ヨーロッパでは古くから降霊術が盛んで、バビロニアやエジプト、古代ギリシアの時代から
シャーマン(Shaman 霊媒師)が霊を呼び出していたとされている。
中世においても、僧侶や貴族など知識階級を中心に降霊術が受け継がれてきた。
霊を呼び出すことによって、人の知り得ない神秘的な情報が得られると信じられていたのだ。
19世紀後半、欧米で大流行した降霊術にテーブル・ターニング(Table Turning)がある。
これは複数の参加者がテーブルを囲み、手を乗せるだけで、テーブルがひとりでに回り、
傾き、コツコツと音を立てることで霊と交信するものだ。
まず、霊の集まりやすい、落ち着いた静かな部屋を用意する。霊が光を嫌うため、窓を厚い
カーテンなどで覆い、部屋を真っ暗にする。
そして参加者全員がテーブルを囲んで着席する。テーブルは可能ならば円卓が望ましい。
なぜなら、円が疑似的な魔法円(Magic Circle)の役割を果たすからである。
全員の心をひとつにするため、参加者全員はテーブルのうえに両手を広げて、その指が
隣の人と軽く触れるようにする。
ここから術者(主催者)による召霊の儀式が始まる。多くの場合、術者の先導で全員が
霊の出現を念じるのである。
霊があらわれると、テーブルがひとりでに動く。これは、参加者のうち霊的能力がある人を
媒介として、霊がテーブルを動かすためだと考えられている。
テーブルが動けば脚が上下して床をたたくので、当然ながらコツコツという音が出る。
それを霊の意思が反映されたものとして、術者の質問に対する答えがイエスなら音を1回、
ノーなら2回鳴らすというふうに交信を試みる。
しかし、イエス・ノーだけでは複雑な会話はできない。
そこで、より詳細な情報を得るため、アルファベットが記されたカードをテーブルに置き、
その文字を霊に指し示してもらうという手法を採用するようになった。
グラスゲームという手法は、アルファベットを円状に記したものをテーブルに広げ、その円の
中心にグラスを伏せておく。
グラスの上にひとりないしは複数が指を置くと、グラスが自然とそのアルファベットの上を動く。
その動いた順に文字を書き留めると、単語や文章ができあがるといったものだ。
すべての霊現象が終了すると、霊が離れ、降霊は終了する。こうした降霊現象を成立させるには
いくつかの条件が必要とされる。
まず、霊が光を嫌うので、暗闇で行なうこと。霊の存在を信じない人が多いと、その反発から
降霊そのものが失敗する確率が高いこと。
また、参加人数が多過ぎないこと(10名くらいが最大)などである。
(Table-turning/Psi Encyclopedia)