端午の節句 (たんごのせっく)

鯉のぼりが青空に舞う端午の節句。
子供のお祭りですが、大人だってうきうきしてきませんか?

鯉のぼりは、中国の登竜門の故事に由来しています。
黄河の上流の急な流れを鯉がのぼるということから、鯉は出世魚とされていました。

日本では、子供の立身出世の象徴として江戸時代から、盛んに立てられるようになりました。
子供が産まれた家では、「子供をお守り下さい」と天の神様に向かって目印に立てたという話もあります。

さて、登竜門の故事はとてもロマンチックです。
昔々、中国の霊山に「竜門」という滝がありました。
その急流の滝をのぼり切った鯉には霊力が宿り、龍になると言われていました。

ある時、一匹の鯉が激しく落ちる滝の水に逆らいながら、懸命に滝をさかのぼりはじめました。
のぼり切ったまさにその時、鯉の体はまぶしい光を放ち、龍へと変身し、天に昇っていったというお話です。

中国では、龍(ドラゴン)は皇帝の象徴ですから、とっても縁起の良いものだったのでしょう。
困難に遭遇しても、鯉のようにたくましく立ち向かい、成功することを願って鯉のぼりが生まれたと言われます。

[登竜門 とうりゅうもん] 困難であるが、そこを通れば立身出世の道が開かれるという関門。
(用例)芥川賞は小説家を目ざす人の登竜門だ。