(バーゲンセール)
恥も外聞もかなぐり捨てたオバタリアンの必殺技。
バーゲン会場では、じっくり吟味してるヒマはない。とりあえず、手にした商品を買い物カゴに放り込む。
あとで、じっくり選ぼうというのである。この行為が平気でできれば、あなたも立派なオバタリアン。
(満員電車の座席のすき間)
これはもう、オバタリアンの専売特許。
30センチのすき間でもあれば、とりあえずそこにちょこんと座る。
そして、ジワジワと少しずつ尻をねじこんでいき、いつのまにか大威張りで座っている、というワザである。
オバタリアンが座る気配をみせたとき、座席のすき間に指を立てたり、鉛筆を立てたりして、思わず「浣腸!」というイタズラをやってみたくもなるが、
実行したことのある人は、まずいないだろう。
(閉店まぎわのスーパー)
閉店まぎわ、スーパーの店内は、さりげない緊張感に包まれる。
そう、生鮮食品や、お惣菜などのパックに、店員さんが「50円引き」「100円引き」というシールを貼りはじめるのだ。
もしかしたら、今まさに買おうとしているコロッケも、割引になるかもしれない。
いったんカゴに入れかけたコロッケを、ふたたび元の場所に戻し、何食わぬ顔で、べつに欲しいものもないのに、隣の売り場をウロウロ。
やがて店員さんがやって来て、思惑どおり、シールを貼ってくれた!
しかし、近づきかけたその瞬間、電光石火のごとく、横から現れたオバタリアンが「あらぁ、これ安いわね」と、最後のひとつのコロッケを持って行ってしまう。
だれを怒ることもできず、食べ損なったコロッケが、無性に恋しい夕食時である。