マッシモ・ジロッティ(Massimo Girotti)

生年月日 : 1918/05/18
出身地 : イタリア/モリアーノ
没年 : 2003/01/05

1939年、マリオ・ソルダティ監督の「ドーラ・ネルソン(Dora Nelson)」で映画デビュー。

1943年、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」に主演。
人妻と恋仲になり、破滅する流れ者を好演し、鮮烈な印象を残した。

その後も、同監督の「夏の嵐 1954」パゾリーニ監督の「テオレマ 1968」「王女メディア 1969」
ベルトルッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ 1972」等、多くの話題作に出演して活躍した。






代表作品

      郵便配達は二度ベルを鳴らす(Ossessione)1943年(伊)

ジョヴァンナ(カラマイ)は、イタリア北部の田舎町にあるレストランで年上の夫と暮らしている。
ある日、彼女はふらりと店に現れたジーノ(ジロッティ)の若々しい肉体にくぎ付けになる。
彼らはすぐに深い仲になり、駆け落ち寸前までいくが、ジョヴァンナは今の生活を捨てきれない…。

アメリカの作家J・M・ケインの不倫メロドラマの映画化。不倫ドラマといっても人妻が男と共謀して
亭主を殺害するという物騒なドラマである。その結果、人生を狂わせてしまう男女の悲劇が描かれる。

映画の冒頭は、疾走する車から覗くイタリアの片田舎の風景。このいたってのどかな日常風景と、二人の
男女の燃え上がる情念との対比が鮮烈で、欲望を抑えきれない人間の業の深さが強く印象に残る作品。

(監督)ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)
(出演)マッシモ・ジロッティ(Massimo Girotti)クララ・カラマイ(Clara Calamai)
 
       
       
    夏の嵐(Senso)1954年(伊)

19世紀、戦時下のベネチア。伯爵夫人リヴィア(ヴァリ)は、敵方のオーストリア軍士官と激しい恋に落ちる。
密会を重ね、恋の虜となったリヴィアは、従兄から預かった軍資金を、男が軍籍から抜け出るために用立てる。
だが、やがて男は心変わりし、リヴィアの愛は憎悪に変わる。

敵方の士官への盲目の恋のために、イタリアの同胞を裏切り、また士官の心変わりを知るや、軍に密告して
死に追い込むという伯爵夫人の業を、アリダ・ヴァリが凄絶なまでに演じている。

貞淑な妻が抑えきれぬ不倫の愛にのめり込み、雨の中を狂ったように男の姿を求めて彷徨するシーン、
やがて心変わりを知り錯乱する場面での、ヴァリの鬼気迫る熱演が見ものである。

マッシモ・ジロッティは、レジスタンスの指導者であり、伯爵夫人の従兄であるロベルト侯爵を演じている。

(監督)ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)(出演)アリダ・ヴァリ(Alida Valli)
ファーリー・グレンジャー(Farley Granger)マッシモ・ジロッティ(Massimo Girotti)
 
       

ドーラ・ネルソン(Dora Nelson)1939年
トスカ(Tosca)1941年
マラヤの海賊(Pirates of Malaya)1941年
郵便配達は二度ベルを鳴らす(Ossessione)1943年
無法者の掟(In nome della legge)1948年
剣闘士スパルタカス(Spartaco)1953年
夏の嵐(senso)1954年
潜水艦浮上せず(Lupi nell'abisso)1959年
皇帝のビーナス(Venere imperiale)1962年
テオレマ(Teorema)1968年
姉妹(Le Sorelle)1969年
王女メディア(Medea)1969年
SOS北極... 赤いテント(The Red Tent)1970年
ラストタンゴ・イン・パリ(Last Tango in Paris)1972年
パリの灯は遠く(Mr. Klein)1976年
卍/ベルリン・アフェア(The Berlin Affair)1985年