世界最大の花ラフレシアは、ボルネオ島の密林に生息する寄生植物。
寄生植物とは、他の植物の幹や枝に自分の根を食い込ませて、
栄養分を横取りするという「ヒモ」みたいな植物だ。
自分で光合成を行い、栄養を得る必要がないため、茎や葉もなく、
花だけを咲かせる奇怪な植物である。
ぼってりとした赤い花は、血を思い起こすことから「吸血花」とも呼ばれる。
だが、寄生植物ではあっても、ラフレシアは「吸血鬼」ではない。
この花の花粉を運んでいるのはハエであり、そのため汲み取り便所の臭いに
喩えられる強烈な臭いを発し、ハエを誘引する。
ラフレシアはボルネオ島のサバ州、キナバル山(Kinabalu)付近でみられるが、
花が咲いたら約3日で枯れてしまうので、目にすることはなかなか難しい。
そのため、開花が新聞で報道されると、キナバル山には多くの見物客が集まる。
花の周囲に駐車場ができて、飲み物売りの茶店も作られて大騒ぎになるという。