Windows 95 Top Page
1995年 (平成7年) は、パソコンの歴史にとって重要な年です。
1995年11月22日深夜、秋葉原は、異様な熱気に包まれました。
23日午前0時から発売されるマイクロソフトの最新OS、「Windows 95」 を求める人たちが、各ショップにあふれていたのです。
発売開始の午前0時には、昼間でも見たことのないほど、人と車が集まりました。
秋葉原は、かつてないほどの興奮と熱気で埋まり、歩道から人がはみ出し、車を警察が規制するまでになりました。
一般の人はまだ、インターネットなどという言葉すら知らなかった時期。
「Windows 95」 さえあれば、なんでもできると思い込み、パソコンさえ持っていないのに、この長蛇の列に並んだ人がいたといいます。
この狂乱にも近い騒ぎによって、「Windows 95 を知らないと生きていけない」 式のテレビ報道が繰り返されました。
コマーシャルは、「Windows 95」 で埋まり、あらゆるニュース番組が 「Windows 95」 をとりあげました。
Windows 95 ブームは、ひとつの社会現象となったのです。
Windows 95 とは何か?
パソコンを使っていると、ハードウエアとソフトウエアという言葉、よく耳にしますよね。
略して 「ハード」 「ソフト」 と呼ばれます。
このハードとソフトは、「固い」 「やわらかい」 の違いではなく、形あるものと無いものの違いです。
ハードウエアとは、目に見える、形あるもののこと。
例えばパソコンのディスプレイやマウス、プリンターなどがこれにあたります。
人間に例えるなら 「身体」 にあたります。
一方、ソフトウエアとは、目には見えない、形の無いものです。
人間でいうところの 「心、意識、神経、知識」 などに例えられるかもしれません。
ソフトウエアは形の無いものですが、ソフトである写真や音楽などを持ち運ぶときに
CDやカセットに情報を移したりしますよね。
このソフトを持ち運ぶための入れ物のことを 「メディア」 と言います。
例えば音楽CDなどは、まさにソフトを入れたメディアです。
音楽というソフトが入ったCDを借りてきて、それをCDプレーヤーで再生しますよね。
このとき再生に使うプレーヤーはハードです。
パソコンというのは、それだけでは何の意味も持たない 「ただの箱」 です。
たとえば、音楽CDがなければ、CDプレイヤーが何も演奏できないと同じように、
パソコンは、その箱の中に詰め込む、ソフトウエアがあって、初めてパソコンとしての道具が成立することになります。
人間の身体があるだけでは生きているとは言えないように、ハードウエア自体は単なるモノ・箱といえます。
人間が心や意識やそれを伝達する神経によって身体を動かして生きるように、ソフトウエアが考え、
指令を出すことによってパソコンも動いています。
ソフト (が入ったメディア) だけではただの情報やプログラムでしかありません。
ソフトを活用するためにはハードがなくてはならない、切っても切れない関係なのです。
ソフトウエアにはさまざまな仕事をするものがあります。
ワープロソフト、表計算ソフト、メールソフトなど一般に私たちがパソコンでよく使うアプリケーションソフトがあります。
また、音楽や映像などが収録されたCDやVHSといった 「記憶メディア」 もソフトウエアと呼ばれています。
さて 「Windows 95」 は、マイクロソフト社が開発したパソコン用のソフトウエアです。
私たちがパソコンを使うとき、例えば文章を作成するならワープロソフト、住所録や家計簿を作成するなら
表計算ソフトといったように、用途に応じてアプリケーションを起動します。
パソコンは、アプリケーションソフトがあってはじめて仕事が出来るのですが、
パソコンの管理をして、これらのソフトを使えるようにしてくれるのが 「Windows 95」 です。
Windows 95は、パソコンと人とのコミュニケーションの橋渡しをしてくれる通訳のようなものです。
これが、OS (オペレーティングシステム) です。
たとえば仕事をするために外国へ行ったとき、通訳を呼びますよね。
この場合、通訳を通してはじめてその国で仕事ができるようになります。
ソフトウエアはユーザーに使いたい機能を提供してくれますが、機械語しかしゃべれません。
そこでOSは、これを日本語や英語などの人間語に変換したり、逆に人間語を機械語に変換してくれます。
OSがないとどんなアプリケーションソフトも動きません。
ちょうど通訳がいないと仕事ができない関係に似ています。
OS (Operation System) を直訳すると 「案内システム」 となります。
つまり、Windows 95 というオペレーティングシステムが、パソコンとアプリケーションソフトの仲立ちをして、
ユーザーにサービスを提供しているのです。
OSはまた、いろいろなソフトウエアの共通部分を集めたものということができます。
そのために基本ソフトウエアと呼ばれています。
共通部分を抜き出すメリットは、(1) 同時に複数のソフトが使える。
(2) 操作方法が共通になる。(3) 個々のソフトウエアの容量が小さくてすむ。(安くなる)などです。
このメリットのために、OSと呼ばれる種類のソフトウエアが出現したわけです。
パソコンの世界のOSは、マイクロソフト社の Windows が8割以上の圧倒的シェアを占めています。
そのマイクロソフト社が1995年に売り出したOSが、Windows 95です。
Windows 95 より以前の OSでは、パソコンに何かをさせようとしたら、ほとんど意味不明のコマンド (命令文)
や記号を覚えなければなりませんでした。
今やパソコンは、誰もが簡単に使えるようになりました。
マウスとよばれる簡単な入力装置から画面上の絵を指示するだけでよくなりました。
パソコンで音楽を聴きながら、ワープロで文章を書き、必要に応じてメールを送信するといったことが可能となりました。
そう、人にやさしくするために Windows 95 が出現したのではないでしょうか。
マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏は、「OSを制する者がパソコンを制する」 と述べています。
1995年に発売された Windows 95 はOSの世界標準となりマイクロソフト社の成功を不動のものにしました。
【Windows 95 システム要件】
・CPU:i486SX以上(Pentium)
・メモリ:12MB以上
・ハードディスク:75MB以上の空き容量
・ディスプレイ:640x480以上
・光学ドライブ:CD-ROMあるいはFDDドライブ
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