シルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano)

生年月日 : 1930/04/21
出身地 : イタリア/ローマ
没年 : 1989/12/16

7歳の時からバレエを習い、1946年にミス・ローマに選ばれ、1947年、マリオ・コスタ監督の「愛の妙薬」で映画デビュー。

1948年、ジュゼッペ・デ・サンティス監督の「にがい米 Riso amaro」に主演。

「にがい米」では、イタリア北部の水田地帯を舞台に、稲の刈り入れに雇われて来る出稼ぎの娘を演じ、野良着姿の彼女は
太腿も露わなショーツ姿で水田に入り、強烈なエロティシズムを発散、一躍イタリア映画を代表するビッグスターになった。

以後「アポロンの地獄 1967」「ベニスに死す 1971」等、イタリア、アメリカ映画を中心に国際的に活躍した。





代表作品

    にがい米(Riso amaro)1949年(伊)

田植えの季節、水田地帯に大勢の女性たちが季節労働者として集まって来る。労働者の中に、
宝石強盗の一味が紛れ込んでいた。苛酷な条件で働く女たち。

シルヴァーナ(マンガーノ)は、違う生活を夢見て、強盗の一人ガスマンに魅かれるのだが、
待ち受けていたのは身の破滅だった。

戦後の混乱と貧困の中で、女性の出稼ぎ労働の苛酷さを告発した作品であるが、同時に田植えに
従事する女たちの醸し出す野性的なエロティシズムが、この作品の魅力の一つとなっている。
ヒロインのマンガーノは、その圧倒的なグラマー振りから、日本では「原爆女優」と呼ばれた。

(監督)ジュゼッペ・デ・サンティス(Giuseppe De Santis)
(出演)シルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano) ヴィットリオ・ガスマン(Vittorio Gassman)
 
       
       
      ユリシーズ(Ulysses)1954年(伊)

トロイ戦争に勝利したギリシア軍は凱旋の途につく。その中に、英雄ユリシーズ(ダグラス)の姿もあった。

だが途中暴風雨に遭い船は転覆。彼はファイアケス島に漂着し、海岸で意識を失ってしまう。
そんなユリシーズを発見し、王宮に連れ帰ったナウシカ姫(ポデスタ)は、記憶を失った彼に思いを寄せる。

まだ神が人と共にあった紀元前1200年のギリシア。トロイ遠征で勝利した英雄ユリシーズが、凱旋の途上遭遇した
波乱万丈の冒険活劇が描かれる。マンガーノの役柄は、夫ユリシーズの帰還を待つ王妃ペネロペに扮している。
また同じく二役で魔女キルケも妖艶に演じている。

(監督)マリオ・カメリーニ(Mario Camerini)(出演)カーク・ダグラス(Kirk Douglas)
ロッサナ・ポデスタ(Rossana Podesta)シルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano)
 
       
       
    家族の肖像(Gruppo di famiglia in un interno)1974年(伊/仏)

教授(ランカスター)は、ローマのアパルトマンで書物と絵画に囲まれ、悠々自適の日々を送っている。
そこへ、見知らぬ中年女性ビアンカ(マンガーノ)が現れ、教授が所有する上の階の部屋を借りたいという。
理由を聞けば、彼女の年若い愛人コンラッド(バーガー)を住まわせるためだという。

教授は断るが、しつこく頼まれて仕方なくコンラッドを住まわせることになった。だがやがてビアンカの娘や
その恋人までが部屋に雪崩れ込んでくる。教授の平穏な生活は、すっかりかき乱されてしまうのであった。

しかし迷惑一方だと思っていた間借人コンラッドは、じつは絵画を理解し、クラシック音楽を語る人物で、
彼との会話に、教授の心はふと安らぐのだった。やがて教授の心に「家族に囲まれたい」という淡い願いが蘇る。
教授には離婚した妻、そして優しい母親もいた。長年、孤独を頑固に守りながらも、自分の心に抱き続けていた
憧れは、じつは「家族」だということに気づくのだった。

(監督)ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)(出演)バート・ランカスター(Burt Lancaster)
ヘルムート・バーガー(Helmut Berger)シルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano)
 
       

「愛の妙薬」L'elisir d'amore(1947)
にがい米」Riso amaro (1948)
「シーラ山の狼」Il lupo della Sila (1949)
「紅薔薇は山に散る」Il brigante Musolino (1950)
「アンナ」Anna (1951)
「マンボ」Mambo (1954)
ユリシーズ」Ulisse (1954)
「人間と狼」Uomini e lupi (1957)
「テンペスト」Tempest (1958)
「海の壁」The Sea Wall (1958)
「戦争・はだかの兵隊」La Grande guerra (1959)
「五人の札つき娘」5 Branded Women (1960)
「バラバ」Barabbas (1962)
「私は宇宙人を見た」Il disco volante (1964)
「華やかな魔女たち」Le Streghe (1967)
「アポロンの地獄」Edipo re (1967)
「テオレマ」Teorema (1968)
「ベニスに死す」Morte a Venezia (1971)
「デカメロン」Il Decameron (1971)
「ルートヴィヒ」Ludwig (1972)
家族の肖像」Gruppo di famiglia in un interno (1974)
「デューン/砂の惑星」Dune (1984)
「黒い瞳」Oci ciornie (1987)