Age,35 恋しくて 1996年(平成8年) ドラマ傑作選
島田英志(中井貴一)は、食品会社の課長である。
妻の朱美(田中美佐子)そして二人の子供たちと、幸せな毎日を送っている。
だが、英志は、常務秘書の照井ミサ(瀬戸朝香)と密かに関係を続けていた。
奔放でストレートなミサ。
そんなミサに英志は、いつか別れねばと思いつつも、のめり込んでいた。
一方、妻の朱美は、美大時代の同級生・成瀬シン(椎名桔平)にふと再会する。
陶芸家のシンは、朱美に陶芸教室を手伝ってくれないかと依頼する。
やがて英志は、ミサとの別れを決意する。
だが、ミサに「子供ができた。産む」と宣言されるのだった…。
柴門ふみ原作の人気コミックをドラマ化。夫婦のW不倫を描いて話題を呼んだ作品。
一家四人で温かい家庭を築いていた夫は、その裏で、愛人との不倫を続けていた。
はじめは、遊びから始まった不倫だが、やがて本気になってしまう。
愛する家族のためにも、一度は愛人との決別を決意するものの、愛人の妊娠が発覚。
さらに不倫に気づいた妻までも、不倫に走ってしまうという泥沼の展開となってしまう。
本作は、W不倫を描いたドラマであるが、回を追うごとに、大人の哀愁や切なさが
加わった純愛ストーリーに転化していくという、従来とは異質の作品となっている。
登場人物たちは、互いに葛藤と苦悩を続けた結果、最終的に「自分にとっての幸せ」
を優先し、不倫ドラマには珍しい大団円を迎えることになる。
添い遂げるだけが愛の形ではない。
結婚が幸せのための選択なら、離婚も幸せのための選択ではないだろうか。
お互いの人生観が変わったり、方向性が変わると、むしろ一緒にいることよりも、
離れた方がいい場合もありえる。
本作は、新たにスタートが可能な35歳という年齢をひとつのターニングポイント
と捉え、前向きに自分らしく生きる人生の在り方を問いかける作品である。
(制作)フジテレビ(原作)柴門ふみ(脚本)中園ミホ
(配役)島田英志(中井貴一)島田朱美(田中美佐子)照井ミサ(瀬戸朝香)成瀬シン(椎名桔平)
桜井弥生(水野美紀)大平悠子(香坂みゆき)大平幾也(生瀬勝久)藤井常務(小松政夫)