１１月 ７ 日　  ジャズの歴史 （5）　モダン・ジャズ　 （Modern） 　（3）　　



1960年代以降のジャズは演奏スタイルが多様化していきます。

1950年代末期には、マイルス・デイヴィス（Miles Davis）によって、モーダル・ジャズ（Modal Jazz）という手法が試みられます。


従来のハードバップは、コード(和音)にしたがってメロディーをのせていましたが、モーダル・ジャズは、曲のコード進行を簡略化し、

決められたスケール(音階)にしたがってアドリブを構成していくスタイルです。

これによって即興演奏の自由度が格段に増すことになりました。


一方、セシル・テイラー（Cecil Taylor）、オーネット・コールマン（Ornette Coleman）らは、より前衛的で自由度の高いジャズを演奏し、

フリー・ジャズという言葉が広まっていきました。

またアート・ブレイキー（Art Blakey）、ホレス・シルバー（Horace Silver）、キャノンボール・アダレイ（Cannonball Adderley）

らを中心としたファンキー・ジャズ（funky jazz）も、1950年代後半から1960年代に人気となりました。



                     



ファンキー・ジャズは、もともとジャズがもっていたブルース、ゴスペル、ソウルといった黒人独特の要素をより強調したもので、

黒人ミュージシャンによって演奏されたパワフルでワイルドなサウンドは、1950年代末に熱狂的なブームを巻き起こしました。


1960年代までのジャズは、アコースティック楽器が主体でした。

しかし、1960年代末期、マイルス・デイヴィスはより多くのエレクトリック楽器を導入したバンドを次々と結成しました。

1970年代に入ると、フュージョン（Fusion）と呼ばれるジャズ・スタイルが台頭します。

エレクトリックサウンドが主流となったフュージョンは、ロックやラテンなどのリズムを取入れ、聴きやすく洗練された音で人気を得て、ジャンルをこえた音楽のさきがけとなりました。

代表的なバンドとして、ウェイン・ショーター（Wayne Shorter）、ジョー・サヴィヌル（Joe Zawinul）が率いるウェザー・リポート（Weather Report）、チック・コリア（Chick Corea）

率いるリターン・トゥ・フォーエバー（Return to Forever）が世界の音楽シーンで活躍しています。



         
            Blue in Green（Miles Davis）