三十六人の乗客 1969年(昭和44年) ドラマ傑作選
三人組の強盗殺人犯を追う私服刑事(露口茂)が、草津行きのバスに乗り込む。
どうやら三十六人の乗客の中に、犯人が紛れ込んでいるらしい。
しかし、三人の手がかりは、デブとチビとノッポで、一人が消音ピストルを
持っているということくらい。
車内で、ふとしたことから刑事と、ある若者が争ったとき、刑事がピストルを
持っていることが乗客に分かり、みんなに袋叩きにされてしまう。
そんな騒ぎの中、犯人が突然、ピストルを持って立ち上がった…。
草津に向かうスキーバスの車内を舞台に、銀行強盗殺人の三人組がバスに潜入。
それを追う刑事が乗り合わせたことを知った乗客たちの、心理的動揺と緊張を
スリルとサスペンスで綴る。
直木賞作家・有馬頼義の原作を、早坂暁が特定の主人公のいない群像劇に脚色。
新潟県苗場でロケしたオール・フィルム作品であり、この当時のドラマにしては
珍しく映像が現存している。(財団法人放送番組センター所蔵)
(制作)NHK(原作)有馬頼義(脚本)早坂暁
(主題歌)ピンキーとキラーズ「恋の季節」(作詞:岩谷時子、作曲:いずみたく)
(配役)鳥集刑事(露口茂)酒好きのルポライター(日下武史)サングラスの男(太田正孝)鞄男(山谷初男)
地図男(高橋征郎)目つきの悪いチビ(稲吉靖)ベレー帽の医者(小山源喜)子連れの父親(中田浩二)