<カ行>
カイザークーヘン (独)Kaiserkuchen
ドイツの半生菓子。ミュルベタイク(ビスケット生地)を天板に敷き、上からマジパン、砂糖、全卵、小麦粉、レモンで作った種を塗り、ミュルベタイクを網目状にかけて焼き、上面にあんずジャムを塗って、フォンダンをかける。
カイザーロール (英)kaiser roll
上面が星型に5等分された形のロールパンで、ドイツが本場。本来、皮のパリッとした直焼きパンだが、アメリカでは天板にのせて焼く。成形に手間が掛かる為、カイザーロール専用の型を使うところもある。
貝尽し
和菓子の銘で、3月の菓子。桜貝、巻貝、帆立貝などいろいろな貝やサンゴを生砂糖、打ち者、有平糖で作る干菓子。色や形はさまざまな物がある。
カカオ バター (英)cacao butter
カカオの種から取り出した淡黄色の脂肪のこと。カカオ豆からチョコレートを作る過程で、ペースト状のカカオマスが出来、これを絞って取り出した脂肪分をカカオバターという。こらから、チョコレートを作ったり、お菓子の製造に用いる。カカオバターは、融点が人間の体温よりやや低い32〜35℃であり、融点と凝固点の差がわずかなことが特徴。これが、外温では溶けず、口に含むとスムーズに溶けるというチョコレートの特性につながっている。
カカオ マス (英)cacao mass
カカオ豆を焙煎してからすり潰し、ペースト状にしたもの。ビターチョコレートとも言われチョコレートの土台になるもの。マスは「かたまり、集まり」の意。massは、仏語でmasse(マス)
ガカモレ (スペイン)guacamole
ワカモレと表記することもある。アボガドディップ。アボガドをペースト状にすり潰したもので、色はグリーン。トルティーヤ(コーンチップ)などを食べる時に付ける調味料。メキシカンフードには、良く使われる。
隠し味
調味料などを目立たない程度に使い、味を引き立たせること。あんに微量の塩を加えて、砂糖を引き立たせること。転じて味の個性化を計る為、表面には素材が解からない使い方をすることをも言う。
カクテル (英)cocktail
混ぜ合わせたもの。菓子類の場合は、2〜3種類のフルーツを酒や砂糖であえたものを意味する。→フルーツカクテル
風花
和菓子の銘で、12月の菓子。じょうよ饅頭の上面に、雪の結晶の焼印をしたもの。風花は、晴れている時にひらひらと舞っている雪片を、風に舞う花びらに例えたもの。
果実菓子
果物等を砂糖漬けしたり乾燥するなど、果実の原形をあまり崩さないで、菓子の様に食べる。果子。菓子の原点でもある。マロングラッセ、ドライフルーツ、巻き柿、栗納豆、果物の砂糖漬けなどのこと。
カシス (仏)cassis
黒すぐりのこと。仏語で別名、グロゼイユノワール(groseillenoir)黒に近い濃い赤紫色の小さな果実。酸味が強い為、ほとんど生食されない。
カス−クルート (仏)casse-croute
軽い食事。パンにチーズ、ハムなどを挟んだもの。サンドウィッチ。
カスタード クリーム (仏)custard cream
カスタードと略すこともある。卵黄、牛乳、砂糖を混ぜ合わせて、加熱したもの。小麦粉、コーンスターチを加えることもある。仏語で、クレーム・パティシエール。別名、クレーム・アングレーズともクレーム・フランセーズとも言われる。クリームよりとろみの薄いものは、カスタードソースという。
カソナード (仏)cassonade
粗糖。さとうきび、蔗糖などから採る未精製の砂糖。赤褐色。この風味を生かして菓子を作ることもある。
型抜き
薄く伸ばしたクッキーやパイ、スポンジシート、薄く固めた寒天やゼラチンを型に合わせて抜くこと。型抜き方を用いて抜いたり、型紙に合わせて切り抜いたりする。
カッテージ チーズ (英)cottage cheese
脱脂乳から作る熟成させないフレッシュチーズの一種で、軟質チーズ。活性乳酸菌が入っているので、整腸作用があり、ヨーグルトに似ててマイルドな酸味がある。アボカド、レタス、セロリなどともよく合う為、フルーツサラダに使われることが多い。また、パプリカやカレー粉を合わせて、パンにのせることもある。アメリカで作られたのが最初。語源は、農家のコテージ(cottage いなか家)で作られるチーズの意。
カップ ケーキ (英)cup cake
カップ型の紙器に、スポンジケーキやバターケーキの生地を流し込んで、そのまま焼く為にこの名が付いた。表面を任意の材料でデコレーションすることもある。
ガトー (仏)gateau
焼いた洋生菓子全体を指す。英語のケーキ、独語のクーヘンに相当する。粉もの生地を用い、甘味が付けられ、焼いて出来るものの総称。粉、卵、バター、砂糖が主要材料であり、ナッツ、フルーツ、チョコレート、リキュールなどが加わった、パティスリーの分野の製品。
ガトー (オ) ショコラ (仏)gateau (au) chocolat
小麦粉を極力押さえ、主素材のチョコレート本来のコクを生かした素朴なケーキ。→ショコラ・クラシック
カトラリー (英)cutlery
ナイフ、フォーク類。原義は、刃物類を指す。→シルバー
カトル−カール (仏)quatre-quarts
フランスで親しまれているバターケーキ。英語圏では、パウンドケーキに当たる。仏語では、カルトは4、カールは4分の1で「4分の1を4つ」という意味になる。バター、卵、砂糖、粉が4分の1づつの配合の菓子。→パウンドケーキ
ガナッシュ (仏)ganache
温めた生クリームに、チョコレート(クーベルチュール)を加えて、練り上げたチョコレートクリーム。バター、牛乳、洋酒などを加えることもある。トリュフのセンターや(中身)、チョコレートケーキのフィリング、ナッペとして用いられる。通称「生チョコ」。独語で、ガナッヒェ。
カナッペ・カナペ (仏)canape
仏語で長いすの意。料理用語で、パンの薄片にバターを塗り、キャビア、子エビ等いろいろな素材をのせたものでオードブル(前菜)として用いる。パンの代わりにクラッカーなどを使うこともある。
カヌレ (仏)cannele
カヌレ型に蜜蝋(みつろう)を塗り、牛乳と卵を混ぜて流し込み、焼き上げるもので蜜蝋の艶のある深い焼き色と香ばしさと、生地のやや固いが弾力性のある食感が特徴。フランスのボルドー地方に伝わる菓子。1515〜1700年頃、女子修道院で作られその修道院の中でけで食べられたケーキだと言われている。カヌレの語義は、「溝の付いた」の意であり、形状から付いた名前である。
鹿の子
かのこ餅。餅・ぎゅうひ・羊羹などをあんでくるみ、まわりに甘く煮たあずき、白いんげん、栗などを貼り付けた生菓子。豆をのせることで、鹿の背の斑に似てくる為この名が付いた。あずきの場合はあんの色は黒いが、白いんげんの場合は、白あんか淡紅色のあんを使う。京鹿の子と言われるものは、淡紅色のあん玉に、蜜漬けした白いんげんを付けたもの。
カフェ エスプレッソ (伊)caffe espresso
コーヒー抽出器を使って抽出したコクもあるコーヒー。→エスプレッソ
カフェ オ レ (仏)cafe au lait
カフェ・オー・レとも表記する。ミルクコーヒーのこと。レは、「牛乳」の意。フランスの朝は、カフェ・オ・レで始まると言われる程、親しまれている。フレンチロースト(やや深入り)のコーヒーを立て、コーヒーと同じ温度に温めたミルクを、モーニングカップにコーヒーと同量に同時に注ぐ。砂糖は好みの量。
カフェ カプチーノ (伊)caffe cappuccino
デミタスで飲む、イタリアンローストの濃厚なコーヒー。→カプチーノ
カフェ グラッセ (仏)cafe glace
冷たいコーヒーにアイスクリームを浮かせ、ホイップクリームを絞り、上に粉末のインスタントコーヒーをかけたもの。
カフェラッテ (伊)caffelatte
イタリア風カフェ・オ・レのこと。カフェはコーヒー、ラッテは牛乳の意。エスプレッソコーヒーに、蒸気加熱したミルクを加えたもの。カップに注ぐと、上面に細かい泡が盛り上がるのが特徴。ミルクとコーヒーの比率は7:3くらいで、カフェ・オ・レに似ているが、それより苦味とコクがある。
カプチーノ (伊)cappuccino
カフェ・カプチーノ。イタリアンローストの粉を用いた濃厚なコーヒーをデミタスに注ぎ、砂糖を入れ、ホイップクリームを浮かべ、レモン又はオレンジの皮をすり潰したものを加える。シナモンスティックをスプーンの代わりに添える。名称の由来は、フランシスコ派のカプチン僧が着ている薄茶色の衣の色にちなんだものと言われている。
カマンベール (仏)Camembert
代表的なナチュラルチーズのひとつ。白味かかった黄色の中身が柔らかで、香味が強く、味の濃厚な白カビチーズ。フランス、ノルマンディー地方のカマンベール村に住んでいたマリー・アレルという女性が、フランス大革命のころに創り出したと言われている。普通、直径11cm、厚さ3cm、重さ250gの円盤状に作られる。カマンベールという名前のチーズは世界各地で作られているが、1983年に原産地名称権が定められ、ノルマンディー地方の5県だけで定められた方法で作ったものだけに、Camembert de Normandie と称することが出来る。
ガム シロップ・ガムシロ (英)gum syrup
仏語でシロ・ド・ゴム(sirop de gomme)。シロップにアラビアゴムを加えたもの。現在では、単に糖液を煮詰めたシロップを意味することが多い。ガムシロは略語。
加茂の山
和菓子の銘で、5月の菓子。小豆あんのところどころに、緑を配したきんとんで、新緑の加茂の山を表わした菓子。中には白あんが入っている。
カラメリゼ (仏)carameliser
キャラメリゼということもある。
(1)(砂糖を煮詰め)カラメルにする。
(2)粉砂糖をふり、高温に当てて色付けをする。
(3)(型に)カラメルを張ったり、物にカラメルを注ぎかけたり、塗ったり、カラメルで包んだりすること。
(4)(香り付けに)クリームやアパレイユにカラメルを加える。
カラメル (仏)caramel
日本では、あめ菓子の場合アメリカから学んだ為、キャラメルと呼び、調味料の場合はフランスから学んだ為、カラメルと呼んでいる。砂糖、糖液を150〜180℃に煮詰めて焦がしたもので、食品に風味ととび色の色付けが出来る。焦げ茶色で少々の苦味があり香ばしく、菓子の着色原料や料理用のソースとして使われる。色の薄いカラメルは、型に塗ったりボンボンやヌガーの製造、クリームの香り付けに用い、炭化寸前の褐色のカラメルは、ブイヨンやリキュールの着色料として用いる。また、焦がし方を軽くすると、菓子のキャラメルになる。→キャラメル
カルヴァドス (仏)calvados
リンゴから作るブランデー。蒸留酒。リンゴの名産地で知られるフランス・ノルマンディー地方のカルヴァドス県で作られる為、こう呼ばれる。英語でアップル・ブランデー。アメリカではアップルジャックと呼ばれている。
軽羹
鹿児島県の名物菓子。ふわっとしていることから、軽い羹(あつもの)と言う意味で付いた名前だと言われている。山芋(長芋)をすりおろし、しん粉と白砂糖を加えて練り合わせ、せいろう(せいろ)で蒸したもの。材料の割合は、だいたい3種類の材料が同等で、まんじゅうの皮の様に白く出来あがる。
カルダモン (英)cardamon
南インドなど熱帯アジア原産、しょうが科の植物。しょうずく(小豆蒄)。香草。種子は乾燥させ、香辛料に用いる。インド料理には良く使われる。
カルツォーネ (伊)calzone
ピザ生地に具をのせ、2つ折りにして包み込んだもの。包みピザ。半円を上に向け、両端を下に曲げた形がズボン(カルツォーニ)に似ている為、この名になったと言われている。英語のターンノーバーに当たる。軽食ものからデザートタイプまである。
カルテ (仏)carte
(1)カード(2)献立表、メニュー表。→ムニュ、メニュー
ガレット (仏)galette
語源はガレ。仏語で小石の意。少し厚めで、平らな丸い形の焼いた菓子の総称。厚焼き。醗酵生地、フイユタージュ、サブレ生地などを用いる。最も古い(新石器時代に始まったと言われる)お菓子の形態であり、熱した石の上で穀物の粥を焼いたのが始まりだと言われている。その後、蜂蜜など加えられヨーロッパ各地にさまざまなガレットが作られる様になった。
ガレット デ ロア (仏)galette des Rois
1月6日のエピファニー(公現祭)に作られる祭礼菓子。ロアは国王の意で「王様のガレット」の意味になる。王冠型などに作られたり、王冠飾りをのせられたりするガレットの中には、フェーヴ(そら豆)と呼ばれる小さな陶器製の人形がひとつだけ入れられる。切り配られた時に、その人形が入っていれば、その夜は王様の様になれるという遊び。かつては、人形ではなく、そら豆を入れていたものらしい。
寒紅梅
和菓子の銘で、2月の菓子。本紅で染めた餅皮で小豆のこしあんを包み、餅皮にはヘラで5枚の梅の花弁を作り、表面に砂糖を散らしたもの。
完全パン
全粒粉を使ったパン。英語でグラハムブレッド、ホールブレッド、仏語でパン・コンプレと言う。
乾燥焼き
オーブンで低温にして、乾かす様にカラッと焼くこと。ナッツを乾燥させる時やメレンゲ菓子を焼く時に使う方法。
寒天
てんぐさ(海草)を煮て、ところてんを作り、それを寒晒しと言って寒中水に浸してから陰干しにして精製したもので、液体を固まらせる為に使う。水ようかんの原材料や、みつまめの材料になる。ゼラチンで固めたものと比べて、歯触りは固めで粘りがほとんどない為切れる感じで、のどごしはツルンとしている。棒状、糸状、粉末の3種類がある。粉寒天は、棒寒天を精製したもの。語源は「寒晒しのところてん」だと言われている。→ゼラチン
甘味料
食品に甘味を付ける為の調味料。人工甘味料には、サッカリン、アスパルテームまど。天然甘味料には、ステビアサイド(キク科植物ステビア)、グルチルリチン(甘草)、フィロズルチン(甘茶)、ソーマチン(アフリカ産植物)などがある。日本で使用中止になったチクロは人工甘味料。
甘露煮
水飴や砂糖をたっぷり使い、汁気がなくなるまで煮込んだもの。菓子の材料として、栗の甘露煮などを良く使う。
東京堂出版・山本候充編・『百菓事典』より
ギー (印)ghee
水牛の乳から作った粗製バターを、弱火でよく煮て出来る上澄み。インド式バターオイルとも言われる。インドでの生活必需品。
キー ライム パイ (英)Key lime pie
アメリカ・フロリダのキー・ウエストで取れるライムを使うことから、こう呼ばれる様になった。ライムの絞り汁とすりおろした皮を、泡立てた卵黄に加えコンデスミルクを混ぜてから、パイ(皿型に焼いたもの)に流し入れて焼く。ライムのスライスを飾って仕上げる。
桔梗餅
和菓子の銘で、9月の菓子。小豆のこしあんを、餅またはういろうで包み、桔梗の花の形に作る。桔梗は秋の七草のひとつ。
生地
材料を混ぜ合わせたまま、加熱したり、冷やして固める前の状態を言う。パイ生地、スポンジ生地という言い方をする。種とも言う。
(1)一般的に、水分などが多く流動性が高く形にならないものを種と言い、流動性が低くある程度形の作れるものを生地と言う。
(2)シューやスポンジの様に泡立てたり、すり混ぜたりして使うものは種と言い、パイやクッキーの様にこね合わせて使うものが生地だとも言われる。
(3)和菓子は種と呼ぶことが多いが、洋菓子は生地と呼ぶことが多いとも言われている。ただし、焼成したものは「種」を焼いても、全て生地と呼んでいる。
キスチョコ (英)kiss chocolate
小粒で、先が少しとがった形のチョコレート菓子。ケーキの飾りにも使われる。一説によると、先のとがった部分が唇をかがらせた形に似ていることから付けられた名前と言われる。アメリカでは、丸金口を絞って先がとがった形のものを、一般的にキスと呼ぶことが多い。
キッシュ (仏)quiche
タルト型やフラン型に生地を敷き、具を詰めて焼く料理。普通、溶き卵、生クリームを塩、こしょうで味付けし、ベーコン、ハム、チーズなどを加えたものを、フイユタージュやパート・ブリゼで作った器型に生地に入れて焼いた前菜。温・冷製の両方がある。フランス、ローレンヌ地方に起源を持つ。語源は独語のクーヘンだという説がある。
狐面
(1)山形県鶴岡市の名物菓子。小豆粉、上新粉、砂糖で型抜きした落雁。狐の面が組み合わせで、一枚の板になっている干菓子。
(2)和菓子の銘で、2月の菓子。三角形の煎餅種に、砂糖のすり蜜を付け、焼きゴテで目を作り、狐の面に作る。
黄な粉
大豆を炒って挽いたもの。普通は砂糖を加えて使う。餅、団子などにまぶして食べる。
キャラメリゼ (仏)carameliser
カラメリゼのこと。英語的発音。
キャラメル (英)caremel
あめ菓子としてのキャラメルと、調味料としてのキャラメルの2種類がある。
(1)菓子としてのキャラメルは、砂糖を煮てあめ菓子としたもので、牛乳、バター、水飴、コーヒー、チョコレート、バニラなどさまざまな材料、香料を入れて作る。製法は、アメリカで製菓業を研究し、1899年(明治32)帰国した、森永太一郎によって伝えられた。
(2)調味料としてのキャラメルは、砂糖を煮詰め焦がして焦糖としたもので、食品に風味と、とび色の色づけが出来る。プリンのソースなどに用いる。→カラメル
キャラメル包装
自動包装の一種。キャラメルを包む方法で、折りたたみながら包装するタイプ。
求肥
ぎゅうひ餅の略語。江戸時代の頃は、もち米粉、小麦粉、くず粉などに砂糖を加えて水でこね、鍋に入れて弱火で練り、取り出して小麦粉などをふりかけて切って作る。現在は、蒸した白玉粉に、白砂糖と水あめを加えてねった柔軟で弾力のある餅の一種。最初は、「牛皮」「牛脾」と書かれていたが、仏教思想から、獣肉を食べなかった時代に、牛皮という文字を忌み、求肥に改めたと言われている。
キュラソー (仏・英)curacao・curacao
オレンジキュラソーのこと。オレンジの果皮で作るリキュール。南米のキュラソー島のオレンジで作り始めたことからこの名がある。セック(仏、sec)、というマイルドなもの、ドゥーブル-セック(仏doule―sec)というドライなもの、トリプル-セック(仏triple―sec)という非常にドライなのもの3種類がある。セックは、フランス語起源で 「ドライ、辛口」の意。
京菓子
京都において、茶道とともに発達してきた干菓子類のことを指す。花鳥、風月、山水などをかたどったものが多い。
強力粉
普通「きょうりょくこ」と読むが、菓子の原材料としては、力をりきと読み、「きょうりきこ」と呼びならわしている。粉が非常に固い硬質小麦を製粉したのもで、蛋白質は10〜13%くらい含み、グルテンの量が最も多い。水分を加えて練ると強い粘りと弾力が生じ、こしの強い生地となる。イーストを醗酵させて作る、クグロフ、ブルオッシュ、クロワッサンなど、醗酵菓子やパンに用いられる。強力粉は手で握りしめても固まりにくく、さらさら崩れる、パイ生地などを伸ばす時の打ち粉としても最適。→薄力粉→粉
玉露
香りが高く甘味のある優良の煎茶。覆茶(ふくちゃ)とも言う。樹齢10年以上のものの葉を、摘み取る3週間前から日覆いし、軟化させ、煎茶と同じ方法で製造する。これをもまずに乾燥させて砕くと、抹茶になる。
キルシュ (独)Kirsch・Kirsche
キルシュサワーとも言う。チェリーブランデーのこと。桜桃酒。さくらんぼ、チェリー。
斤
(1)重さの単位。尺貫法では1斤=160匁=600g。舶来品については、1斤を英国ポンドの1ポンド(453.6g)にほぼ等しい120匁としたものである。
(2)食パンの単位。350〜400gの一塊が1斤。
東京堂出版・山本候充編・『百菓事典』より
クープ (仏)coupe
(1)(口が広く、大小さまざまなサイズで足付きの)グラス、カップ。アイスクリーム、フルーツ等で作ったデザートを盛り付ける器。
(2)器のクープに盛り付けたアイスクリーム類にフルーツなどを任意に飾り、クリーム、ソース、トッピングをあしらったデザート。冷菓。特にアイスクリームやシャーベットが中心になったものをクープ・グラッセと言う。→パフェ
クーペ (仏)coupe
小型のフランスパンで、紡錘型。原義は「切る」の意であり、生地を釜入れする前、表面にナイフで縦に1本の大きな切れ目を入れる為、この名が付いた。日本のコッペパンの語源とされている。
クーベルチュール (仏)couverture
コーティング用チョコレート。仏語の語義は「覆うもの」。英語のカバーに当たる言葉。従って正確にはショコラ・ド・クーベルチュール。カカオバターが40〜50%含まれる純度の高いチョコレートで、つやの良い仕上りになる。砂糖や乳製品の配合によって、スイート、セミスイート、ホワイトチョコレートなどがある。独語では、クーヴェルチューレ。
クーヘン (独)Kuchen
ドイツ風にいう菓子の総称。ケーキ。ドイツ菓子でよく知られているものに、バウムクーヘンがある。
クグロフ (仏)kouglof
イースト菓子。クーゲルホフとも呼ばれる。ルイ16世の妃マリーアントワネットの好物だったとしても有名。アルザス地方の名物で、干しぶどうが入った、ブリオッシュの一種。斜めにうねりのある蛇の目型の内側にスライスアーモンドを付け、この型に生地を入れて焼き上げる。アルザス地方では、日曜日の朝に良く出されるが、アルザスのワインと良く合うと言われている。独語でクーゲルホップフ。語義はドイツ語のクーゲル(球)とホフ(僧帽)が語源であるという説もある。
草餅
もち草と呼ばれるヨモギ(モグサ)や、ハハコザク(母子草=別名ゴギョウ、オギョウ)などの葉を入れてついた餅。また、この餅であんを包んだもの。くさもちい。青餅。関東では草餅。関西ではよもぎ餅と呼ばれていると言う。
葛
豆科クズ属のつる性多年草。根を干して、葛根を作り解熱薬にもするが、根からはくず粉をとる。現在は、ジャガイモのデンプンの「かたくり粉」で代用することが多い。名前は、くず粉の生産で有名な大和国(奈良県)吉野郡の国栖(くず)という地名に由来する。吉野くずは有名。くずを使って作る和菓子の銘には、その透明感・涼感から「水」を付けることが多い。
葛切り
くず粉によく沸騰させたお湯でこね、薄く流して固め、めん類に様に細く切り、冷やして、黒蜜につけて食べる。水仙羹とも言う。鎌倉時代に中国から伝わった点心の1つ、水繊(すいせん)であったらしい。
口金
絞り袋(絞り出し袋)につけて、デコレーションのクリームやメレンゲ、柔らかな生地などを天板に絞り出す時に使う道具。金口の形状には、丸口金のほか、星型、平型、波型などがあり、絞り出される生地などに、表情を持たせることが出来る。仏語でドゥーユ(仏 douille)。
クッキー (英)cookie
粉、牛乳、卵、砂糖、香料などを混ぜ合わせて、鉄板上で適当な形に焼き上げたもの。クッキーはアメリカ式の名称で、イギリスのビスケットとほぼ同じものだが、ビスケットよりも脂肪分が多い。クッキーの語源は、オランダ語で「小さなケーキ」を意味するクオキエである。→サブレ
熊笹
和菓子の銘で、12月の菓子。緑色の有平糖で、笹の葉の形に作り、3枚を組み合わせると「熊笹」、1枚を結ぶと「笹結び」になる。
グミ (独)Gummy
ザラチンを主原料に砂糖、水飴、香料などを加えて固めたゼリーの仲間。普通ゼラチンの量はゼリーが3%ぐらいであるのに対し、グミは8%ほどになる。西ドイツ生まれの菓子だが、日本で作られているものの方が柔らかい。グミの原義は「ゴム、ゴム状」
グラス ロワイヤル (仏)glace royale
お菓子を飾る糖衣の一種。粉砂糖に卵白、レモン汁を少量加え、つやを出して練って作る。ケーキの表面にかけたり、文字や模様を絞り出すこともある。→糖衣
グラセ・グラッセ (仏)glace
(1)凍った、冷やした。
(2)糖衣をかけた。小さなケーキなどに、糖衣やチョコレートをかけたものの総称。マロン・グラッセ、プティフール・グラッセなど。(3)光沢をつけた。
クラッカー (英)cracker
粉を堅くこねて焼いた堅パン風ビスケットで、砂糖は普通使わない。クラックは「パリッ」という様な急激な鋭い音のこと。軍用ビスケットや、航海用ビスケット、ソーダ・クラッカーなどもある。→ビスケット
グラニテ (仏)granite
氷菓。糖度の低いシロップを、ツブツブが出来る程度に凍らせたもの。果汁やリキュールを加えるものもある。糖度は、シャーベットよりも低く、12〜14度。コース料理では、口中をさわやかにする為、中間で供される。グラニテの原義は「つぶつぶのある」の意。
グラハム (英)graham
(精製していない)全粒。全粒粉。1837年、米国のグラハム博士が栄養価の高いことを発表、推奨した為名付けられた
グラハムブレッド (英)graham bread
全粒粉を使用したパン。→ホールブレッド
クラフティー (仏)clafouti
フランスの中央部、リムーザン地方やベリー地方の家庭で作られる名物菓子。耐熱皿になどにパート・シュクレを敷き、ダークチェリー(黒さくらんぼ)を並べ、卵、牛乳、砂糖で作った生地(クレープ生地)を流し入れて焼いたもの。タルトの一種。さくらんぼの季節によく作られた。後に、ダークチェリーの他、普通のチェリーの他、ポワール、プラム、アップル、ブラックベリーなど、さまざまなフルーツを用いる様になる。
クラム (英)crumb
パンくずとか小片の意味であるが、洋菓子の場合、ケーキクラム、パイクラムの様に、素材として有効に使えるくずの意味で使われる。
グラン ガトー (仏)grand gateau
1人用の小型ケーキではなく、切り分けて食べる様な大型ケーキ。トルテのホールや、ボックス型などのケーキのこと。グランは「大きい」、ガトーは「ケーキ」の意。→プティガトー
クランチ (英)crunch
原義は「バリバリ噛む、ザクザク踏む」の意。ガリガリ噛める菓子。ボリボリ食べるチョコレートなど。
グラン マニエ (仏)grand marnier
グランマルニエとも表記する。オレンジキュラソーの一種。香り高く、菓子の風味付けに使う。オレンジの皮を上質のコニャックに漬けて作る。焼いても香りが残っている為、焼き菓子や、スフレに使い、フランベにもよく使われる。特にクレープシュゼットには欠かせない。
クリーム チーズ (英)cream cheese
生クリームと牛乳を原料として作られる熟成されない白いチーズ。クセのない、おだやかな風味が特徴。
クリーム状
バターなどをボールに入れ、泡立て器や木べらで、柔らかく白っぽくなるまで練った状態のこと。
クリスピー (英)crispy
カリッとする。パリパリと歯切れの良い状態。焼き物などでパリッと焼き上がった状態のこと。
グリッシーニ (伊)grissini
イタリアンスティックとも言う。手指くらいの太さで、長さ20〜30cm程度の細長く固いパン。塩味。乾パンに似た味。マカロニと併食したり生ハムを巻くなどして食べる。
くり抜き器
メロン、パパイヤ、リンゴなど、フルーツの果肉をボール状にくり抜く道具。先端に半球状の部分があり、その縁が薄く刃の様になっている為くり抜かれて、フルーツのボールが出来る。また、フルーツソースを作る時にも、これで果肉をくり抜く。
グルテン (英)gluten
麩質。穀類に含まれる弾性のあるタンパク質。小麦粉に液体を加えて練った時に出てくる粘り。小麦粉に含まれるグルアジンとグルテニンと言うタンパク質がからみ合って粘りが生じる。グルテンが生じると、一般的にお菓子の仕上げに悪い影響を与える為、グルテンがなるべく出ない様、練るのは最小限にとどめる。逆にイースト菓子やパンは、このグルテンの力を利用する。
グレイズ (英)glaze
菓子やクッキー、パンなどに塗る艶出し。シロップ、溶き卵、ゼリー、あんずジャム、アラビアゴム、フォンダンなどを用いる。
グレージング・グレイジング (英)grazing
あれこれ少しずつツマミ食いをする感覚、傾向のこと。グレイズは、「(家畜が)草を食う」意で、グレージングの原義は「放牧」。転じて、牛が牧場で牧草を食べる時、一ヶ所の牧草を食べないで、あちこちのものを食べることを意味する。1980年代アメリカで流行した傾向。
クレープ (仏・英)crepe・crepe
クレープ生地(卵、小麦粉またはそば粉、砂糖または塩、牛乳)を、丸く薄く焼いたもの。塩味のもの詰めるとオードブルに、甘味のものを詰めるとデザートとして供される。フランスで始まったもので、薄く焼いた生地が布地のクレープ(ちりめん)に似ていることから呼ばれる様になった名前。一説によると、クレープ発祥の地はフランス・ブルターニュ地方であり、最初はそば粉と水と塩だけで作られていたと言う。→パラチンケン
クレープ シュゼット (仏)crepe Suzette
代表的な高級デザート。焼いて4つ折りにしたクレープを、マンダリンまたはオレンジの絞り汁の中で温め、オレンジ系リキュールやブランデーを注いでフランベし、香りを付ける。シュゼットは始めてこのデザートが出された席に居た令嬢の名前。
クレーマ (伊)crema
クリームのこと。牛乳から採取した脂肪分。
クレーム ブリュレ (仏)crcme brulee
フランスのデザート。ブリュレは「焦げた」の意で、「焦げたクリーム」のこと。皿に生クリームと卵黄を主にした一種のカスタードクリームを敷き、その上にカソナード(粗糖)を振りかけ、焼きゴテやバーナーで短時間で焦がして、表面をカラメル状にしたもの。カラメルカスタードとも言う。表面がパリッとした焦げたカソナードの下からトロリとしたクリームが出てくるのが特徴。対象的な食感が味わえる。
クローブ (英)clove
丁子(ちょうじ)。スパイスの一種。加熱すると、甘くさわやかな香りになる。ケーキの生地やリンゴのお菓子に用いる。
クロカント (仏)croquante
(1)宴席のテーブルに置かれる大型飾り菓子。→ピエスモンテ(2)アーモンドと砂糖を練り合わせて作った一種のヌガー
クロカンブッシュ (仏)croquembouche
クロッカンブーシュ、クロカンブッシュとも表記される。(1)洗礼、結婚、聖体拝受などの大切な催しに用いられるフランスの古典的大型菓子。クロカントで作った飾り台の上に、小型のシュー(数十個)または糖果を、たくさん円錐状に積み上げ、煮詰めた糖液をシューに掛けて接着。頂上には、お祝いにちなんだ飾りや、ドラジェ、アメ細工の花などを付ける。一般的には、金属製に大きなコルネ型の外側に油を塗り、下からシューを積み上げて作る。1人前のするときは、シュー3個くらい。ブシュは「口」、クロカンは「カリカリするもの」という意味になる。(2)クロカンブシュ用の円錐形の型。
クロック-ムッシュ (仏)croque-monsieur
ハムとグリュイエールチーズをはさんで、表面を焼いた温製サンドイッチ。1910年のオペラ座近くで作られた。
東京堂出版・山本候充編・『百菓事典』より
ケーキサーバー (英)cake server
ケーキを分配、移動させる時に使う道具。ケーキの下に刺し込んで持ち上げる。サ−ブは配る、供する。、供仕するなどの意。
ケーキ ミックス (英)cake mix
誰でも手軽にケーキが焼ける様に、小麦粉にベーキングパウダーなどを配合してあるもの。ホットケーキ用、スポンジケーキ用など、用途別に多くの種類のものが市販されている。
ケーニッヒスクーヘン (独)Konigskuchen
ガレット・デ・ロアのこと。クリスマスから新年にかけて作られるバターや卵黄を豊富に使った一種のスポンジケーキ。ケーニッヒは「王」の意。カイザーに次ぐ位。
月餅
中国で中秋節(陰暦8月15日)に作るまんじゅう「ユエピン(月餅)」が伝わったもの。形は丸、四角、六角などがある。中国風のものと日本化されたものとがある。小麦粉に油や卵を入れて作った皮で、小豆あんやくるみなどのナッツ類やゴマなどを混ぜた濃厚なあんを包み、型に入れて押し表面に模様を付けて焼くもの。
けんぴ
唐辛子が変化したもので、もとは環餅または巻餅の字を用いていた。小麦粉にもち米の粉を混ぜ、更にくるみまたはゴマを刻んで加え、適当な大きさに延ばして焼くか、油で揚げたもの。巻いたものはけんぴ巻きと言われる。健肥と表記されることもあるが、こらを食べると肥え太り、健康に良いところから、健肥と書かれる様になったと言われている。
東京堂出版・山本候充編・『百菓事典』より
コアントロー (仏)Cointreau
オレンジの果皮をアルコールに漬けて後、蒸留して作るアルコール度の高いフランス産リキュールの商標名。アドルフ・コアントローが1849年に設立した会社の製品。菓子の風味付けに広範囲に用いる。食後酒としてそのまま飲まれたり、カクテルの材料にもなる。一般的にコアントローと表記するが、発音はコワントローが近い。
号数
デコレーションケーキなど、円形のケーキの大きさを表わす。1号は直径1寸(約3cm)を意味し、5号は直径5寸(15cm)の大きさ。
紅茶
茶の生葉をしぼませ、もんで醗酵させたもの。紅茶の主生産地はインド、セイロン、ジャワ。ミルクティーはイギリス式、レモンティーはアメリカ式。
酵母菌
イースト菌。円形または楕円形の単細胞菌類。野生、培養ともにあり、糖分のアルコール発酵、パン種やパン生地の発酵を行い、炭酸ガスを発生させる。
光琳菊
和菓子の銘で、11月の菓子。紫色の有平糖を輪に描き、光琳菊を表わす。
コーティング (英)coating
コーチングとも表記する。ケーキなどの上に覆い被せること。覆い被せるもののことも言う。チョコレート、クリーム、アイシングなど。
コーヒー (英)coffee
コーヒーの樹は、アカネ科の常緑喬木。アフリカ原産だが、現在は中南米、ハワイなど熱帯地方で大規模の栽培されている。花は白色で、果実は紅紫色。種子(コーヒー豆)は、2個入っている。この種子を炒って挽き、粉としたもの。多くは熱湯でたてて、砂糖、ミルクなどを加えて飲む。一般的にはコーヒーは、「炒りおき、挽きたて」が美味しいとされている。豆の種類、炒り方、挽き方の粗い細かい、たて方によって様々な味が出るうえ、混入するものによっても、いろいろな楽しみ方がある。
ゴーフル (仏)gaufre
ゴーフルは英語のワッフルに当たる。ゴーフリエという凸凹のある2枚の鉄板に挟んで焼いた、格子型や蜂の巣型の型押し模様がある菓子で2種類ある。
(1)ゴーフル フラマンイーストを使う為、生地がふっくらしている。ワッフル。温かいうちにホイップクリームやジャムなどを添えて供する。
(2)ゴーフル フレウェファーの様に薄い軽焼き生地で、プラリネなどのフィリングをサンドして食べる。ワッフルせんべい。
氷砂糖
精製した白砂糖を水に溶かして適度に煮詰め、温度を変えて結晶させたもの。
コーン (英)cone
アイスクリームやソフトクリームなどを入れて食べる容器。アイスクリーム・コーン。円錐形が多く、この容器も食べられる。コーンの原義は「円錐、円錐形」などの意。1904年セントルイスで開催された万国博覧会の会場で、アイスクリームの容器不足に悩んでいたのを見ていたワッフル売りが、薄く焼いたワッフルを巻いて容器の代わりにすることを思いついて提供したのが人気の始まりになった。→コルネ
コーンスターチ (英)cornstarch
とうもろこしから作られるデンプン。スポンジケーキの生地をきめ細かく作る場合や、ソースにとろみを付ける場合に使う。
こく
濃い深みのあるうま味。
ココア (英)cocoa
カカオの実の中にある豆を炒って粉末にしたものを、煮出した飲みもの。チョコレートを削って作ることも出来る。→カカオ
ココット (仏)cocotte
ココット鍋(円形か楕円形で、ぴったりとした蓋のついた厚手の鍋)を用いて、少量の煮汁で長時間煮る料理。
ココナッツ ミルク (英)coconut milk
ココヤシの実の核に入っている乳状液体。独特の風味があり、アイスクリームなどに良く用いられる。
梢の錦
和菓子の銘で、10月の菓子。黄色のきんとんを主に、薄紅のきんとんをのせたもので、木々の葉が黄色に変わり、紅葉が混じっている情景を表わしたもの。
粉
料理的な分野で言えば、小麦粉(メリケン粉、うどん粉)を指すことが多い。メリケン粉は「ふ質(蛋白、グルテン)」が多く、うどん粉は「糊精(デキストリン)」が多い。グルテンの多いものが強力粉、デキストリンの多いものが薄力粉であるが、日本の小麦粉の多くは中力粉である。これら小麦粉は、一種類で用いる他、それぞれの特徴を生かし、混合して用いることもある。一般的に薄力粉は洋菓子、強力粉は発酵菓子、パン、中力粉は麺類に用いられる。和菓子の分野では、うるち米を原料とする上新粉、上用粉など、もち米を原料とする餅粉、薄力粉、浮き粉など、他にくず粉、かたくり粉なども用いる。
此の花
和菓子の銘で、1、2月の菓子。此の花は梅を指す。小豆あんを丸め、紅白に染め分けたきんとんを、紅白同量に付ける。「咲き分」とも言うが、咲き分の場合は、黄身あんにすることが多い。
五分立て
生クリームを泡立てる際、さらさらの液体からもったりした重さになった状態のこと。泡立て器を持ち上げると、たらたら流れ落ちて、跡が残らないくらいの固さのことを言う。
小麦
イネ科の1〜2年草。ヨーロッパは、パンや菓子など、ほとんどが麦を用いた食文化であり、特に小麦はその中心的穀物である。小麦は挽くと白い粉になることから、英語、独語などの小麦の名称は「白」に由来すると言われる。
小麦粉
グルテンの含有量によって用途が別れ、洋菓子に向く薄力粉、麺類に向く中力粉、発酵菓子やパンに向く強力粉の3つがある。→粉
ゴムべら
生地を混ぜ合わしたり、ボウルの中身をきれいにこそげ取る時に使う。柄の先に先端になる程薄くなるシリコンゴム製などのへらが付いているもの。
コルネ (仏)cornet
(1)ラッパ、円錐形の意。
(2)アイスクリームのコーン。
(3)パイピングなどクリーム状のものを絞るための円錐形の紙筒。コルネ袋・三角袋
(4)巻貝の俗称D巻貝形の食べ物など。
コンデスミルク (英)condensed milk
加糖練乳のこと。牛乳を加熱して3分の1の量に濃縮し、砂糖を加えたもの。コンデンスは「凝縮する」の意。無糖練乳はエバミルク。
コンフィ (仏)confit
(1)(砂糖、酢、油などに)漬けた。(2)甘ったるい。
コンフェクショナリー (英)confectionery
菓子類(ケーキ、ゼリーなどの総称)。菓子屋(製造)。
コンボ (英)comb
コンビネーションメニューの略。組み合わせメニュー。→セットメニュー
コンポート (英・仏)compote・compote
果物の砂糖煮、または砂糖漬け。このままデザートとして食べられるが、菓子の材料にも用いられる。
東京堂出版・山本候充編・『百菓事典』より