マリア・シェル(Maria Schell)
生年月日 : 1926/01/15
出身地 : オーストリア/ウィーン
没年 : 2005/04/26
父親はスイスの小説家、母親はウィーンの女優、そして弟は「ニュールンベルグ裁判 1961」で
アカデミー主演男優賞を受賞したマクシミリアン・シェルという芸術一家に生まれる。
1942年、シグフリット・シュタイナー監督の「シュタイブルッフ(Steibruch)」で映画デビュー。
1954年「最後の橋」で、第二次大戦下の野戦病院で働くドイツ人女医を演じ、カンヌ国際映画祭女優賞を受賞。
1956年、エミール・ゾラ原作の映画化「居酒屋」でヒロインを演じ、ベネチア国際映画祭女優賞を受賞。
1958年、ハリウッド映画にも進出し「カラマーゾフの兄弟」の演技では、国際的にも高い評価を獲得した。
代表作品
居酒屋(Gervaise)1956年(仏) 二人の子を持つジェルヴェーズ(シェル)は、情夫が家出したあと屋根職人(ペリエ)と結婚する。 だがその後、夫は屋根から落ちて働かなくなり、やがて酒びたりになってしまう。 同じような甲斐性の無い男をまた選んで失敗するという、女の愚かさや弱さがシニカルに描かれている。 さっさと別れてしまえばいいのに、と観客をやきもきさせるほど、女癖や酒癖が悪いという、どちらも 身勝手極まるダメ男なのである。 しかし、ヒロインは、女性としての器量があるゆえに、母性本能をくすぐられてしまい、このような だらしない男を放っておけなくなっているのだ。一人の女性の悲劇を徹底したリアリズムで描きながら、 それを余儀なくさせるような下層階級の生活の現実を告発する作品ともなっている。 (監督)ルネ・クレマン(Rene Clement)(出演)マリア・シェル(Maria Schell) フランソワ・ペリエ(Francois Perier)シュジ・ドレール(Suzy Delair) |
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白夜(Le notti bianche)1957年(伊/仏)ベネチア国際映画祭準グランプリ 港町で青年マリオ(マストロヤンニ)は、橋上でさめざめと泣く娘ナタリア(シェル)と出会う。 彼女は毎晩、橋の上で恋人(マレー)を待ちわびているという。 マリオは、三夜続けてナタリアと会い、彼女を愛するようになり、ナタリアも彼に好意を抱く。 マストロヤンニは、純情な青年役を演じている。ナタリアに一目惚れしてしまい、彼女の心も彼に傾きかけるのだが、 ある晩、橋の上に人影が見える。それはナタリアの待ち人だった。彼女は彼を目にすると、一目散に駆けて行った。 ニノ・ロータの甘美な音楽とは裏腹に、失恋を非情なまでに残酷に描いた作品なのだが、マストロヤンニが演ずると、 どこか男の哀れみと可笑しさを醸し出していて、ついつい応援したくなってしまう。たいへん味のある役者である。 (監督)ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)マリア・シェル(Maria Schell) (出演)マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)ジャン・マレー(Jean Marais) |
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シュタイブルッフ(Steibruch)1942年
かくて我が恋は終りぬ(So Little Time)1952年
事件の核心(The Heart of the Matter)1954年
最後の橋(Die Letzte Brucke)1954年(カンヌ国際映画祭女優賞)
青い潮(Herr uber Leben und Tod)1954年
ナポレオン(Napoleon)1955年
居酒屋(Gervaise)1956年(ベネチア国際映画祭女優賞)
枯葉(Rose Bernd)1957年
白夜(Le Notti bianche)1957年
カラマーゾフの兄弟(The Brothers Karamazov)1958年
女の一生(Une vie)1958年
縛り首の木(The Hanging Tree)1959年
シマロン(Cimarron)1960年
愛の絆(The Mark)1961年
悪党(Le Diable par la queue)1969年
オデッサ・ファイル(The Odessa File)1974年
ブルース・ダーンのザ・ツイスト(Folies bourgeoises)1976年
さすらいの航海(Voyage of the Damned)1976年
ジャスト・ア・ジゴロ(Schoner Gigolo, armer Gigolo)1978年
スーパーマン(Superman)1976年
サン・スーシの女(La Passante du Sans-Souci)1982年