イリアス(Iliad)(8) イリアス & オデュッセイア |
パトロクロス (Patroklos)
戦士アキレウスは、総指揮官アガメムノンとのいざこざを境に、トロイ軍との戦いを拒み続けていた。
アキレウスと常に行動をともにしていた親友パトロクロスは、最強の戦士を欠いたギリシア軍が敗戦の色を濃くすることに心を痛めていた。
そこで劣勢を巻き返すためにピュロス王ネストルが提案したのは、パトロクロスがアキレウスの鎧を着け、勇者復帰を装うことであった。
その案に応じたパトロクロスは、アキレウスの黄金の鎧を身に付けると、手勢のミュルミドネス達を率いて戦場に突入した。
ミュルミドネスというのは「蟻の民」と呼ばれる一団で、その昔疫病で人口不足に悩むアキレウスの子孫が、ゼウスに祈って貰い受けたとされる民である。
ゼウスは蟻からこれらの民を作ったとされており、ミュルミドネスは蟻のごとく勤勉で恐れを知らず、集団行動に長けていた。まさに兵士としては理想的な集団であった。
こうしてパトロクロスとミュルミドネスが戦場に到着すると、戦いの流れは一気にギリシア方へ傾いていった。
トロイの兵士たちはアキレウスの鎧を見て恐怖に駆られ、逆にギリシア軍はアキレウスが復帰したと思って大いに勢いづいた。
メネラオス、ネストルの二人の息子たちは奮戦し、逃げる敵兵を片っ端から倒していった。
それに勢いづいたギリシア軍は勇み立ち、トロイ軍は後退を余儀なくされた。
パトロクロス Patroklos
アキレウスに仕えた武将で、主人のアキレウスとは竹馬の友でもあった。
アキレスに従いトロイ戦争に参加し、総指揮官アガメムノンと諍いを起こして出陣を拒否したアキレウスの代わりに出陣した。
ギリシャ軍の劣勢を挽回するが、トロイの総指揮官ヘクトルに討たれてしまう。