8月16日    ミノタウロス  (Minotaur)  
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アテネ王アイゲウスは、大きな悩みを一つ抱えていた。

それはクレタ島の迷宮に住む人身牛頭の怪物ミノタウロスへの生贄として、毎年未婚の若い男女を七人ずつ差し出さねばならなかったのだ。

これもすべてクレタ島の王ミノスとの戦争に負けた賠償金の一部なのである。

クレタ島に送られた子供たちは、真っ暗な迷宮に閉じ込められ、ミノタウロスのエサにされるという残酷な運命が待ち構えていた。

その事を知って強い憤りを感じた王子テセウスは、ミノタウロスを退治するため、父王アイゲウスの反対を押し切り、自ら進んで生贄に志願した。

生贄を運ぶ船は、国民たちの悲しみを表す印として黒い帆が張られていた。
テセウスは他の生贄たちと共にその船に乗り込み、クレタ島へ向かった。

クレタ島に到着した生贄たちは、王宮内のミノス王の元に連れてこられた。

それを柱の影からそっと垣間見ていたミノス王の娘アリアドネはテセウスを一目見て好きになり、彼にこっそりと麻糸の玉と剣を渡すのである。

テセウスはアリアドネからもらった麻糸の端を入口の扉に結び付け、糸を少しずつ伸ばしながら、他の生贄たちと共に迷宮の奥へと進んでいった。
そして一行はついにミノタウロスと遭遇した。

皆がその恐ろしい姿を見て震える中、テセウスはひとり勇敢にミノタウロスと対峙し、アリアドネからもらった剣で見事これを討ち果たした。
その後、テセウスの一行は糸を逆にたどって、無事に迷宮の外へ脱出する事ができた。

そして自分たちの乗ってきた船にアリアドネと生贄の子供たちを乗せてアテネに向けクレタ島を出港したのである。

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クノッソス宮殿の迷宮 (Knossos Labyrinth)

クレタ島の王ミノスは海神ポセイドンに奉げるはずの白い牛を我が物とし、これに怒ったポセイドンは王妃パシファエが雄牛と交わるよう仕向ける。

かくして誕生したのが牛頭人身の怪物ミノタウロスである。

ミノス王は名工ダイダロスに命じて、宮殿のなかに巨大な迷宮を作らせ、その奥にミノタウロスを幽閉した。

この迷宮は真っ暗で曲がりくねっていて、まさに複雑怪奇な地下室の集合体とも言えるものであった。

ひとたびここに入れられたら最後、二度と再び地上には出て来ることは不可能だった。

(ギリシア神話事典より)