マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)

生年月日 : 1924/09/28
出身地 : イタリア/フォンターナ・リーリ
没年 : 1996/12/19

1939年、カーマイン・ガローネ監督の「マリオネット」にエキストラ出演し、映画デビュー。

1948年、リッカルド・フレダ監督の「レ・ミゼラブル」で、俳優としてのキャリアを本格スタート。
1959年、フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」で一躍脚光を浴びる。

ソフィア・ローレンとのコンビで「昨日・今日・明日 1963」「ひまわり 1970」などに出演後、
1970年「ジェラシー」、1987年「黒い瞳」で、カンヌ国際映画祭男優賞を受賞。

以降、親しみやすい人柄と幅広い演技力で根強い人気を保ち、多くの作品に出演して活躍した。






代表作品

    白夜(Le notti bianche)1957年(伊/仏)ベネチア国際映画祭準グランプリ

港町で青年マリオ(マストロヤンニ)は、橋上でさめざめと泣く娘ナタリア(シェル)と出会う。
彼女は毎晩、橋の上で恋人(マレー)を待ちわびているという。
マリオは、三夜続けてナタリアと会い、彼女を愛するようになり、ナタリアも彼に好意を抱く。

マストロヤンニは、純情な青年役を演じている。ナタリアに一目惚れしてしまい、彼女の心も彼に傾きかけるのだが、
ある晩、橋の上に人影が見える。それはナタリアの待ち人だった。彼女は彼を目にすると、一目散に駆けて行った。

ニノ・ロータの甘美な音楽とは裏腹に、失恋を非情なまでに残酷に描いた作品なのだが、マストロヤンニが演ずると、
どこか男の哀れみと可笑しさを醸し出していて、ついつい応援したくなってしまう。たいへん味のある役者である。

(監督)ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)マリア・シェル(Maria Schell)
(出演)マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)ジャン・マレー(Jean Marais)
       
       
      甘い生活(La dolce vita)1960年(伊)カンヌ国際映画祭グランプリ

マルチェロ(マストロヤンニ)は、作家志望だがゴシップ記者の身に甘んじている。ローマのナイトクラブに出入りし、
富豪の令嬢と一夜を共にしたり、ハリウッドの人気女優と狂乱の夜を過ごす。享楽に疲れ果てて、夜明けの砂浜に
さまよい出ると、そこには怪魚の死骸が醜くころがり、悪臭を放っていた。

女たらしで軽薄で、自堕落な男を演じれば天下一品のマストロヤンニを堪能できる一品。ドンチャン騒ぎのパーティの後、
海岸で腐敗した魚を目にした彼は、これは自分たちを象徴していると悟る。だがなす術もなく元の怠惰な生活へ戻っていく。

物質的には十分満たされながら、精神的支柱を失い、刹那的に生きる人間たちの姿を描き、上流社会の世紀末退廃を摘出
したフェリーニの傑作。そのスキャンダラスな描写が世界的に大きな反響を呼んだ。

(監督)フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)(出演)アヌーク・エーメ(Anouk Aimee)
マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)アニタ・エクバーグ(Anita Ekberg)
 
       
       
      昨日・今日・明日(Ieri, Oggi, Domani)1963年(伊)アカデミー外国語映画賞

アデリーナ(ローレン)は、闇タバコを売って失業中の夫と子供を養っている。警官も
闇タバコを平気で買っているから、普通は逮捕されない筈だ。

だが時には警察も法律を適用するので「妊婦は逮捕されない」という特権を利用して、
子供を産み続ける。子作りに協力させられる亭主が、どんどんやつれていくのが傑作。

妊娠作戦がうまくいかず、彼女が刑務所に入ると、町の人皆が協力して彼女を助ける。
この映画では、ナポリの庶民の暮らしが生き生きと描かれている。

(監督)ヴィットリオ・デ・シーカ(Vittorio De Sica)
(出演)ソフィア・ローレン(Sophia Loren)マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)
       
       
      ひまわり(I GIRASOLI)1970年(伊/仏/ソ連/米)

第ニ次大戦前夜のナポリ。ジョヴァンナ(ローレン)はアントニオ(マストロヤンニ)と結婚。
しかし戦争が始まり、アントニオはロシア戦線へと送られる。

戦後、依然として消息の知れない夫を尋ねて、ジョヴァンナはロシアへ向かう。
アントニオは生きていたが、彼には妻と赤ん坊がいた。

愛し合った男女が離れ離れになり、再会を果たしても、それぞれが新しい生活を始めているので、
もう昔には戻れないというストーリーは、新派悲劇のように観客の涙をそそる。
一面のひまわり畑が、ただただ美しい。心を揺さぶるヘンリー・マンシーニの音楽も忘れ難い。

(監督)ヴィットリオ・デ・シーカ(VITTORIO DE SICA)(出演)ソフィア・ローレン(SOPHIA LOREN)
マルチェロ・マストロヤンニ(MARCELLO MASTROIANNI)リュドミラ・サベーリエワ(Lyudmila Savelyeva)
       
                              I girasoli(Henry Mancini) 
       

マリオネット(Marionette)1939年
ラブストーリー(Una storia d'amore)1942年
子どもたちが見ている(I bambini ci guardano)1944年
レ・ミゼラブル(I miserabili)1948年
8月の日曜日(Domenica d'agosto)1949年
ハーツ・バイ・ザ・シー(Cuori sul mare)1949年
ドッグズライフ(Vita da cani)1950年
法律に反して(Contro la legge)1950年
非難(Atto d'accusa)1950年
パリはいつもパリ(Parigi e sempre Parigi)1951年
5人の母とゆりかご-東洋へのパスポート(Cinque mamme ed una culla - Passaporto per l'oriente)1951年
永遠の鎖(L'eterna catena)1951年
官能の世界(Sensualita)1951年
希望の通り道(Viale della speranza)1952年
悲しき帰還(Tragico ritorno)1952年
スペイン階段の少女たち(Le ragazze di Piazza di Spagna)1952年
ブラックフェザー(Penne nere)1952年
遅すぎるということはない(Non e mai troppo tardi)1953年
サンデーヒーローズ(Gli eroi della domenica)1953年
ルル(Lulu)1953年
生きる情熱(Febbre di vivere)1953年
恋愛時代(Giorni d'amore)1954年
カナリア諸島のプリンセス(La principessa delle Canarie)1954年
貧しき恋人の物語(Cronache di poveri amanti)1954年
罪の奴隷(Schiava del peccato)1954年
こんなに悪い女とは(Peccato che sia una canaglia)1954年
私たちの時代 - ジバルドネ No.2(Tempi nostri - Zibaldone N.2)1954年
タム・タム・マユンベ(Tam tam Mayumbe)1955年
ルチアーノ・エマー(Il bigamo by Luciano Emmer)1955年
バストで勝負(La bella mugnaia )1955年
女であることの幸運(La fortuna di essere donna)1956年
最も美しい瞬間(Il momento piu bello)1956年
ドクターとスティーゴーン(Il medico e lo steegone)1957年
白夜(Le notti bianche)1957年
父と息子(Padri e figli)1957年
女と男(Madchen und Manner)1957年
1ヘクタールの天国(Un ettaro di cielo)1957年
愛のトラブル(Amore e guai)1958年
イ・ソリティ・イグノーティ(I soliti ignoti)1958年
みんなが恋してる(Tutti innamorati)1958年
夏物語(Racconti d'estate)1958年
ナポリ王フェルディナンド1世(Ferdinando I, re di Napoli)1959年
妻の敵-ハンサムな夫(Il nemico di mia moglie - Il marito bello)1959年
掟(La Legge)1959年
アデュアとその仲間たち(Adua e le compagne)1960年
甘い生活(La Dolce Vita)1960年
汚れなき抱擁(Il bell'Antonio)1960年
ザ・アサシン(L'assassino)1960年
夜(La notte)1960年
私生活(Vita privata)1961年
ファンタスミ・ア・ローマ(Fantasmi a Roma)1961年
イタリア式離婚狂想曲(Divorzio all'italiana)1962年
家族日誌(Cronaca familiare)1962年
8 1/2(Otto e mezzo)1963年
明日に生きる(I compagni)1963年
昨日・今日・明日(Ieri, oggi, domani)1963年
あゝ結婚(Matrimonio all'italiana)1964年
今日、明日、明後日......エピソード(Oggi, domani e dopodomani; episodie L'uomo dei cinque palloni)1965年
私、私、私...そして(Io, io, io... e gli altri)1965年
華麗なる殺人(La decima vittima)1965年
カサノヴァ'70 (Casanova 70)1965年
ブレイクアップ(Break-up)1965年
悪のシンフォニー(The Poppy Is Also a Flower)1966年
夢みるアルベルト(Spara forte, piu forte... non capisco!)1966年
異邦人(Lo straniero)1967年
女と男と金(Oggi, domani, dopodomani)1968年
恋人たちの場所(Amanti)1968年
朝食のダイヤモンド(Diamanti a colazione)1968年
ひまわり(I Girasoli)1970年
スキピオはアフリカ人(Scipione detto anche l'africano)1970年
最後の栄光(Leo The Last)1970年
ジェラシー(Dramma della gelosia - tutti i particolari in cronaca)1970年(カンヌ国際映画祭男優賞)
パーシャルゲーム(Giochi particolari)1971年
ロッコ・パパレオ(Permette? Rocco Papaleo)1971年
結婚宣言(La moglie del prete)1971年
それは恵みの年1870(...Correva l'anno di grazia 1870)1971年
哀しみの終るとき(Ca n'arrive qu'aux autres)1971年
ひきしお(La cagna)1972年
ポランスキーの 欲望の館(What?)1972年
裂けた鉤十字 ローマの最も長い一日(Rappresaglia)1973年
ダーティウィークエンド(Mordi e fuggi)1973年
モン・パリ(L'Evenement le plus important depuis que l'homme a marche sur la lune)1973年
アロンサンファン 気高い兄弟(Allonsanfan)1973年
最後の晩餐(La Grande Bouffe)1973年
白い女に手を出すな(Non toccare la donna bianca)1974年
ガンモール おかしなギャングと可愛い女(La pupa del gangster)1974年
あんなに愛しあったのに(C'eravamo tanto amati)1974年
アンティックスケール(Per le antiche scale)1975年
サルト・ルアーティスト(Salut l'artiste)1975年
日曜日の女(La donna della domenica)1975年
トドメの一撃(Todo modo)1975年
悦楽の闇(Divina creatura)1975年
皆さん、おつかれさま(Signore e signori, buonanotte)1976年
ベネチアの貴族(Culastrisce nobile veneziano)1976年
モリアマンテ(Mogliamante)1977年
特別な一日(Una giornata particolare)1977年
ダブルマーダー(Doppio delitto)1977年
トラフィック・ジャム(L'ingorgo - Una storia impossibile)1978年
ハローマーレ(Ciao maschio)1978年
今のままでいて(Cosi come sei)1978年
未亡人をめぐる2人の男の流血事件(Fatto di sangue fra due uomini per causa di una vedova, si sospettano moventi politici)1978年
ナポリタン探偵物語(Giallo napoletano 1979年
女の都(La citta delle donne)1980年
ラ・テラッツァ(La terrazza)1980年
ファンタズマ・ダモーレ(Fantasma d'amore)1981年
ラ・ペレ(La pelle)1981年
港の向こう側(Oltre la porta)1982年
あの夜、ヴァレンヌで(That Night in Varennes)1982年
ガブリエラ(Gabriela)1982年
ピエラ 愛の遍歴(Storia di Piera)1983年
軍隊の帰還(L'armata ritorna)1983年
エンリコ四世(Enrico IV)1984年
マティア・パスカル(Le due vite di Mattia Pascal)1985年
ジンジャーとフレッド(Ginger and Fred)1985年
マカロニ(Maccheroni)1985年
ソリティ馬の20年後(I soliti ignoti vent'anni dopo)1985年
蜂の旅人(Melissokomos)1986年
黒い瞳(Oci ciornie)1987年(カンヌ国際映画祭男優賞)
ミス・アリゾナ(Miss Arizona)1987年
インテルビスタ(Intervista)1987年
スプレンドール(Splendor)1989年
BARに灯ともる頃(Che ora e?)1989年
アフタヌーンティーはベッドで(Cin Cin)1990年
みんな元気(Stanno tutti bene)1990年
黄昏に瞳やさしく(Verso sera)1990年
幼な子守唄(Le voleur d'enfants)1990年
こうのとり、たちずさんで(The Suspended Step of the Stork)1991年
このことは語られない(Di questo non si parla)1992年
迷子の大人たち(Used People)1992年
1、2、3、スター!(Uno, due, tre, stella!)1993年
プレタポルテ(Pret-a-Porter)1994年
百一夜(Les Cent et une nuits de Simon Cinema)1995年
愛のめぐりあい(Beyond the Clouds)1995年
ペレイラ(Sostiene Pereira)1995年
三生一死(Tre vite e una sola morte)1996年
世界の始まりへの旅(Viaggio al principio del mondo)1997年