台までのコンピュータを接続することが可能です。


FDDI(Fiber Distributed Data Interface)

FDDIは、トークンリングの拡張版で、通信媒体として光ファイバを使用し、媒体アクセス制御としてタイムドトークン方式を採用しています。
FDDIによる通信速度はイーサネットの10倍にあたる100M ビット/秒を実現するうえ、伝送距離は200kmまでサポートします。
これらの要因からイーサネットやトークンリングなどの複数のLANを結ぶ構内バックボーンLANとして多くの需要に応えていますが、
近年急速なコンピュータの進化により、FDDIに直接コンピュータを接続し高速LANを実現しようとするニーズも高まっています。
このために、光ファイバなどコストの高いものではなく、ツイストペアケーブルで実現してしまおうというCDDI (Copper Distributed Data Interface)
なども開発されています。

LAN上の通信プロトコル

Ethernet、FDDI、トークンリングなどは、それぞれ通信媒体は異なるものの基本的に通信媒体に情報を送り出す役目を果たすプロトコルであり、
OSI参照モデルのデータリンク層の一部(媒体アクセス制御)と物理層をカバーするものです。
そしてこれらの通信プロトコルを基盤としてその上位層であるトランスポート層とネットワーク層において、各メーカが提起したそれぞれの
プロトコルやTCP/IPなどが実際にファイルなど情報のやり取りの制御を行うことになります。
たとえば、米アップルコンピュータ社ではAppleTalk、米Novel社のNetWareではIPX/SPX、米マイクロソフト社ではNetBEUIなど、
異なるメーカから独自のLANの通信プロトコルが提供されています。
これらにおいては、それぞれLANにおける通信を効率的に行うことができるような工夫がなされ、便利に活用することが可能です。

LAN上の通信プロトコルは、ネットワークOSと密接な関係があります。
たとえば、ネットワークOSにWindows NT Serverを使い、クライアントのすべてもWindowsNT Workstationや Windows95で統一するのであれば、
NetBEUIやIPX/SPXをLANの通信プロトコルとして使用することが可能です。
しかし、これらの通信プロトコルをサポートしていないOSで稼動するコンピュータとは、ネットワーク上で通信を行うことができません。
ただし、現在では広域ネットワークのみならず、LAN上のプロトコルとしても一般的となったTCP/IPを通信プロトコルとして選択するなら、
MacintoshやUNIXなどのOSを搭載するクライアント機との通信も可能となります。



【練習問題】

【1】 スター型ネットワークを構築するために必要な機器は何か。
【2】 LANとWANの違いを説明しなさい。

【3】 TCP/IP環境で通信を行うために相手先を指定する32ビットのアドレスのことを何というか。
【4】 TCP/IPを利用したアプリケーション層の機能のうち、ホスト名をIPアドレスに変換する機能を何というか。
   
【5】 データ通信をおこなう際に、データの送受信側双方でルールを決めるが、このルールを一般に何というか。
【6】 サーバはネットワークにおいて様々なサービスの提供と共有資源の管理をおこなうコンピュータであるが、
これらサービスを要求するコンピュータを何というか?

【7】 インターネットに接続されたコンピュータ間でファイルを転送するためのプロトコルのことを何というか。
【8】 インターネット技術を組織内部に限って利用したものを何というか。

【9】 ルータの機能に関する記述として、適切なものはどれか。

(ア)LAN 同士や LAN と WAN を接続して、ネットワーク層での中継処理を行う。
(イ)データ伝送媒体上の信号を物理層で増幅して中継する。
(ウ)データリンク層でネットワーク同士を接続する。
(エ)2つ以上の LAN を接続し、LAN 上の MAC アドレスを参照して,データフレームをほかのセグメントに流すかどうかの判断を行う。

【10】 ルータがパケットの経路決定に用いる情報として、最も適切なものはどれか。

(ア)あて先 IP アドレス
(イ)あて先 MAC アドレス
(ウ)発信元 IP アドレス
(エ)発信元 MAC アドレス

【11】 LANの伝送媒体の規格はどれか。

(ア)10BASE-T
(イ)FTP
(ウ)OSI
(エ)PPP

【12】 10BASE-Tに用いられるケーブルはどれか。

(ア)簡易同軸ケーブル
(イ)ツイストペアケーブル
(ウ)同軸ケーブル
(エ)光ファイバケーブル

【13】 LANを構築する際に、ルータを導入する利点として、適切なものはどれか。

(ア)接続された複数のLANのネットワークアドレスを同一にできる。
(イ)接続されている機器の台数の把握や稼働状況の管理ができる。
(ウ)中継する必要のないデータを識別し、通過を抑止することができる。
(エ)ほかの通信に影響を与えることなく、ノードの増設や移設ができる。

【14】 LANにおいて、伝送距離を延長するために、伝送路の途中でデータの信号波形を整形・増幅して、物理層での中継を行う装置はどれか。

(ア)ゲートウェイ
(イ)ブリッジ
(ウ)リピータ
(エ)ルータ

【15】 ピアツーピア型LANの記述として、正しいものはどれか。

(ア)アダプタとケーブルでパーソナルコンピュータを何台でもつなぐことができる。
(イ)機密保護対策がなされているので、機密データの伝送に向く。
(ウ)高速、大量データの伝送に向き、基幹システムとして使用される。
(エ)サーバ専用のコンピュータを設置する必要がない。
(オ)ネットワーク機能が不要である。

【16】 クライアントサーバシステムに関する次の記述のうち、正しいものを二つ選べ。

(ア)クライアントとサーバは、必ずしも同一種類のオペレーティングシステムを使用しなくともよい。
(イ)クライアントを複数にする場合は、それぞれ別のコンピュータが必要である。
(ウ)サーバはデータ処理要求を出し、クライアントはその要求の処理を実行する。
(エ)サーバプログラムは必要であればクライアントとなって、その処理の一部を更に別のサーバに要 求することもある。
(オ)サーバ用のコンピュータは1台に限られる。
 
【17】 CSMA/CD 方式の LAN で、フレームを送受信するときに、送信元とあて先の特定のためにデータリンク層で使用されるものはどれか。

(ア)IP アドレスのホスト番号
(イ)MAC アドレス
(ウ)サブネットマスク
(エ)ポート番号 

【18】 CSMA/CD 方式の LAN に接続されたノードの送信動作に関する記述として、適切なものはどれか。

(ア)各ノードに論理的な順位付けを行い、送信権を順次受け渡し、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
(イ)各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ、使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。
(ウ)各ノードを環状に接続して、送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
(エ)タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。

【19】 OSI 参照モデルにおけるネットワーク層の説明として、適切なものはどれか。

(ア)エンドシステム間のデータ伝送を実現するために、ルーティングや中継などを行う。
(イ)各層のうち、最も利用者に近い部分であり、ファイル転送や電子メールなどの機能が実現されている。
(ウ)物理的な通信媒体の特性の差を吸収し、上位の層に透過的な伝送路を提供する。
(エ)隣接ノード間の伝送制御手順(誤り検出、再送制御など)を提供する。

【20】 OSI 参照モデルの物理層を中継する装置、データリンク層までを中継する装置、ネットワーク層までを中継する装置の順に並べたものはどれか。

(ア)ブリッジ、リピータ、ルータ
(イ)ブリッジ、ルータ、リピータ
(ウ)リピータ、ブリッジ、ルータ
(エ)リピータ、ルータ、ブリッジ

【21】  イーサネットフレーム
1個のTCPパケットをイーサネットに送出したとき、イーサネットフレームに含まれる宛先情報の、送出順序はどれか。

(ア)宛先IPアドレス、宛先MACアドレス、宛先ポート番号
(イ)宛先IPアドレス、宛先ポート番号、宛先MACアドレス
(ウ)宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、宛先ポート番号
(エ)宛先MACアドレス、宛先ポート番号、宛先IPアドレス





【練習問題 解答】

【1】ハブ。
【2】LAN(Local Area Network)は地理的に狭い範囲のネットワーク。
   WAN (Wide Area Network) は地理的に離れた拠点を結ぶためのネットワーク。

【3】IPアドレス。
【4】DNS。(Domain Name System )
     TCP/IP環境ではコンピュータ同士はIPアドレスを用いて通信を行うが、DNSの仕組みを使用することによってビット列である
IPアドレスを人間が覚えやすいアルファベットの文字列に対応付けできる。
     これによりインターネット利用時に文字列でインターネット上の目的ホストを探し出すことが可能になる。

【5】プロトコル。
【6】クライアント。
【7】FTP。(File Transfer Protocol :ファイル転送プロトコル)
【8】イントラネット。

【9】(ア)LAN 同士や LAN と WAN を接続して、ネットワーク層での中継処理を行う。

【10】(ア)あて先 IP アドレス。
     ルータは、インターネット層に属する。IP は、TCP パケットをさらに小さな IP パケットに分割する。IP パケットのヘッダには、
「あて先 IP アドレス」が含まれている。

【11】(ア)10BASE-T
【12】(イ)ツイストペアケーブル
【13】(ウ)中継する必要のないデータを識別し、通過を抑止することができる。
【14】(ウ)リピータ
【15】(エ)サーバ専用のコンピュータを設置する必要がない。

【16】(ア)クライアントとサーバは、必ずしも同一種類のオペレーティングシステムを使用しなくともよい。
      (イ)クライアントを複数にする場合は、それぞれ別のコンピュータが必要である。
 
【17】(イ)MAC アドレス。
       CSMA/CD 方式の LAN では、フレームを送受信するときに、 MAC アドレスによって送信元とあて先の特定を行う。

【18】(イ)各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ、使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。
        CSMA/CD 方式方式は、ネットワーク上に転送中のデータがないことを確認(キャリア検知)した後、 データを転送する。
        もし、ネットワーク上でデータの衝突が起きた場合(コリジョンディテクション)は、データを再転送する。

【19】(ア)エンドシステム間のデータ伝送を実現するために、ルーティングや中継などを行う。
【20】(ウ)リピータ、ブリッジ、ルータ



  物理層を中継する装置はリピータ、データリンク層までを中継する装置は ブリッジ、ネットワーク層までを中継する装置はルータである。
  物理層は、物理的な通信媒体の特性の差を吸収し、上位の層に透過的な伝送路を提供する。
  データリンク層は、隣接ノード間の伝送制御手順(誤り検出、再送制御など)を提供する。
  ネットワーク層は、エンドシステム間のデータ伝送を実現するためにルーティングや中継などを行う。

【21】 (ウ) TCP/IPでは、OSI基本参照モデル各層ごとのヘッダをパケットに付加して次の階層に渡していく。
アプリケーション層で生成されたデータは、トランスポート層でポート番号を含む「TCPヘッダ」、ネットワーク層でIPアドレスを含む「IPヘッダ」、
データリンク層でMACアドレスを含む「Ethernetヘッダ」がそれぞれ付加される。
イーサネットフレームは、データリンク層で通信を行うためのEthernetヘッダを付加したデータなので、ヘッダの送出順序は
ヘッダの付加が新しいものから「宛先MACアドレス、宛先IPアドレス、宛先ポート番号」となる。














Home Page